映画『こんな夜更けにバナナかよ』

映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』は、「実話」と銘打たれていますが、どこまで実話なのでしょう?

この記事では

  • 原作と映画の違いを一覧表で比較

  • 安堂美咲と田中久は架空の人物

  • 原作では、夜更けにバナナを買いに行っていない

などについて、まとめました。

【こんな夜更けにバナナかよ・どこまで実話?】一覧表で原作と映画の違いを比較!

映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』は、タイトルに「実話」と入っていますが、実際のところどこからどこまで実話なのでしょうか?

原作である渡辺一史さん著『こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち』と比較して、分かりやすく一覧にしました。

あくまでも、「原作と映画の比較」です。

原作には書かれていないけれど、関係者から聞き取って映画に盛り込んだ内容もあるかもしれませんが、そこはカバーしていませんので、ご了承ください。

実話は○、創作は×、一部事実と異なる内容は△で示しています。

公開プロポーズ×
ボランティアの名前×
夜更けにバナナ
大をおもらし
コップに八つ当たり
アダルトビデオ
鹿野のワガママ
死んだふり
ボランティアに恋
鹿野はバツイチ
美瑛旅行
ボランティアが喀痰吸引
カニューレで会話
ボランティア500人
ボランティアとケンカ
母親に冷たい態度

原作との比較一覧を見ても分かるように、映画は原作を忠実に再現している部分が多いです。

鹿野靖明の人柄や闘病生活は、原作とほぼ同じ。

まったく違うのは、ボランティアの名前や公開プロポーズです。

一部事実を変えていたりする△や、まったく違う×の項目については、別途解説します。

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【こんな夜更けにバナナかよ・どこまで実話?】美咲と田中は架空の人物!

映画に登場する主なボランティアは、「原作のこの人をモデルにしてるんだろうな」と思う人と、「いろんなボランティアを混ぜ合わせて創作したんだろうな」と思う人がいます。

基本的には、ボランティアは「実在の人物を多少モデルにしたが、そのままではない」と思ってよいと思います。

一人ずつ見ていきましょう。

安堂美咲と田中久は架空の人物

一番目立つボランティアの安堂美咲(高畑充希)と、田中久(三浦春馬)は原作には登場しません

創作した架空の人物とみてよいと思います。

  • 鹿野さんがボランティアの女性に恋してフラれた
  • 医大生のボランティアがいた

    というのは事実ですが、年齢や状況が原作とは異なっています。

    鹿野靖明さんは恋多き男性だったようで、ボランティアからは「寅さん」と呼ばれたりしていたそうです。

    寅さんとは、「男はつらいよ」の寅次郎のことですね。

    あの人は、昔っから『寅さん』なんですよ。ボランティアの女の子にしょっちゅう恋して、フラれてたから。

    引用:『こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち』

    原作でも「告白された」という女性ボランティアのインタビューが出てきますが、年齢は鹿野靖明さんに近く、学生ではありませんでした。

    また、公開プロポーズも創作です。

    映画の演出としては面白いけれど、交際しているわけでもない相手にいきなりプロポーズというのは、あまり現実的ではないですよね。

    また、田中記念病院の御曹司・田中久も、架空と思われます。

    原作に医大生は登場しますが、田中久とはだいぶ状況が異なります。

    新聞記者が30代になって医学部に入りなおして、鹿野靖明さんと知り合うんですね。

    病院の跡取り息子で、医師になるのをあきらめそうになるとか、そういった背景はありません。

    なぜ、安堂美咲や田中久といった、架空の人物が登場するのでしょうか?

