映画『パラサイト半地下の家族』のタイトル

カンヌ国際映画祭やアカデミー賞などで、数々の賞を受賞した『パラサイト半地下の家族』は、

韓国の苛烈な格差社会をテーマとした、ブラック・コメディスリラー映画です。

この記事では、

  • 登場人物のネタバレ相関図
  • 登場人物のくわしい経歴、キャスト・声優

について、まとめています。

ネタバレを含みますので、ご了承ください。

『パラサイト』のネタバレ相関図!

映画『パラサイト 半地下の家族』には、3つの家族が登場します。

  • 高台=パク家
  • 半地下=キム家
  • 地下室=ムングァン・グンセ夫婦

経済的な格差を、住んでいるところでカテゴライズできるのが、この映画の特徴。

韓国の格差社会をテーマとしている『パラサイト』ならではの構図となっています。

下記は、3家族のネタバレ相関図です。

スマホは指で広げると、相関図が拡大します。

『パラサイト半地下の家族』の登場人物ネタバレ相関図

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【パラサイト】登場人物の経歴やキャスト・声優は?

『パラサイト半地下の家族』に登場する11人の

  • 経歴
  • キャスト、声優

について解説します。

ネタバレを含みますので、ご了承ください。

キム・ギテク

  • キャスト:ソン・ガンホ
  • 声優:(DVD・地上波ともに)山路和弘

キム家の父親。楽天的な恐妻家

台湾カステラで起業したり運転手や駐車係をやったりと、さまざまな職歴がありますが、いずれも長続きしていません。

娘に「ソウル大学に文書偽造学科があればな。あればギジョンは主席入学だ」と発言するなど、道徳観や倫理観に欠けています。

また、普段は温厚ですが、妻からゴキブリ扱いされた時は、瞬時に胸ぐらをつかむなど、攻撃的なところもあります(笑って冗談で終わりましたが)。

「ジェシカの叔父の運転手」として、パク家の後任の運転手となりました。

絶妙なコーナーリングをするなど、運転手のスキルや、節度のある態度はパク社長からも認められています。

最初はパク社長を尊敬し感謝していましたが、「においが度を超している」という社長の言葉をこっそり聞いて以降、悪くなかった関係が崩れていきます。

社長を刺した後はパク家の地下室で暮らし、半地下生活から完全な地下生活へと人生が転落してしまいます。

キム・チュンスク

  • キャスト:チャン・ヘジン
  • 声優:DVD=今泉葉子、地上波=津田真澄

キム家の母親。

元ハンマー投げ選手として、全国陸上大会で銀メダルを獲りました。

ピザ屋の箱折の内職をしていましたが、パク家の家政婦ムングァンを一家で陥れて、後任の家政婦となることに成功します。

ギジョンの偽造文書を見て、「この子は詐欺の才能がある」とほめるなど、犯罪に対する意識や罪悪感がほとんどなく、倫理性や道徳性に欠けた人物です。

  • ムングァンを足で蹴飛ばす
  • グンセをバーベキュー串で刺殺

して、ムングァン夫婦を死なせますが

  • 詐欺や文書偽造容疑は、執行猶予がついた
  • グンセの暴行致死容疑は、正当防衛が認められた
  • ムングァン殺害については、地下室が発見されなかった

ことにより、刑務所には収監されていません

ラストシーンのギウの空想の中では、庭に埋められたムングァンの墓に手を合わせるチュンスクの姿が描かれています。

ちなみに、チュンスク役のチャン・へジンさんは、役作りのために15キロ太ったそうです。

役者魂を感じますね!

