
中学生だと夏休みの宿題などに、「読書感想文」がありますよね。
今日は、中学生が読書感想を書きやすい、オススメの海外の小説やエッセイを紹介します。
何を読めばいいか迷ったら、参考にしてみてくださいね。
海外作品をおすすめする理由は?
わざわざ海外の小説や随筆を紹介する理由を二つ説明しますね。
一つ目は、学校の国語の教科書は、ほとんどが日本人作家の作品だからです。
自分から読もうとしない限り、海外の作品を読む機会があまりないんですね。
「読書感想文」の宿題をきっかけに、ぜひ手に取っていただきたいと思います。
二つ目の理由は、宿題の感想文を読む先生にちょっとしたインパクトを与えられるからです。
読書会感想文は、多くが夏目漱石や太宰治、芥川龍之介など、やはり日本人作家の古典的な作品について書く学生が多いです。
それ自体は別に何の問題もないのですが、読む先生からすると「同じ作品についての、同じような感想文」をたくさん読むことになります。
そうすると、よほど斬新な視点でも持たなければ、先生の印象に残る感想文を書くのは難しくなってしまいます。
けれど、まったく違う作品について書いてあったら、それだけでインパクトを与えることができますよね。
この二つが、わたしが海外作品を読書感想文におすすめする理由です。
中学生が読書感想文を書きやすい本は?
今日は5冊ご紹介しますね。
本選びの目安になるように、それぞれ「難易度」「あらすじ」「こんな人におすすめ」「キラリと光る感想文を書くポイント」について書いてみました。
参考にしてくださいね!
『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス
難易度 ★☆☆
あらすじ
パン屋で働くチャーリィの日記形式の小説です。
脳外科手術によりチャーリィは知能が向上し天才に変貌しますが、それに伴い周囲の人たちも変わっていきます。
チャーリィは以前はなかった愛憎や孤独感を抱くようになり、周囲とのあつれきも生じるようになります。
そして脳機能はふたたび幼児並みの知能に戻っていき、チャーリィは恐怖や不安に苦しみます。
幸せとは何か、深く考えるきっかけになる本です。
- SFが好き
「幸せな人生」とはどういうものか関心がある
将来は福祉や医療、教育の仕事に就きたい
この本をすすめる理由
訳が読みやすく分かりやすいから
主人公に感情移入しやすく、感想文が書きやすいから
- すべての人が関心を持てる「幸せ」をテーマにできるから
キラリと光る感想文を書くコツ
「自分が主人公だったら」もしくは「自分の周りに主人公のような人がいたら」という視点に立って書いてみよう
『人間の大地』サン=テグジュペリ
難易度★★☆
あらすじ
飛行機の黎明期、郵便飛行士だったサン=テグジュペリやその同僚たちは命がけで空を飛んでいました。
大自然の美しさに魅せられ、その一方で過酷さに打ちのめされながらも、生涯空を飛び続けた男たちの物語です。
これはエッセイですが、サハラ砂漠や厳冬のアンデス山脈に不時着しながらも生還する話などは、「事実は小説より奇なり」と思うほどの衝撃があります。
この本をおすすめする理由
作家自身が非常に魅力的で、また非日常的な話が多いため、読んでいて飽きないから
エッセイなので、興味のある章を読むだけでも感想文が書けるから
フランス人らしい言い回しなど、日本人作家にはない文体が楽しめるから
- 冒険ものが好き
- 乗り物では飛行機が一番好き
フランスやスペインなど、外国に興味がある
将来は、旅行や航空関係、スポーツ関係の仕事がしたい
キラリと光る感想文を書くコツ
サン=テグジュペリの生き方について考えてみよう
※海外の本のおもしろさや読みやすさは、翻訳に左右されます。
日本では2つ翻訳が出ていますが、中学生には渋谷豊さんの訳がおすすめです(堀口大學訳は、文語調なので読みにくいかもしれません)。
『老人と海』ヘミングウェイ
難易度★★☆
あらすじ
84日間も魚が獲れない老人漁師のサンチャゴが、ただ一人で巨大なカジキマグロに挑む物語。
主人公以外の主要登場人物は、サンチャゴの手伝いをする少年マノーリンだけという、とてもシンプルな小説です。
この本をおすすめする理由
訳も素晴らしく、短い小説なので読みやすいから
複雑な人間関係などもなく、構成も簡潔で、難しくないから
釣りが好き
- 海が好き
将来は、水産業や海に関係した仕事に就きたい
キラリと光る感想文を書くポイント
あなたがサンチャゴの立場だったら、どうするか考えてみよう
『それでも人生にイエスと言う』ヴィクトール・E・フランクル
難易度★★☆
あらすじ
過酷な環境から生還したユダヤ人精神科医のエッセイ。
あの時代は、人類史700万年の歴史の中で未曽有の体験だったわけですが、この不条理を生き抜けた人と、そうでない人に違いはあったのかどうか。
著者はどのようにして耐え抜いたのか。
医師らしい科学的な視点で、自身の体験を考察している作品です。
この本をおすすめする理由
社会の教科書だけでは学べないことが書いてあるから
「生きること」は全ての人に深く関係のあるテーマなので、感想文として書きやすいから
社会的な問題に興味がある
将来は、ジャーナリストや社会学者、公務員、医療関係の仕事に就きたい
キラリと光る感想文を書くポイント
時代背景をつかむために、歴史の教科書にも目を通してみよう
『デミアン』ヘルマン・ヘッセ
難易度★★★
あらすじ
主人公はいじめられっ子のジンクレール少年。
ある日、助けてもらったことをきっかけに、不思議な雰囲気のある同級生のデミアンと親しくなります。
デミアンの影響を受けて、ジンクレールは世の中の在り方に疑問をもち、善や悪について考えるようになっていきます。
戦争前のドイツの暗い雰囲気と、思春期独特の悩みを抱えた、少年の不安定な精神世界があいまって、独特の読後感がある小説です。
この本をおすすめする理由
中学生にとって同じ年頃の主人公は、感情移入しやすいから
読む人によって着眼点が大きく変わるため、感想文に独自性を出しやすいから
「善と悪」など、抽象的なことを考えるのが好き
哲学に興味がある
将来は、哲学や社会学、専門書の出版関連の仕事に就きたい
キラリと光る感想文を書くポイント
抽象的な話が多い小説なので、しっかりと自分の体験談も交えて感想文を書いてみよう
まとめ
今日は、中学生読書感想文を書く時におすすめの海外の小説・随筆を紹介しました。
読書感想文の宿題は、本を読むいい機会です。
普段は読むことのない海外作品も、ぜひ読んでみてくださいね。