映画『万引き家族』では、ラストでりん(じゅり)が、踏み台を使ってアパートの玄関前から、道路をのぞき込みます。
「ラストシーンの意味は何?」
「最後にりんはなぜ道路を見たの?」
と不思議でしたよね。
この記事では、
最後に、りんはなぜ道路を見たのか?
について、考察をまとめています。
【万引家族】最後りんはなぜ道路を見た?
最後にりんは、治と初めて会った道路を見ていた
映画『万引き家族』の最後のシーンは、意味深で印象的でした。
りんは、アパートの玄関前でかぞえ唄を歌いながら、何かを拾っていました。
そして、アパートの目張りの隙間から外をのぞきます。
さらに、ビールケースの上に立って、外を見ていました。
りんの視線の先には、道路があったはず。
映画冒頭で、治と祥太が初めてりんに声を掛けた道路を、りんは見ていたんですね。
最後にりんは、なぜ道路を見たのか?
家族、という文字に響きに、私も社会も縛られているのかもしれない。本当のつながりって、私にとってはなに?どこにある?とつきつけられた。
— 映画『万引き家族』公式 (@manbikikazoku) June 18, 2018
有働由美子#万引き家族コメント #有働由美子 pic.twitter.com/3VQ5UtVXiE
なぜ、りんは道路を見たのでしょうか?
理由は、また治や祥太が通らないかと思ったからではないでしょうか。
おそらく、治や信代たち「疑似家族」の家が懐かしく、帰りたい気持ちがあったのだと思います。
- 一人で歌ってたかぞえ唄は、信代がお風呂で教えてくれた唄だった
- 本名とは違う、信代がつけた「りん」の方がいいと言った
- 亜紀と話している時に一度だけ笑顔を見せた
- 死んだ初枝と、お別れしたがらなかった
- 自分から積極的に、万引きしようとするようになっていた
りんは、かなり「万引き家族」に馴染んでいたのです。
りんは、治や信代が捕まると、本当の両親のところへ返されました。
テレビのワイドショーでは「じゅりちゃんの両親は、2カ月も捜索願をだしてない」と報道されていました。
虐待が疑われていたように思いますが、りんは親の元に帰されています。
そして、母親からは冷たく当たられていました。
ごめんなさいと言わないりんに、母親は「お洋服買ってあげるから、こっちおいで」と急に猫なで声になりました。
母親の「お洋服買ってあげるから」は、虐待を予感させます。
なぜなら、信代たちと水着を買いに行った時、りんは「叩かない?後で叩かない?」と怯えていたからです。
りんは、洋服を買いに行くとぶたれると思っていたようです。
りんは、本当の家に戻りましたが、また虐待されているのでしょう。
ラストシーンも、治が連れ帰った時と同じように、玄関の外にいました。
昼間ではありましたが、子どもがうるさく面倒くさいときは、母親が部屋に入れないのでしょう。
りんは、初枝おばあちゃんが死んだ時、「一緒にいたい」と言うくらい、なついていました。
本当のおばあちゃんも優しい人だったようなので、元々おばあちゃん子なのでしょう。
また、腕に同じアイロンの傷がある信代にも、共感するような思いを持っていたようです。
りんは、初枝の家では暴力を振るわれることなく、優しく扱ってもらっていました。
また、信代から「本当に大好きだったら、こうするんだよ」と抱きしめてもらっていました。
おそらくりんは、母親からは抱きしめてもらっていないと思います。
母親が「こっちにおいで」と言っても、りんは近寄りませんでした。
りんは、あの「疑似家族」が懐かしく、また会いたいと思っていたのではないでしょうか。
そんな思いが、りんの最後のシーンに込められていたと思います。
【万引家族】りんのラストシーンまとめ
- 最後にりんは、治と祥太に初めて会った道路を見ていた
- 最後にりんが道路を見た理由は、またあの優しい「疑似家族」に会いたかったから