若い女性を中心に人気の映画『プラダを着た悪魔』。
ネットを見ると、アン・ハサウェイ演じるアンディには共感しつつも、恋人のネイトには疑問や違和感を持つ人も多いようです。
この記事では
一生懸命働くアンディに、彼氏が「誠実に働いていない」と怒ったのは何故?
ラストで、結局アンディと彼氏はよりを戻したのか?分かれたのか?
原作と映画で、二人の関係の結末は少し違う
ということについて、まとめました。
【プラダを着た悪魔】人によってネイトの評価は大きく違う
ネットを見ると、アン・ハサウェイ演じる主人公のアンディは、「かわいい」というのが一般的な評価のようです。
一方で、恋人のネイトは、人によって評価が大きく違います。
賛否両論をTwitterで見てみましょう。
ネイトを「誠実」「良い人」と肯定的に評価する人もいますね。
逆に「仕事と自分」を天秤にかけさせる面倒くさい恋人、というふうにネイトをとらえる人もいるようです。
ネイトをどう評価するかで、映画の解釈は違ったものになるでしょう。
アンディは一生懸命働いているのに、ネイトが
「誠実に仕事をするなら、君がストリッパーでも構わない」と言った意味が分からないという声も、ネットでいくつか見かけました。
他にも、「ラストで、ネイトはボストンに引っ越すのに、
アンディはニューヨークで面接を受けてて、結局あの二人はよりを戻したの?」という疑問をもってる人もいるようです。
ひとつずつ解説していきますね。
『プラダを着た悪魔』は、最後のほうが話の展開が速いので、ちょっと分かりにくいところがあります。
アンディとミランダの謎については、別の記事でまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
【プラダを着た悪魔・解説】彼氏がアンディに「誠実じゃない」と怒った理由はなぜ?
パリに行くのはエミリーではなくアンディになった時、アンディとネイトが口論になって、そのまま別れてしまうシーンがありますね。
その時、ネイトは「誠実に仕事するなら、君がストリッパーでも構わないさ」と怒ります。
ミランダの無茶ぶりに振り回されながら、懸命に働くアンディに共感していると、「頑張って働いてるのに!」と言いたい気持ちになりますよね。
どうしてネイトは「誠実」という言葉を使ったのでしょうか?
ネイトはアンディと同棲している恋人なので、彼女のことをよく知っているはずです。
アンディは、ジャーナリスト志望
アンディは、ファッションに命を懸ける「ランウェイの女」たちを馬鹿にしていた
ミランダの傍若無人さを知っている
アンディの父親も言っていましたが、ネイトからすると「アンディはジャーナリスト志望なのだから、ファッション誌ではなく、ジャーナリズムの世界で働くべきだ」と思っているはずなんですね。
アンディは、「ランウェイで1年働けば、どこででも通用する人間になれるから」と思って働いていますが、ネイトはそう思っていないのでしょう。
実際、ミランダの双子の宿題を代わりにやるとか、ジャーナリスト志望者には何の意味もありません。
しかも、自分がバカにしている人たちと働いて、その影響を受けて、アンディが同じようになっていく。
「仕方がなかった」と、いつも言い訳して働いている。
そんなアンディは、自分に対して誠実じゃない、とネイトは思っているのだと思います。
ネイトは「仕事と俺と、どっちが大切なのか?」と暗に聞いてるような、面倒くさい女々しい恋人に見えるかもしれません。
でも、ネイトは「自分が本当にやりたいことを、やったらいいのに。寄り道せずに、真っ直ぐにやったらいいのに」と心配しているのではないでしょうか。
アンディが、「誕生日のことは謝るわ」と言った時、ネイトは「俺はガキか」と答えます。
自分の誕生日をすっぽかしたから怒ったというよりも、「仕方ない」と言い訳して、「夢ではない仕事」をやっていることに怒っているように思います。
アンディが本当にやりたい仕事なら、「急な仕事で仕方がない」とアンディが言っても、「君のやりたかった仕事だから」と応援すると思いますね。
ちなみに、セリフの言い回しからして、ネイトはストリッパーという職業を快く思っていませんよね。
なので「君の本当にやりたいことが、ファッションの仕事で、それを誠実にやるなら、俺は構わない。(でも君はジャーナリスト志望だろう?)」と言い換えることもできそうです。
【プラダを着た悪魔・解説】最後(ラスト)でアンディと彼氏はよりを戻したの?別れたの?
アンディがパリから帰国して、カフェでネイトと会います。
アンディは、ネイトに言います。
「あなたが言った通りだった。友人や家族に背を向けていたわ。信念にさえ背いていた。私を許して」
一方でネイトは、アンディがパリへ行っている間に、ボストンの仕事を見つけ、2週間後に引っ越すことを告げます。
二人はこの時点で、今後やっていく「方法を考えよう」という話になりましたね。
一応よりが戻ったということですね。
アンディは、ニューヨークの文芸雑誌「ミラー紙」の面接を受け、成り行きからして合格したものと思われます。
ボストンとニューヨークという遠距離恋愛になりそうです。
飛行機だと1時間半くらいの距離。
ネイトは飲食店で、平日休みの長時間労働。
アンディは編集部で、週末休みの長時間労働。
ということになりそうです。
遠距離恋愛だと、この条件で関係を続けていくのはちょっと大変そうですが、幸せになってほしいですね。
【プラダを着た悪魔・解説】原作はアンディと彼氏の最後(ラスト)が違う!
映画では、アンディとネイトは、一応はよりを戻した形で終わりました。
原作ではどうなのでしょう?
実は、原作だとネイトの設定が大きく違っています。
原作では、アレックスという名前の小学校の教師です。
ラストも違います。
パリから帰ったアンディは、アレックスと話し合おうとしますが、アレックスは断ります。
アンディは、「自分の人生からあなたがいなくなるなんて考えられない」というようなことを言います。
アレックスも「同じ気持ちだ」と答えつつ、よりを戻さない方向で終わっています。
原作のアレックスのセリフを引用します。
「恋人としてつきあう前から友人の間柄だったわけじゃない。
だから、いい友達の関係でいるっていうのは、無理なような気がする。
でも、そんなことはわからないよね。
時間をかけてお互い頭を冷やすしかない」
引用:早川書房「プラダを着た悪魔(下)」
放っておくと、自然消滅しそうな気配です。
「よりを戻したい」と思っているアンディが、必死になって頑張らないと終わってしまうという印象でした。
【プラダを着た悪魔・解説】最後(ラスト)でのアンディと彼氏の関係まとめ
『プラダを着た悪魔』では、人によって大きく評価が分かれるネイト。
この記事をまとめると
ネイトが怒った理由は、アンディが本当にやりたいことをせず、「仕方ない」と言い訳しながら働いているから
ラストで二人はよりを戻したが、遠距離恋愛をどこまで続けられるかは未知数
- 原作では、よりを戻さないという結末
ということです。
でもアンディとネイトには、幸せになってほしいですね!