映画『ショーシャンクの空に』は、最後に「アレン・グリーンを偲んで」と献辞のクレジットが入ります。
そのため「『ショーシャンクの空に』は実話なの?」と思う人がいるようです。
この記事では
- 『ショーシャンクの空に』は実話ではない
- アレン・グリーンとは誰?
- モデルはいる?
- 他の大物俳優をキャスティングしたかった(裏話)
について、まとめています。
『ショーシャンクの空に』は実話ではなくフィクション!
原作はスティーブン・キングの小説
映画『ショーシャンクの空に』は、実話ではなくフィクションです。
原作になっているのは、スティーブン・キングの小説『刑務所のリタ・ヘイワース』。
新潮社文庫『ゴールデンボーイ』に収録されています。
細かい所は省略してありますが、映画はおおむね原作小説を再現しています。
\原作も面白い/
アレン・グリーンは監督の超恩人!
映画では最後に「アレン・グリーンを偲んで(IN MEMORY OF ALLEN GREENE)」と献辞が入ります。
そのため、「実在モデルがいる実話?」と思う人もいるようです。
アレン・グリーンは実在モデルではなく、フランク・ダラボン監督の恩人なのです。
そのため、感謝をこめてアレン・グリーンに映画を捧げているんですね。
ダラボン監督は、学生だった80年代から映画を撮り始めます。
ごく初期に低予算映画を撮っていた頃から、アレン・グリーンと仕事をしています。
セットドレッサーと呼ばれてるので、いわゆる大道具さんとか、小道具を準備してくれる人だったのでしょう。
費用的にかなり安く請け負ってくれていたようなのです。
『ショーシャンクの空に』の映画撮影の権利を獲得するときにも、アレン・グリーンは力を貸しています。
しかし、撮影が始まる直前に、アレン・グリーンはエイズの合併症で亡くなりました。
長い間一緒に仕事をしていた二人は、親友でもありました。
ダラボン監督は、インタビューの中で
「自分のキャリアにおいて重要だっただけでなく、信じられないくらいきちんとした人で、みんなから愛されて、惜しまれてる人だ」
と語っています。
だから、『ショーシャンクの空に』で「アレン・グリーンを偲んで」と献辞を入れたんですね。
『ショーシャンクの空に』は、ダラボン監督の代表作となり、世界中で愛される映画となりました。
監督もアレン・グリーンも、完成した映画を一緒に観られなくて、残念だったでしょうね。
アンディのモデルはいる?
映画『ショーシャンクの空に』は、小説を原作としたフィクションです。
無実の罪で収監されて脱獄したアンディに、モデルはいません。
「フランク・フレッシュウォーターズがモデル」というネット記事を見たので「変だな…」と思って調べてみました。
結論から言うと、モデルがいるというのは事実誤認です。
フランクは、オハイオ州で交通死亡事故を起こし有罪となったものの、脱走した人です。
刑務官の受けが良い囚人だったそうで、刑務所ではなく農場で作業していたようなのです。
映画でも、所長が刑務所外の土木作業を、安く請け負うシーンがありましたね。
脱走後、偽名をつかってウエストバージニア州で逃走生活を送ります。
1975年に逮捕されたのですが、違う州に逃げていたことが運命を左右しました。
ウエストバージニア州知事は、オハイオ州に引き渡しを拒否したのです。
理由は、「フランクの評判が良いから」というものでした。
フランクはさらに別の偽名で逃亡を続け、2015年にフロリダ州で逮捕されました。
つまり、囚人だったのに56年も自由の身だったわけですね。
ニュースでは「リアル・ショーシャンクの空に」という見出しで紹介されました。
映画『ショーシャンクの空に』は1994年公開で、原作小説は1982年出版です。
フランクが逮捕されたのは、2015年。
なので、フランクがアンディのモデルというわけではありません。
「『ショーシャンクの空に』を地でいく人がいたね」ということですね。
【ショーシャンクの空に】キャストは違う予定だった!
『ショーシャンクの空に』は、
- アンディ・デュフレーン
⇒ティム・ロビンス - レッド
⇒モーガン・フリーマン - トミー・ウィリアムズ
⇒ギル・ベローズ
が演じています。
しかし、監督ははじめは違う俳優たちにオファーしていました。
その幻のキャスティングが、すごいんです!
アンディ役はトム・クルーズたちにオファーしてた
無実の罪を着せられて刑務所に入るアンディ・デュフレーンには、次の俳優たちがキャスト候補でした。
- トム・クルーズ
- トム・ハンクス
- ケビン・コスナー
途中まで、トム・クルーズが演じるということで話が進んでいたのです。
しかし、ダラボン監督に映画の実績があまりなかったため、途中からトムは気が進まなくなり、断ってしまったのでした。
トム・ハンクスは『フォレスト・ガンプ』に出演することを選び、断ります。
トム・ハンクスは、ティム・ロビンスとイメージ近いですね。
でもトム・クルーズのアンディって、映画を観た後では想像しにくいかも。
トム・クルーズは、ヒューマンドラマよりアクションが合ってる感じですし。
ケビン・コスナーだとなおさらイメージが薄いです。
結果オーライですが、ティム・ロビンスが一番合ってると思います。
レッド役はハリソン・フォードにオファーしてた
アンディの親友で、刑務所の調達屋であるレッドは、はじめハリソン・フォードにオファーしていました。
原作だと、レッドは白人なんですよね。
髪が赤いから「レッド」なのです。
たしかに、「調達屋」という役は向いてそうです。
監督は、トム・クルーズとハリソン・フォードのキャスティングに、250万ドル(3億円)払うつもりだったそう。
すごい組み合わせですよね。
脳内スクリーンで上映してみると、ちょっと違和感が…。
やはりティム・ロビンスとモーガン・フリーマンが、ベストの組み合わせな気がします。
トミー役はブラッド・ピットから変更
Brad Pitt was at his most powerful circa MEET JOE BLACK. pic.twitter.com/6jqu9Xy1dq
— van Ross Katz (@evanrosskatz) April 11, 2019
アンディの冤罪を証明しようとして殺されたトミーも、実は違う俳優がキャスティングされていました。
なんと、ブラッド・ピットです。
当時まだ有名ではなかったブラッド・ピットは、別の作品に出演しようとして辞退します。
時期的に、『インタビュー・ウィズ・バンパイア』とか、その辺りかもしれません。
1994年はブラピには転機となった年なので、結果的に『ショーシャンク』を蹴って良かったのでしょう。
でもブラピのトミーも観てみたかったですね。
【ショーシャンクの空】実話とアレン・グリーンまとめ
- 『ショーシャンクの空に』は実話ではなく、フィクション
- 献辞のアレン・グリーンは、ダラボン監督の恩人で親友
- アンディにモデルはいない
- 当初は、アンディ役にトム・クルーズ、トム・ハンクス、ケビン・コスナーが挙がっていた
- レッド役には、ハリソン・フォードが挙がっていた
- トミー役には、ブラッド・ピットが挙がっていた