カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した映画『万引き家族』では、5人が海水浴へ行くシーンがあります。
樹木希林さんが演じる初枝おばあちゃんが、浜辺でみんなを眺めながら、口パクで何かつぶやきました。
「初枝おばあちゃんは、口パクで何と言ったの?」
と不思議でしたよね。
この記事では、
- 樹木希林は、口パクで何と言った?
- 樹木希林は、なぜ感謝の言葉を口にした?
について、解説と考察をまとめています。
【万引家族】海で樹木希林は口パクで何と言った?
「万引き家族」の海のシーンで声にならず噛み締めた「ありがとうございました」が今となってはとんでもないシーンになってしまった。この映画を再び鑑賞することがあれば、おそらく平常心では見られない…。涙が…。 pic.twitter.com/qN12paDsgl
— ナガ@映画垢 (@club_typhoon) September 16, 2018
海の樹木希林は口パクで何と言った?
映画『万引き家族』では、5人が海に行くシーンがあります。
唯一といっていいくらい開放的で明るい雰囲気だったので、印象的な場面ですよね。
樹木希林さん演じる初枝おばあちゃんは、一人で浜辺に座り、はしゃぐみんなを見ながら、何かをつぶやきます。
音声にはなっておらず、口パクでしたね。
樹木希林さんは何と言ったのでしょうか?
「ありがとうございました」と口パクで言っているのです。
しかもアドリブでした。
映画公開時に、樹木希林さんの口パクは大きな話題となりましたね。
樹木の出演シーンについて、「海辺ではしゃぐ家族のシーンがクランクインだったのですが、彼らを見守る樹木さんが、台本にはないのですが『ありがとうございました』と口を動かしているのを編集のときに気が付きました。
見透かしたようにサラッと投げかけているのが樹木さんの凄さで、その『ありがとうございました』に至るよう台本を修正した」と裏側を明かす是枝監督。
「彼女と真剣勝負のやりとりをすることは監督としてありがたい」とあらためて樹木に感謝を述べていた。
引用元:シネマトゥディhttps://www.cinematoday.jp/news/N0102499
映画の初撮影が、海のシーンだったんですね!
ということは、初撮影のシーンで「ありがとうございました」と口パクでつぶやいたわけです。
『万引き家族』は、2018年6月8日公開。
樹木希林さんが亡くなったのは、同年9月15日。
映画公開からわずか3カ月後に、樹木希林さんは亡くなっています。
全身がんであることは以前から公表されていましたが、映画ではお元気そうだったので、驚いた人は多かったのではないでしょうか。
樹木希林はなぜ口パクで「ありがとう」と言った?
本日、明日の2日間限定
— 映画『万引き家族』公式 (@manbikikazoku) June 2, 2018
全国の劇場で先行上映中です世界大注目のあの家族をいち早く観に来て下さいねpic.twitter.com/CBRLtfhyqG
『万引き家族』の映画公開から3カ月後に亡くなったので、
樹木希林さんの「ありがとうございました」という言葉には、重みを感じますよね。
しかも、撮影初日に、台本にはない感謝の言葉をアドリブで入れているので、何か意味を感じます。
樹木希林さんは、なぜ口パクで「ありがとうございました」と言ったのでしょうか?
思うに、もうこれ以上映画に出演するのは、体調的に難しいと分かっていたからではないかと思います。
『万引き家族』の撮影が終わり、是枝監督の事務所を訪れた樹木さんから、ガンの転移が全身に渡っていることを示す画像を見せられ「寿命が年内までもつか」と告げられたことを明かす。
その際、『万引き家族』で樹木さんに老いて亡くなる役を演じさせてしまったことを後悔したというが、すべてを達観して、役柄を引き受けたのでは……と解釈したという。
引用元:シネマトゥディhttps://www.cinematoday.jp/news/N0103833
いつ倒れてもおかしくないような状態で、撮影に臨んでらしたようです。
『万引き家族』を撮影していた時も、「映画に出るのは、これが最後かもしれない」というお気持ちがあったのではないでしょうか。
なので、自分の女優人生を振り返り、母のように慕ってくれた是枝監督をはじめ、
関わってくれた人たちや作品に対して、「ありがとうございました」と言ったのかなと思いました。
樹木希林さんの言葉に合わせて、脚本を書き直したとのこと。
そのため、治と信代が何度も「自分たちが面倒みてやってる」という言い方をしていたのかも。
初枝おばあちゃんは、一人で死にたくないというようなことも言ってました。
赤の他人を寄せ集めた「家族」とはいえ、孤独な独居老人ではないことに対して
「ありがとうございました」と言ったようにも受け取れる物語にしたようにも感じますね。
ちなみに、是枝監督は、樹木希林さんに自分の母親の面影を重ねていたと言っています。。
2008年以降は、ほとんどすべての映画に樹木希林さんが出演しているんですよね。
『歩いても歩いても』2008年
『奇跡』2011年
『そして父になる』2013年
『海街diary』2015年
『海よりもまだ深く』2016年
しかも、樹木希林さんが亡くなった9月15日は、是枝裕和さんの母親の命日でもあったのです。
奇遇ですが、やはり深いご縁のあったのだなと感じますよね。
樹木希林さんが、2018年以降に出演した映画を、公開順に言うと、
- 2018年『モリのいる場所』
- 2018年『万引き家族』
- 2018年『日々是好日』
- 2019年『エリカ38』
- 2019年『命みじかし、恋せよ乙女』
となっています。
全身にがんが転移していたことを思えば、かなり精力的に出演されてますよね。
樹木希林さんの遺作となったのは、『命みじかし、恋せよ乙女』でした。
どの作品でも、すごい存在感のある演技をする女優さんだったなあと思います。
【万引家族】海の樹木希林の口パクまとめ
- 海のシーンで、樹木希林さんは口パクで「ありがとうございました」と言った
- 樹木希林さんの口パクは、アドリブだった
- 樹木希林さんの口パクに合わせて、台本を書き直した