キム・ギウ

  • キャスト:チェ・ウシク
  • 声優: DVD=柳田淳一、地上波=神木隆之介

キム家の長男。入隊前と除隊後に計4回大学受験しました。

映画では、1995524日生まれの23歳という設定。

友人ミニョクの勧めで、パク家の長女ダヘの家庭教師となります。

ちなみに、日本語の字幕だとソウル大となっていましたが

延世大学経営学科3年生と身元を偽っていました。

延世(ヨンセ)大学というのは、韓国では「SKY」と呼ばれる三大有名大学のひとつ。

日本だと慶応大のような、お金持ちのイメージのある大学です。

字幕でソウル大となっていたのは、日本人には延世大学は知られておらず、どの程度のレベルか分かりにくいからかもしれません。

ギウが首尾よくパク家の家庭教師となると、家族全員が次々とパク家に「就職」することに成功。

しかし、元家政婦ムングァンが「忘れ物を取りに来た」と再び現れると、立場が危うくなります。

避難所の体育館で、「ごめんなさい。僕がすべて責任をとります」と父親に告げた翌日、地下室に住むグンセを殺害しようとして失敗。

グンセに石で頭を殴打され、1カ月ほど意識不明の重体におちいります。

最終的に、キム一家の詐欺行為がすべて露見するという結果に。

意識回復後に、意味もなく笑うという症状が出るなど、脳に障害が残りました。

父親のモールス信号を解読したギウは、キム家の夢や希望の象徴だった水石を捨て、「金持ちになって父親を救いだす」という「計画」を立てます。

しかし劇中で父親が「計画を立てると必ずうまくいかなくなる」と言うことから、ギウの「計画」は実現できないことが予見されます。

最後の夢は叶う?格差社会でギウの給料だと547年かかる

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キム・ギジョン

  • キャスト:パク・ソダム
  • 声優:DVD=味里、地上波=近藤唯

キム家の長女。

19961120日生まれの22歳という設定になっています。

ギウのひとつ年下ですね。

美大に入りたいけれど受験に失敗、予備校に行くお金もなく、家族で内職の仕事をしています。

家族がパク家に「就職」できるよう、文書を偽造したり、運転手や家政婦を追い出す策略を考えるなど、「詐欺師の才能」を発揮。

自身も「ギウのいとこが通うイリノイ大の後輩」と偽り、ダソンの絵の家庭教師としてパク家で働き始めます。

家庭教師が1カ月続かなかったダソンが、ギジョンには礼儀正しく従い、社長夫人から「感激だ」と言われるほど、人の心をつかむのが上手です。

また、ネットで調べただけの知識を活用したり、人から情報を引き出したりすることにも長けており、キム家の頭脳的役割を果たしています。

ダソンの誕生パーティで、グンセに刺殺されるという凄惨な最期でした。

パク・ドンイク

  • キャスト:イ・ソンギュン
  • 声優:DVD=堀川仁、地上波=東地宏樹

グローバルIT企業のCEO

財閥経済の韓国では珍しい、会社を設立して成功した実力者です。

このことも、ギテクやグンセが社長を尊敬する理由となっています。

著名な建築家ナムグンが自宅として建てた、高台の高級住宅地の家に住んでいます。

美しい妻と、高校2年生の娘、小学4年生の息子が家族。

仕事で多忙ですが、休日は家族と過ごす時間を大切にする、子ども思いの父親です。

「品位」や「節度をわきまえる」という態度を重視しています。

また、元家政婦のムングァンが結核と騙された妻ヨンギョが、「夫に知られたら、わたしは八つ裂きにされる」と言っていることから、厳しい一面があることも伺えますね。

何の落ち度もない善良な市民だったパク社長は、信用していた運転手・ギテクから殺されてしまいます。

「パラサイト」は「寄生する」という意味ですが、パク社長は半地下のキム家と地下室のグンセに寄生される「宿主」の立場にありました。

宿主が死んだため、寄生していた側も崩壊することになります。

パク・ヨンギョ

  • キャスト:チョ・ヨギョン
  • 声優:DVD=折笠富美子、地上波=恒松あゆみ

パク・ドンイクの妻。

専業主婦ですが、料理や掃除などの家事一切が苦手で、家政婦を雇っています。

また、家事ができないのは、実家が裕福なお嬢様育ちであることも、ほのめかしていると思われます。

ギテクは「騙されやすい」「純粋で本当に優しい」、ギジョンは「イカれた女」と評しました。

人を疑わず信じやすい性格は、育ちの良さからきていると言えるでしょう。

運転手を解雇するときにネットに悪い噂を書かれるのを心配したり、「経験上、これが一番良い方法」と穏便な解雇方法を知っていることから、常に人間関係に気を配っていることが分かります。

