スピルバーグ映画『E.T.』のタイトル

スピルバーグ映画『E.T.』では、後半でエリオットとE.T.が病気になります。

E.T.は体が白くなり瀕死状態でしたね。

この記事では、

  • E.T.は、何の病気?
  • E.T.は、なぜ病気になった?
  • E.T.はどんな治療を受けた?
  • エリオットは、なぜE.T.と脳波が同調した?

について、解説と考察をまとめています。

映画ETは敗血病or老衰?なぜ病気になった?

https://twitter.com/Bohemian_Grover/status/1522703136036573184

E.T.は敗血症を発病した?

映画の後半で、E.T.体が白くなって瀕死状態になります。

しかもエリオットも発熱して具合が悪くなってしまいました。

一体、どんな病気になったのでしょうか?

治療にあたっていた医師は、「敗血症か?」と言っていましたね。

敗血症とは?

敗血症とはどんな病気なのでしょう?

  • 細菌に感染することで起こる生体反応
  • ブドウ菌や大腸菌などで起こることが多い
  • 組織障害や臓器障害を起こすため、集中治療室での治療が必要
  • ショックが大きく、臓器障害が重い場合は、死亡することも

敗血症は、様々な症状が現れます。

敗血症の症状
  • 発熱や悪寒
  • 皮膚が冷たくなり湿り気を帯びる
  • 意識が混濁する
  • 息切れや頻呼吸
  • 頻脈

症状が全身に及び、臓器などにも不全症状が出るんですね。

敗血症の治療方法は?

敗血症の治療方法として、次のような処置がとられます。

  • 抗生物質を投与
  • 血圧と酸素濃度維持のために、酸素投与と大量の輸液投与
  • 場合によって、人工呼吸器や人工透析など行う

人間ならともかく、宇宙人の臓器がどうなってるかとか分からないので、治療はかなり難しそうです。

E.T.はなぜ病気になった?

E.T.はなぜ病気になったのでしょうか?

小説には、次のようなくだりがあります。

地球の大気の中では彼はそう長くは生きられないだろう。

地球の引力は彼を苦しめる。

引力に抗して地面に足を踏んばれば、やがて彼の背骨は曲がってしまうに違いない。

筋肉は弛緩して、彼はぶよぶよのお化けトウナスと変わりない姿で、どこかの溝で発見されることだろう。

星間に研究の舞台をひろげた植物学者の何と哀れな最期であろう。

引用元『E.T.』W.コツウィンクル/池央耿訳

E.T.にとって、地球の引力はかなりの負担なんですね。

そして、E.T.は優れた植物学者であることが分かります。

宇宙船の中にも温室があり、地球の植物がたくさんありました。

小説では、E.T.たちが宇宙食を丸薬にして食べていると書いてありました。

形が似てて美味しいのが、M&Mのマーブルチョコだったんですね。

エリオットの家に来てからのE.T.はあまり栄養もとれていない状態だったのです。

映画では、森の空地へ通信機を設置した後、E.T.は川の中に横たわった姿で発見されます。

体は真っ白で、その後は瀕死状態でしたよね。

しかし、小説では展開が少し違うのです。

E.T.は川の中で横たわっていましたが、「水の音を聞いていただけ」でした。

具合が悪くなっていったのは、実は寿命が尽きかけていたから

もともと高齢だった上に、地球の重力が体に負担で衰弱したんでしょうね。

E.T.は病気なのか老衰なのか?

こうしてみると、映画と小説ではE.T.の病気は少し違うようです。

映画だと、医者が「敗血症か?」と言っていました。

ちなみに小説には、このシーンはありません。

映画だと、「川に入ったE.T.が何かの細菌に感染して、敗血症になった」という筋書きのようです。

一方、小説だと「高齢でまともな食料もない上に、地球の重力が負担となり、E.T.の寿命が尽きかけた」という話になっています。

ちなみに、小説だとE.T.の体はどんどん重くなっていきます。

なぜかというと、E.T.の体自体がブラックホールになりつつあったからです。

このままだと、エリオットたちを巻き込むし、下手すると地球を破滅させてしまうと、E.T.は焦るんですよね。

しかしラストは何とか生き返って、事なきを得ました。

「なぜ生き返った?」については、別の記事にまとめたのでご参照ください。

ETが生き返った理由は船長の救命!なぜ瀕死で白くなったのに元気に戻った?

