映画『君の膵臓をたべたい』の桜

『君の膵臓をたべたい』は、小説が2015年に出版されるとベストセラーとなり、実写・アニメ映画化されて大ヒットしました。

小説は300万部(2020年現在)、実写映画は35億、アニメ映画は5億円の興行収入となっています。

しかしSNSなど見ると、絶賛する人と「つまらない」「面白くない」という人で、感想が極端に割れる傾向があるようです。

この記事では、

  • 『君の膵臓をたべたい』が、つまらない・面白くないのはなぜ?
  • 『君の膵臓をたべたい』が、大ヒットした理由や面白いところはどこ?

について、『世界の中心で愛を叫ぶ』との比較も交えて解説します。

ネタバレを含みますので、ご注意ください。

【君の膵臓をたべたい】つまらない・面白くない理由は?

物語が、お涙頂戴でありきたり

「ヒロインが難病で、余命いくばくもない」という古典的・王道ストーリーは、好きな人もいれば好きでない人もいます。

「お涙頂戴」的な話は、最初から読者や視聴者を「泣かせる」ことを前提にしているところがありますよね。

最初から涙を仕組まれた感じを嫌う人にとっては、嫌悪感があるでしょう。

ヒロインが死ぬことが分かっているので、結末が見えてつまらないと感じる人も多いでしょう。

ヒロイン桜良を好きになれない

『キミスイ』のヒロイン桜良は、結構強引です。

また、「僕」こと春樹の気持ちをもてあそぶようなシーン(自宅で抱きついてせまる)もありました。

人によっては、「うっとうしい」「あざとい」と感じて、桜良に共感できないようです。

ヒロインに感情移入できないと、物語の面白さはやはり激減してしまいます。

https://twitter.com/photolife141/status/1363696138902151170

結末に納得できない

ヒロイン桜良は、膵臓の病気で亡くなるかと思いきや、通り魔に刺されて亡くなります

かなり意外な展開でしたよね。

ラストでのどんでん返しに驚いてしまい、納得いかず感動が半減した人もいるようです。

病気で亡くなるはずだった桜良を、なぜ通り魔事件で死なせる必要があったのか、モヤモヤする人も多かったようです。

桜良が通り魔に殺されなければならなかった理由については、別の記事にまとめたので、ご参照ください。

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【君の膵臓をたべたい】面白いところ・ヒットした理由は?

さて、『君の膵臓をたべたい』の面白いところはどこでしょうか?

これだけ大ヒットするからには、それだけの理由があるはずですよね。

「ヒロインが余命いくばくもない」という映画の有名どころと言えば、『世界の中心で愛を叫ぶ』『1リットルの涙』ではないでしょうか。

いずれも大ヒットしましたね。

『キミスイ』と『セカチュー』の比較を交えながら、「大ヒットした理由」を見てみましょう。

古典的・王道ストーリー

「難病のヒロインが死ぬ」という小説や映画は、古典的・王道ストーリーです。

王道ということは、「ハズレなし」ということですね。

「ベタだけど、号泣した」という人は、実に多いようです。

以前、映画館で働いている知人が「みんな、泣くために映画館に来てる」と言っていたのが印象的でした。

それくらい「泣ける映画」は需要があるということ。

『キミスイ』が大ヒットした一番大きな理由と言えるでしょう。

物語を大きくひねっている

桜良が通り魔に刺されて死ぬという展開は、好き嫌いの分岐点になったようです。

物語には「起承転結」がありますが、かなり大きくひねった「転」になっています。

「難病のヒロインが死ぬ」というのは、何百年も前からある古典的ストーリー。

「いつものベタなあれね」とならないために、作者が意表を突いています

個人的には、非常に文学的でとても面白いと思いました。

病気で数年後に亡くなるはずだったヒロインが、退院した途端、通り魔に刺されて死ぬわけです。

短かった寿命が、さらに短くなってしまったんですね。

『世界の中心で愛を叫ぶ』などの既出の作品と違いをつけるための展開だったでしょうが、成功していると思います。

詳しくは、別の記事にまとめたので、ご参照ください。

インパクトのあるタイトル

『君の膵臓をたべたい』というタイトルは、かなりインパクトがありますよね。

一度聞いたら忘れません

かなりコマーシャル効果の高いタイトルなんですね。

文字だけ読むと、ホラーかミステリーのようにも思えます。

けれど小説の表紙は、「桜の咲く橋に男の子と女の子がいる」という、ほんわかした絵です。

映画でも、やはり青春映画のイメージの強い画像。

ギャップが印象強く、「どういうこと?」という疑問が湧いて、中身を知りたくなった人も多いのではないでしょうか。

また、「君の膵臓をたべたい」の意味を知って「なるほどね」と納得し、満足感が上がった人も多いでしょう。

名言が心に残る

『キミスイ』は、いわゆる「名言」のセリフが多いです。

「(生きるとは)誰かと心を通わせること」など、桜良の言葉は説得力がありましたね。

そのため、人の心に残りやすいのです。

また、「生きること・死ぬこと」は哲学的テーマですから、そこで名言が出ると、物語が安っぽくなりません

名言の数でいうと、『キミスイ』の方が『セカチュー』よりはるかに多いです。

主人公の成長

『キミスイ』は、純粋な恋愛ストーリーではありません

桜良は春樹と「つきあってない」「仲良し」と言っていました。

これも『セカチュー』とは大きく違うところですね。

恋人に死なれたもう片方に残されるのは、立ち直れないくらい落ち込むということ。

けれど、人づきあいが苦手で友達がいなかった春樹は、桜良の死後、奮起します。

『キミスイ』の場合、桜良は「春樹と恭子に仲良くなってほしい」といつも言っていたからです。

1年かけて、恭子に友達になりましたね。

『キミスイ』は、ただ悲しい泣けるだけの物語ではありません。

主人公の春樹が、桜良との出会いを大切にし、悲しみを乗り越えて、大きく成長する物語なのです。

また、春樹の成長がはっきり見えるのは、桜良の恋人ではなかったから。

「残された者が、人間的に成長する」というのは『セカチュー』にはない良さですね。

観る人が、最後に清々しい気持ちになれる仕掛けがしてあるのです。


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浜辺美波さんが桜良を、北村匠海さんが春樹を演じています!

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※本ページの情報は2021年7月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。


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【君の膵臓をたべたい】つまらないのになぜ大ヒット理由まとめ

  • つまらないと感じるのは
    「お涙頂戴のベタなストーリー」
    「ヒロインが好きになれない」
    「結末が納得できない」
    が大きな理由
  • 面白いところやヒットしたのは
    「王道ストーリー」
    「意外な展開」
    「インパクトのあるタイトル」
    「名言が多い」
    「主人公が成長」
    するなど、既出の類似ストーリーとの差を意識してあるから
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