また、ホームパーティを開くことから、社交的な性格でもあります。

夫を刺殺された事件の後、裁判でキム家が一家4人で詐欺を働いていたことが露見したでしょうが、ヨンギョの人を疑わない性格にどのような影響を与えたか、気になりますね。

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パク・ダヘ

  • キャスト:チョン・ジソ
  • 声優:DVD=松本沙羅、地上波=早見沙織

パク家の長女。

2001年生まれの高校2年生(18歳)という設定です。

英語の家庭教師だったミニョクが、「大学生になったら、正式につきあう」と言っていたことから、ギウの前にはミニョクに恋をしていたと思われます。

両親は、行動が奇抜な弟に振り回される格好で愛情を注いでおり、あまり親にかまってもらえないダヘは、ダソンを嫌っています

  • ミニョクやギウなど、身近な異性にすぐ好意をもつ
  • ギジョンをギウの恋人と疑って嫉妬する
  • ジャージャー麺を勧めてくれなかったと、母親とケンカ

などから、「もっと愛されたい」というダヘの欲求が感じられます。

ダソンの誕生パーティでは、血まみれのギウを背負って逃げるなど、意外と力があることが分かります。

パク・ダソン

  • キャスト:チョン・ヒュンジュン
  • 声優:DVD=松本沙羅、地上波=小林由美子

パク家の長男。

200971日生まれの10歳という設定。

行動に落ち着きがなく、礼儀などにも欠けているため、カブススカウトに入っています。

小学1年生(6歳)の誕生日の夜中、ケーキをつまみ食いしていた時に、地下室から上がってきたグンセを幽霊と間違え、卒倒

家庭教師となったギジョンは、絵画による心理療法と称して、ギャラを上乗せさせましたね。

ダソンのトラウマのために、毎年誕生日は、自宅以外でお祝いをしていましたが、大雨でキャンプが中止になったこともあり、ホームパーティを開くことになります。

トラウマを治療するためのサプライズ演出も用意されていましたが、グンセ乱入でさらなるトラウマを負うことになりました。

ちなみに、ダソンが描いた絵を、母親は「自画像」と言っていましたが、あとになってよく見ると、グンセを描いていたことが分かります。

インディアンのテント・ティピや、右下のスキゾフレニア・ゾーンに地下室への入り口も描かれていますね。

「自画像」というよりは、「予言」と言った方が、適当かもしれません。

ムングァン

  • キャスト:イ・ジョンウン
  • 声優:DVD=斉藤こず恵、地上波=田村聖子

 1974127日生まれの44歳という設定です。

建築家ナムグンが、高台に家を建てた時からの家政婦。

自宅を建てて4年後に、ナムグンはパリに引っ越すことになったため、パク一家が住むことになります。

ムングァンは、ナムグンから推薦を受け、引き続きパク家の家政婦となりました。

パク夫妻よりも家のことに詳しく、シェルター代わりの地下室があることを知っていましたね。

劇中の会話などから

  • 2人分食べること以外、欠点がないほど優秀
  • 特に料理が上手

であることが分かります。

また、重篤な桃アレルギーで、桃の産毛が1メートル以内にあると、アナフィラキシーを起こします。

桃アレルギーをキム一家に利用され、家政婦の職を失うことに。

地下室に住む夫グンセを心配して、再びパク家を訪れたことで、思いがけず命を落とすことになりました。

ちなみに、ムングァンが北朝鮮のテレビアナウンサーの真似をするシーンがありますね。

コミカルな場面ですが、映画評のコメントを読むと、欧米人はあの場面で笑わないそうです。

日常のニュースで、北朝鮮のアナウンサーを見ることがないのでしょう。

北朝鮮ネタで笑うのは、東アジア圏だけのようです。

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グンセ