    『こんな夜更けにバナナかよ』は、鹿野靖明さんとボランティアで織りなされる物語です。

    原作では、鹿野靖明さんだけではなく、ボランティアの人たちそれぞれの人生についても、丁寧にインタビューしてあります。

    ボランティアの人たちも、みんないろんな悩みを抱えてるんですよね。

    なので、「ボランティアの人生」も鹿野さんと対等に扱って、原作のようなバランスや雰囲気で映画をつくるには、美咲や田中の存在が必要だったのではないでしょうか。

    そのために美咲や田中という、視聴者に近い立場で悩みのある人物が、創作されたのかなと思います。

    ベテランボラの前木貴子さんはモデルがいる

    「原作のこの人がモデルになってるんだろうな」というのが一番はっきり分かるのは、渡辺真起子さん演じるベテランボランティアの前木貴子さん。

    原作では、有償で週5日の昼間に、鹿野靖明さんのケアをする主婦がいるのですが、その方がモデルになっているようです。

    毎年春になると、卒業する人、入学する人などで、ボランティアが大きく入れ替わり、深刻な人手不足になっていました。

    鹿野靖明さんは自分では体を動かせないので、ボランティアのシフトが安定していないというのは、恐怖なわけです。

    なので、平日の昼間は有償で人を雇っていました。

    年齢も近く、気さくな人柄で気もあったため、その主婦のおかげで、鹿野靖明さんの精神状態はだいぶ安定したそうです。

    映画を観ていて、名前は違うものの、「原作そのままのイメージだな」という印象でした。

    萩原聖人さん演じる高村大助や、宇野祥平さん演じる塚田心平は、「たぶん、原作のこの人をモデルにしてるのかな?」という人はいます。

    ただ、高村大助や塚田心平の職業が映画の中では明らかになっていないので、断定できません。

    おそらく複数のボランティアの要素を、組み合わせた登場人物になっているのではないでしょうか。

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    【こんな夜更けにバナナかよ・どこまで実話?】バナナで起こされたが買いに行ってない

    映画では、田中の代わりに美咲が深夜にバナナを買いに走ります。

    タイトルにもなるくらい、鹿野靖明さんとボランティアの関係性をよくあらわす出来事です。

    しかし、実際には「バナナを買うために、深夜に外出した」という記述は原作にはありません

    おそらく、お見舞いの品とかで、バナナは部屋にあったと思われます。

    原作では、「夜更けにバナナ」のくだりは、次のような内容です

    • 鹿野さんの入院先の病院での出来事
    • ボランティアは、大学生の男の子(国吉さん)
    • 鹿野さんが「腹が減ったからバナナ食う」と、寝ている国吉さんを起こした
    • 国吉さんは内心すごく腹が立っていたが、黙って皮をむき、バナナを鹿野さんに食べさせた
    • 二人の間には、言い知れぬ緊張感が漂った
    • 食べ終わったら、鹿野さんが「国ちゃん、もう1本」とバナナをおかわりした
    • 国吉さんは「なにィー!」と驚き、怒りが急速に冷えた

    当時の気持ちを、国吉さんは次のように語っています。

    「あの気持ちの変化は、今でも不思議なんですよね。

    もう、この人の言うことは、なんでも聞いてやろう。

    あそこまでワガママがいえるっていうのは、ある意味、立派。そう思ったんでしょうか」

    引用元:『こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち』

    ちなみに国吉さんは、この体験を入社試験の作文に書いて、NHKに合格したそうです。

    きっと、人の体温を感じる現場リポになっていたんでしょうね。

    映画では触れられていませんが、興味深くドラマティックな話です。

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    【こんな夜更けにバナナかよ・どこまで実話?】原作とは少し違う部分

