スピルバーグ映画『E.T.』は、1982年に公開されました。
子供くらいの大きさしかないETを、まだCGのない時代にどうやって撮影したのでしょうか?
実は、『E.T.』には、オリジナル版と20周年特別版があります。
2022年の土曜プレミアムで放送されるのは、おそらく特別版の方でしょう。
この記事では、
- ETの「中の人」は3人いた
- ETの撮影方法は?
- 20周年特別版は、どこが変わった?
- ETの中の人のプロフィールと現在は?
について、まとめています。
ETの中の人3人はどうやって撮影した?
Para la pelicula de ET, quien se disfrazo del extraterrestre fue Pat Billon, actor que falleció poco después del estreno de la película. También usaron a Tamara de Treaux y a un niño llamado Matthew de Merrit. pic.twitter.com/cYhGVXFLH4
— Poison_Envy. (@Envy19_) April 9, 2018
ETの中の人は3人いた
映画の中で、エリオットとE.T.が身長について話すシーンがあります。
エリオットは137センチで、E.T.は首を伸ばすとエリオットより少し高いくらいでしたね。
小学校低学年の子供と同じくらいの大きさのE.T。
体型的にちょこちょことした動きでしたが、「どうやってE.T.を動かしてるんだろう?」と思いますよね。
E.T.には、場面によって以下の3人のキャストが中に入って演じていました。
- パッド・バイロン(35歳)
- タマラ・ド・トロー(23歳)
- マシュー・ド・メリット(12歳)
( )書きの年齢は、『E.T.』公開当時の年齢です。
撮影時だと、それより1歳若い年齢だと思います。
パッドとタマラは、小人症のため身長が低かったのです。
マシューは、先天的に下半身がありませんでした。
ETをどうやって撮影した?
3人は、それぞれETの人形の中にはいって、演じています。
マシューの場合は、下の様にしてE.T.を演じたそうです。
マシューは、手を使って歩いていたんですね。
パッドとタマラは、E.T.をそのまま被って、歩いていたようです。
E.T.の手は、オペレーター12人が動かしていたとのこと。
CG技術がなかった時代ですから、E.T.は、アナログとは言え、かなり精巧に作られていたんですね。
ちなみに、E.T.のロボット人形は150万ドルしたそう。
1ドル120円とすると、1億8千万円ですね。
1982年当時は、1ドル235円ですから3億5千万円の計算になります。
当時の最新技術を使っていたのでしょう。
20周年特別版はCGも!どこが変わった?
『E.T.』公開から20年経った2002年には、『E.T.20周年アニバーサリー特別版』が公開されました。
特別版は、最新技術を使って修正を加えています。
- ロボットを使っていたE.T.のシーンを、CGで置き換え
- 合成シーンをデジタル処理した
- 背景に雲を流したり、服や木の枝が風になびくよう処理した
- バスタブやハロウィンシーンを最新技術で追加
など、技術で改良できるところに手を加えたんですね。
また、オリジナルバージョンには、警察官が銃やショットガンを持ち出すシーンがあります。
それが特別版ではトランシーバーに変えられました。
「テロリスト」というセリフも「ヒッピー」に変わっています。
これは、スピルバーグ監督が親になってから、心境の変化があったからだそう。
子供も楽しむ映画に不穏なシーンを入れたくないと思ったんですね。
土曜プレミアムは特別版?
2022年5月14日に、『E.T.』が土曜プレミアムで放送されます。
オリジナル版と特別版と、どちらが放送されるのでしょうか?
おそらく、特別版が放送されると思います。
その方が、令和の時代に合ってるからです。
セリフの中で「ヒッピー」という言葉が出てきたら、特別版と分かりますね!
となると、E.T.もロボット人形ではなくCG加工されたE.T.ということです。
ETの中の人3人はどんな人?現在はどうしてる?
E.T.の中に入って演技をした3人は、どんな人たちなのでしょう?
3人のプロフィールと現在について、まとめました。
【中の人1】パッド・バイロン
氏名:マイケル・パトリック・バイロン
生年月日:1947年8月29日
死没日:1983年1月27日
享年:35歳
身長:86cm
出身地:オハイオ州
出身校:ヤングスタウン州立大学
パッド・バイロンは、オハイオ州ヤングスタウンの高校と州立大学を卒業しました。
大学では、演技を学んでいます。
さまざまなテレビコマーシャルに出演しましたが、ずっと俳優を目指し続けます。
俳優の仕事がない時は、ボウリング場の警備や、小学校のバスケットボールのコーチなどしていました。
1979年に、フレッドバウアー監督の目にとまり、コメディ映画に出演。
1981年には、『E.T.』の中に入るキャストに選ばれます。
E.T.のロボット人形とパッドの体重は、ほぼ同じ20kgだったそう。
それだけ重いと、歩くのも大変だったでしょうね。
3人の中では、パッドが一番E.T.の中に入る場面が多かったそうです。
映画がアメリカで公開されたのは、1982年6月でした。
パッドさんは、半年後の1983年1月に亡くなっています。
享年35歳。
前年に脾臓を摘出していたそうなのです。
その後、肺炎で合併症を起こしたのでした。
『E.T.』という大仕事を終えて、パッドさんは割とすぐ亡くなったんですね。
【中の人2】タマラ・デ・トロー
- 氏名:タラマ・デトロ
- 生年月日:1959年10月21日
- 死没月日:1990年11月28日
- 身長:79cm
名前からすると、フランス系アメリカ人だと思います。
タマラさんは、13歳から演技に興味を持ち、人生で7本の映画に出演しました。
一番最初は1973年のホラーTVドラマで、魔物の人形の中に入るという仕事。
その他、子役の代役などを務めているうちに、スピルバーグ監督の目にとまります。
『E.T.』の中に入って演じたのは、タマラさんが22歳の時ですね。
E.T.の人形は、20キロもあったそうなので、中に入って歩いたりするのは、女性には大変だったのではないでしょうか。
その後、タマラさんは舞台にも出演しています。
1990年に、呼吸器と心臓を悪くして31歳で亡くなっています。
【中の人3】マシュー・ド・メリット
Y
— Alex Covarrubias (@DrCovaAlex) June 11, 2020
-Matthew DeMeritt: un de 12 años que nació sin piernas y que para moverse colocaba sus manos en la parte de los pies de este extraterrestre. pic.twitter.com/lyt6AOYiMQ
氏名:マシュー・ド・メリット
生年月日:1970年4月21日
年齢:52歳(2022年5月現在)
出身地:カリフォルニア州
マシューさんは、先天的に下半身がない状態で生まれてきました。
普段は両手を使って歩いているそうです。
11歳の時に、E.T.のカメラテストを受けています。
E.T.の中に入って、手を使って歩いて見せるというテストだったそうですよ。
映画では、台所のシーンなどで、マシューさんはE.T.の中に入っていたのだとか。
また、E.T.が倒れるシーンは、マシューさんが担当だったそう。
E.T.の中に入った3人では、ただ一人現在も健在のマシューさん。
2012年のTV「Happy Birthday E.T.」にも出演しています。
また2022年の『E.T.』公開40周年記念パーティでもレッドカーペットに登場しました。
ETの中の人3人と撮影方法まとめ
E.T.の中の人は、3人いた
3人は、重さ20キロのETの人形の中に入って演じた
ETのロボット人形は、当時のお金で.3億5千万円した
20周年記念の特別版では、ETはCG修正されている