映画『罪の声』のタイトル

映画『罪の声』で、新聞記者の阿久津が国会議事堂を眺めるシーンがありますね。

犯人グループが仕手という株価操作をしていたという展開で、「中央は金がかかる」という話が出てきます。

映画を観ただけでは、ちょっと分かりにくい場面です。

この記事では

  • 金がかかる「中央」とは何のこと?

  • 阿久津が国会議事堂を眺めていた意味や理由は?

について解説します。

【罪の声】身代金を受け取っていないギン萬事件で、犯人はどうやって儲けた?

『罪の声』は、昭和に実際に起こった「グリコ森永事件」をモチーフにしています。

映画の中では「ギン萬事件」とされていますね。

社長を誘拐したり、青酸ソーダをお菓子に入れるなど脅迫したりして、犯人は企業に億単位の金を請求します。

しかし、犯人たちは脅迫した企業から、結局1円も受け取りませんでした

誘拐したり青酸ソーダを菓子に入れてバラまいたりと、労力を使っているので、何かしら利益を得ているはずですよね。

阿久津は「仕手」という株価操作をして、犯人たちは儲けを得たのではないかと考えます。

そこで元証券マンの立花や、その紹介のニシダという男に、仕手について取材する場面が、前半部分にありました。

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【罪の声】阿久津が国会議事堂を見た意味や理由はなぜ?

映画の中で、阿久津が国会議事堂を眺める意味深なシーンがありますね。

あれにはちゃんと意味があるのですが、その少し前の場面から説明しますね。

 ギン萬事件を追っていた阿久津は、取材した秋山宏昌から写真を預かります。

割烹「し乃」の女将の元恋人だった男が映っている写真ですね。

そこに「キツネ目の男」も映っていました。

写真に写っている男たちが、「くら魔てんぐ」と関係していると睨んだ阿久津。

元証券マンの立花に、写真の男たちを知っている人物がいないか尋ねます。

すると、立花は人脈を使って調べてくれました。

そこで飯田橋のホテルの一室で阿久津が会ったのが、ニシダという男(劇中では違う名前だった気がします)。

ニシダは「吉高弘行」を知っていました。

吉高弘行は、「くら魔てんぐ」の仕手本尊を担当した男です。

そして金主が上東忠彦であることも、ニシダが教えてくれます。

阿久津は、「牛若丸」と「テン丸」が無線で株のやり取りについて話している録音を、ニシダに聴かせて裏を取りました。

ニシダは「身元を隠して売買したい場合は、何よりも引き際が肝心だ」と語ります。

そして無線の会話を聞いて、「本来引くタイミングのところで、まだ売り抜けを考えているから、思ったほど利益が出ていないのかもしれない」とも言います。

資金を出してくれているスポンサーである金主と、どういう約束をしているかによって、犯人たちの儲けは変わります。

利息が3%とか10%とか変わると、元手の金額が大きいので、だいぶ変わりますよね。

金主の利息が高い(取り分が多い)と、犯人たちの儲けは少なくなります。

その話の流れの中で、「特に中央は金がかかる」という言葉が出ました。

中央とは何かと聞く阿久津に、立花は「飯田橋からだと、有楽町線で南へ三駅」と答えます。

阿久津が言われた通りに地下鉄に乗って行くと、そこは永田町の駅で、国会議事堂が見えたという展開でした。

つまり、「中央」とは「政治家」ということですね。

そこで阿久津は、政治家たちが「金主」の一人としてギン萬事件に関わっている可能性に、気づいたわけです。

昭和の大事件にして完全犯罪となった「ギン萬事件」に、政治家がからんでいたとなると、大スキャンダルですよね。

また、権力を使ってもみ消した可能性もありますよね。

「中央は金がかかる」のだから、おそらく利息が高いのでしょう。

しかしその分、犯人捜査に便宜を図ってもらえると考えられます。

阿久津はこの事件の闇の深さを感じ、「深淵の住人」の特集をどういう方向性で進めればいいのか模索するようになるのです。

犯人たちが仕手でどうやって儲けたのか、メンバー9人の役割分担や相関図については、別の記事にまとめているので参照してください。

株価操作(仕手)でどうやって儲けた?仕組みや方法を分かりやすく解説!

犯人9人の相関図や役割は?仲間割れした理由・経緯を解説!

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【罪の声】解説・考察記事一覧

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【罪の声】阿久津が国会議事堂を見た意味や理由まとめ

映画『罪の声』は、おおむね原作に忠実に再現されています。

しかし、あまりに登場人物が多く話も複雑なので、どうしても分かりにくい部分が出てきます。

阿久津が国会議事堂を眺めるシーンも、その一つですね。

この記事のまとめは

  • 「金のかかる中央」とは、政治家のこと

  • ギン萬事件には、政治家がからんでいた可能性がある

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