    原作と少し異なる△の項目は、

    • 夜更けにバナナ
    • 大をおもらし
    • コップに八つ当たり
    • アダルトビデオ

    です。

    「夜更けにバナナ」については前述したので、他3つについて、どこが少し違うのか解説します。

    大をおもらし

    鹿野は、美咲や田中、高村が屋外でBBQしますね。

    バンドが演奏している途中で、鹿野は腹痛を起こしトイレに駆け込もうとしますが、間に合いませんでした。

    原作には、「外出先で、大をもらした」という話は出てきません

    しかし、鹿野靖明さんは腸が弱く、外出するというプレッシャーでよく下痢になっていたため、正露丸は必ず持って出かけていたそうです。

    なので、原作にはないものの「トイレが間に合わなかった」ということは、実際あったかもしれないと思い、△にしました。

    コップに八つ当たり

    映画で、鹿野靖明さんはイライラすると、赤いホーローのコップを床に落としますよね。

    入院先の病院では、動けない鹿野さんの代わりに美咲がコップを床に投げつけます。

    実際には、金属製の「痰壺」を床に落としていたそうです。

    カシャーンという音がすると、イライラがスッキリしていたそうです。

    金属製の痰壺は、見たことない人の方が多く、分かりにくいでしょうから、映画の演出としてホーローの赤いコップに代えたと思われます。

    アダルトビデオ

    鹿野靖明さんと泊り担当の田中が、一緒にアダルトビデオを見るシーンがありますよね。

    原作では

    • 鹿野さんと男性ボランティアが、一緒に映画館で成人映画を観た
    • ボランティアにアダルトビデオをレンタルさせたり、返却させたりしていた

    という記述があります。

    女性のボランティアでも気心がしれてると、アダルトビデオの返却に行ってもらっていたようです。

    まあ、返却ポストに入れるだけでしょうが、ちょっと驚きですよね。

    若干原作とは違うので△にしましたが、ほぼ実話という印象です。

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    【こんな夜更けにバナナかよ・どこまで実話?】鹿野は結婚してたって本当?

    映画では、鹿野靖明さんが以前結婚していたという話が、ちょっとだけ出てきます。

    原作では、なれそめや結婚生活について、結構くわしく書いてありました。

    お相手の女性とのなれそめは、知人の紹介

    鹿野靖明さんが自立生活を始めて、1年半くらいたった頃のことでした。

    知人というのは、鹿野さんと同じく筋ジスの患者さんなんですね。

    その人の知り合いということで、病気に対する理解は、世間一般の人よりも、もともとあったのだろうと思います。

    「家が近所だから、たまに鹿野の面倒見てくれないかな」と、知人が女性に頼んだのです。

    鹿野さんは、彼女に一目ぼれ。

    わりとすぐ「お付き合い」に発展し、半年ほどで結婚の話がでるように。

    彼女の母親は最初反対していましたが、「ケア付き住宅」に入居できることになり、介助の負担がかなり減るということで、結婚を許してもらえたそうです。

    しかし、このケア付き住宅には問題がたくさんありました。

    令和時代にはたくさんあるケア付き住宅ですが、当時は「最初のケース」だったんですね。

    「奥さんは、どうしてもっと介助しないのか」とケアワーカーから文句を言われたりして、奥さんもつらかったようです。

    奥さんは体調を崩し、夫婦の関係も悪くなり、最終的には奥さんに他に好きな人ができて離婚。

    離婚後、鹿野さんはヤケを起こして、睡眠薬を多量に服用し、救急車で搬送されています。

    それくらいじゃいなないってわかってたんだけど、みんなに心配してほしかったんだよね。

    お父さんやお母さんやタカちゃんが心配して駆けつけてくれた。

    バッカなヤツだよね……そういうこともやった

    引用元:『こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち』

    「寅さん」である鹿野さんは、その後もボランティアの女性にたくさん恋をし続けたそうです。

    実際に、お付き合いされた女性もいましたが、再婚には至りませんでした。

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    【まとめ】『こんな夜更けにバナナかよ?』はどこまで実話?

    「実話」と銘打たれている映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』は、一体どこまでが実話なのでしょうか?

    • 鹿野靖明の人柄や闘病生活は、原作におおむね忠実
    • ボランティアの安堂美咲や田中久は、架空の人物
    • 公開プロポーズも映画の演出で、実話ではない
    • 鹿野は深夜に「バナナを食べたい」とボランティアを起こしたが、買いに行かせてない
    • ボランティアに「寅さん」と言われるほど、鹿野は惚れっぽかった\

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