E.T.はどんな薬を処方された?

映画では、医師が投与した薬の名前を言っていました。

どんな薬だったか、確認してみましょう。

  1.  リドカイン(速効性で強力な局所麻酔薬)
  2. エピネフリン(要するにアドレナリン。血圧を上げる)
  3. ベリチウム(食べ物の消化促進)
  4. 塩化ナトリウム溶液 2.7%(生理食塩水)
  5. 酸素を毎分5リットル
  6. 蘇生措置で毎分60回心臓マッサージ

ベリチウム投与についてはよく分かりませんが、全体的に血圧がどんどん下がって心停止したことが分かりますね。

生理食塩水として、塩化ナトリウム溶液を投与していますが、2.7%です。

人間の生理食塩水は0.9%なので、かなり濃度が高いですよね。

E.T.の体液が、2.7%なのだろうと思います。

ちなみに、映画に登場する医師や看護師は、本当に医師や看護師だったそうですよ。

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なぜエリオットはE.T.の脳波にシンクロした?

不思議だったのは、エリオットとE.T.の脳波グラフが完全に一致していたこと。

しかし途中から、脳波グラフが別れて、エリオットは回復し、E.T.は心停止します。

エリオットとE.T.に何が起きていたのでしょうか?

理由は、小説に書かれています。

E.T.は、テレパシーを使うのが得意なのです。

それも、人間に対して一方的にテレパシーのスイッチをONにしたりOFFにしたりできるのです。

小説だと、かなり初めの段階からエリオットとE.T.はテレパシーで繋がっています。

それも頭の中で会話するという形ではなく、

「E.T.の考えていることが、何となくエリオットに伝わる」とか

「夢で見る」とか、ちょっとふんわりした感じで伝わるんですよね。

映画だと、エリオットが授業でカエルの解剖を妨害するシーンがありました。

エリオットは、女の子とキスしましたね。

同時進行で、E.T.は昼ドラを観ていました。

昼ドラの内容と、エリオットの動きがシンクロしていました。

E.T.が興味深々で観ていた昼ドラが、テレパシーで伝わり、エリオットは無意識に同じ動きをしたのです。

映画だと、説明がないので気づきにくいですが、

ETとエリオットは、テレパシーで繋がってる

という伏線だったのです。

小説だとETは「しまった、テレパシー切り忘れてた」みたいに慌てる場面があります。

ずっとつながってると、ETの意識がエリオットに流れ込むので、エリオットの負担になるんですよね。

実はこのような前置きがあった上で、集中治療室の「脳波が一緒だわ」というシーンにつながっていたのでした。

集中治療室でのエリオットは、医師たちに「E.T.に触ると死んじゃうから、触らないで」と何度も言っています。

一方のE.T.は、「ココニイテ エリオット イカナイデ」と言いました。

お互いの状況がよく分かっていたようです。

そしてE.T.が「イカナイデ ココニイテ」と言った後に、エリオットは持ち直しています。

E.T.の指や胸は光っていませんでした。

E.T.が治癒の能力を使ったわけではないようです。

E.T.がエリオットに何をしたのか、小説での場面を見てみましょう。

ETはかすれていく意識の中で最後の知恵を絞り、かろうじて一つだけ手を打った。

死の世界へ足を踏み入れるその刹那、彼は背後に盾をかざして、追いすがる少年の道を絶ったのだ。

引用元『E.T.』W.コツウィンクル/池央耿訳

具体的ではないのでちょっと分かりにくいですね。

おそらく、E.T.はエリオットが自分に同調しないよう、テレパシーのスイッチを切ったのでしょう。

まあ、E.T.が昼ドラのキスシーン観てるだけで、クラスの女の子とキスしてしまうエリオットなのです。

E.T.とはかなりシンクロしていたので、瀕死状態にも同調してしまったのでしょう。

もともとエリオットは「森で一晩過ごして風邪ひいた」くらいの具合の悪さだったはずなのです。

E.T.とのシンクロが止まると、元気になったんですね。

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映画ETの病気まとめ

まとめ
  • E.T.の病気について、映画の医師は「敗血症か?」と言っていた

  • 敗血症は、細菌に感染することで起こる生体反応のこと

  • 小説では、高齢で地球の重力が負担になって、E.T.が衰弱していく展開になっている
  • エリオットとE.T.の脳波がシンクロしていたのは、E.T.とテレパシーで繋がっていたから

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