映画『バケモノの子』は、2015年の映画の興行収入で、第4位の人気作品です。
しかし、ヒロインの楓は「うざい」「邪魔」「いらない」と不人気。
人気のないヒロインというのも、珍しいですよね。
この記事では、
- 楓が「うざい」「邪魔」と不評なのはなぜ?
- 楓というキャラが必要な理由は?
- 細田守監督のヒロインは嫌われやすい?
について、まとめました。
【バケモノの子】楓が「うざいし邪魔」と不評なのはなぜ?
映画『バケモノの子』のヒロインは、楓という女子高生。
しかし、「うざい」「邪魔」「いらない」と批判的な声が多数あります。
ヒロインであるにも関わらず、なぜ不評なのでしょうか?
SNSで「うざい」「邪魔」「いらない」の声が多数
楓に対して、どのような感想があるのか、実際にツイートで見てみましょう。
SNSで『バケモノの子 楓』で検索すると、上記のようなコメントが多く上がっています。
厳しめの感想が多いですね。
楓のどこら辺がうざくて邪魔?
楓のどういうところが、「うざい」「邪魔」と言われるのでしょうか?
楓の性格や、映画の場面から検証してみましょう。
楓はどんな性格?
ネットではヒロインなのに酷評されている楓ですが、どういう女の子なのでしょうか?
- 都内の進学校に通う女子高生
- 学校では、クラスメイトから疎まれている
- 幼稚園からお受験
- 成績優秀な優等生
- 両親が望む人生を生きている
- 裕福な家庭で育った
ということが、映画の内容から分かります。
基本的に親の言うことを聞く子どもなので、「従順」で「真面目ないい子」なのでしょう。
しかし、大学に入ったら
「学費免除されるくらいの成績をとる」
「自分のために生きる」
と決めているので、自立心が強そうです。
- 図書館で同級生を注意
- 九太をビンタ
という場面もあったので、正義感が強く、気も強い面もあると言えそうです。
楓がうざくて邪魔なシーンは?
楓が「うざい」「邪魔」と視聴者が思ってしまうのは、やはり後半シーンではないでしょうか。
- 渋谷センター街で、九太と一郎彦が戦う場面
- 代々木で、クジラの一郎彦に「負けない」と語りかける場面
九太が「危ないから」と楓に逃げるよう言っても、楓は聞きません。
「離さない」と言って、むしろ手をつなぎますね。
「一郎彦が楓に斬りかかり、九太が守ろうとする」というようなことは、ありませんでした。
けれど、はたからすると「足手まとい」になっているようにも見えます。
「他者とともに生きる」というのが、この映画のテーマなので、楓は九太から離れなかったのです。
けれど、状況的にイラッときた人が、結構いるようです。
また、代々木体育館のところで、クジラの一郎彦を見上げて、楓が叫ぶシーンがあります。
誰だってみんな等しく闇を持ってる
蓮くんだって抱えてる!私だって!
私だって抱えたまま、今も一生懸命もがいてる
簡単に闇にのみ込まれたあなたになんか、蓮くんが負けるわけがない
私たちが負けるわけないんだから!
正義感の強い楓らしい正論です。ただ、
- 一郎彦の事情も知らず、「簡単に闇にのまれた」と決めつけている
- 一郎彦に、マウンティングをかけているように見える
ところがあります。
楓の闇が、どういうものか分かりにくいのも影響していそうです。
おそらく、両親や意地悪な同級生が、楓の闇に関係しているのでしょう。
けれど両親がどういう人か描かれていないので、楓には同情しにくいですよね。
また、「正論を言う」というのは「私は正しくて、あなたは間違ってる」ということ。
一郎彦に同情的な人からすれば、ちょっと不快な気持ちになりそう。
正しいからといって、共感されるわけではないということですね。
また、次のようなシーンでも、楓は「うざい」と思われそうです。
- 図書館で同級生を注意する場面
- 闇落ちしそうな九太をビンタする場面
- 九太に服を買わせる場面
楓には楓のいいところがあります。
ただ、裏目に出てる部分があるのかもしれませんね。
楓はいらないキャラ?必要な理由は何?
楓ちゃんの声を演じたのは広瀬すずさんですー可愛い声だな〜 九太さん(青年期)の声を演じたのは染谷将太さんです#バケモノの子 #九太 #染谷将太 #楓 #広瀬すず #細田守 #夏のスーパーアニメ王 #ミアちゃん #アンク pic.twitter.com/2j8GlWuKIQ
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) July 27, 2018
SNSを見ると、「楓はいらない」という人も結構います。
『バケモノの子』における、楓の存在意義は何なのでしょう?
実は、映画の企画当初、楓は「ひ弱な少年」というキャラクターのはずでした。
ところが、プロデューサーから「女の子がいない」と指摘されて、監督が女子高生にキャラ変更しているのです。
確かに、10代の男の子が主人公の映画で、ヒロインがいないというのは、ちょっと不自然です。
また、九太が渋天街と人間界を行き来します。
そうなると、同世代の「人間」がいないのも、不自然に思えます。
楓は、「人間界における水先案内人」という重要な役割があるわけです。
渋天街で8年間暮らした九太が、人間界で蓮に戻って生きていくという展開です。
熊徹などから引き離し、九太に「人間界で生きていく」と決意させるに足る登場人物が必要だったのです。
離婚してずっと会ってない父親だけでは、ちょっと物足りないですよね。
そこで楓の出番となったわけですが、熊徹たちの方がキャラが濃くおもしろい。
キャラとしては楓が負けてしまい、ちょっと浮いた存在のようになってしまうのでしょう。
細田守監督のヒロインは嫌われやすい?
ヒロインなのに、視聴者から酷評される楓。
『おおかみこどもの雨と雪』のヒロイン・花も、割と厳しい評価を受けています。
- つらい時でも笑ってるのが、気持ち悪い
- 雨ばかり可愛がって、雪がかわいそう
という感想を結構見かけます。
『サマーウォーズ』のヒロイン・夏希先輩も、
- 自分勝手でうざい
- 最初から最後まで嫌い
と、アンチが多くいます。
一方で、真琴やおばあちゃんは高評価。
細田監督の映画は、ヒロインはそれぞれ性格が違うのに、毎回「嫌い」という人が多数います。
毎度、共感されないヒロインを描くというのも、ある意味すごいです。
『竜とそばかすの姫』のヒロイン・ベルは、一体どういうキャラなのか気になりますね。
U-NEXTでは、細田守監督の以下の作品が視聴できます。
- 『時をかける少女』
- 『サマーウォーズ』
- 『おおかみこどもの雨と雪』
- 『バケモノの子』
- 『未来のミライ』
- 『デジモンアドベンチャー』
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※本ページの情報は2021年7月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
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【バケモノの子】楓が「うざいし邪魔」と言われる理由まとめ
映画『バケモノの子』には、楓というヒロインが登場しますが、ネットでは「うざい」「邪魔」「いらない」と不評です。
- 楓は、親の敷いたレールを生きる従順で真面目な優等生
- 久しぶりに人間界に戻ってきた九太に、新しい人生の方向性を示す重要な存在
- 楓が「うざい」「邪魔」と不評なのは、九太と一郎彦の決闘の場面が大きな原因
- 細田守監督の映画のヒロインは、観客から共感を得られないことが多い
というのが、この記事のまとめです。