  • キャスト:パク・ミョンフン
  • 声優:DVD=早川毅、地上波=ふくまつ進紗

元家政婦ムングァンの夫。

19771214日生まれの40歳という設定です。

妻のムングァンより年下なんですね。

建築家ナムグンが引っ越したタイミングで、パク家の地下室に移り住みました。

「ここで生まれて、ここで結婚したような気がする」というほど、地下生活になじんでいます

パク家の留守には、豪華な部屋で夫婦でくつろいで息抜きしたりしてんたんですね。

地下室にコンドームの包みが多くあったことから、夫婦としての営みもあったようです。

また、地下室の棚には、憲法や刑法、法概論などの法律に関する専門書が多く並んでいました。

読書家であり、また法律の勉強をしていることが伺われます。

仕事は、かつて台湾カステラ店を経営するも、事業に失敗し、多額の借金を抱え込むことになったと告白しています。

テクも台湾カステラで事業失敗しているので、相哀れむような表情を見せていましたね。

韓国では2016年ごろに台湾カステラブームがありましたが、「体に悪い添加物が入っている」というデマが報道され、一斉に倒産したそうです。

グンセも自分が「パラサイト(寄生)」しているパク社長を、とても尊敬しています。

財閥系の成功者でないことも、影響しているでしょう。

グンセは「ずっと地下室にすまわせてほしい」とギテクに願い出ますが、ムングァンがキム一家に殺されたことにより、復讐にうって出ます。

また、復讐前夜、グンセは死にゆく妻を助けようと、必死でモールス信号をうちました。

カブススカウトでモールス信号を習っていたダソンなのに、なぜ地下室に助けが行かなかったのかは、別の記事にまとめたのでご参照ください。

ダソンはモールス信号を無視? 間違ってて理解できなかった!

ミニョク

  • キャスト:パク・ソジュン
  • 声優:DVD=峰晃弘

ギウの友人の大学生(工学部)

おそらく同い年の23歳と思われます。

  • 留学する
  • 家には水石がたくさんある

などから、裕福な家庭なのでしょう。

ギウにダヘの家庭教師になってくれるよう頼みます。

同じ大学の友人に頼むと、ダヘをとられそうだからという理由でしたが、裏切られることになりました。

ミニョクは、映画の冒頭にしか登場しません

しかし、大雨の夜にパク家を逃げ出したギウが「ミニョクだったらどうするだろう?」と言ったことからも、全編をとおしてギウに大きな影響を与えていることが分かります。

ギウにとってミニョクは憧れであり、「こうありたかった自分像」として描かれているようです。

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【パラサイト半地下の家族】解説・考察記事一覧

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【パラサイト】相関図と登場人物の経歴まとめ

『パラサイト 半地下の家族』は、カンヌやアカデミー賞などで数々の賞を受賞た話題作です。

アメリカではドラマ化されることが決定しています。

  • 登場する3つの家族は、「高台」「半地下」「地下室」と居住地で格差をカテゴライズできる
  • 半地下のキム家と、地下室のムングァン夫婦が、裕福なパク家に「パラサイト(寄生)」するという構図
  • 宿主のパク社長が死ぬと、パラサイトしていた2家族も崩壊した
  • パク社長は、自力で成功したグローバルIT企業のCEOという、韓国では少数派の実力者
  • ダソンが描いた絵は自画像ではなく、グンセの絵だった
  • ギウとチュンスクは、詐欺罪等では執行猶予がつき、正当防衛も認められたため、服役はしていない

というのが、この記事のまとめです。

『パラサイト』は2回以上観ると、映画がより深く分かって面白いです。

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