映画『罪の声』のタイトル

『罪の声』のギン萬事件は、実際に起きた昭和の「グリコ森永事件」を下敷きにしています。

犯人は複数でしたが、目撃されているのは「キツネ目の男」だけです。

しかも、目撃者は捜査員たちでしたが、職務質問さえしていません。

この記事では、

  • キツネ目の男が目撃されたのはどこ?

  • なぜ警察はキツネ目の男を捕まえなかったのか?

について、解説します。

【罪の声・実話】グリコ森永事件の犯人・キツネ目の男は目撃された場所はどこ?

1984年から1985年にかけて起きた「グリコ森永事件」

企業の用意した金の引き渡し現場において、犯人の一人とされる「キツネ目の男」が目撃されています。

https://twitter.com/tekko_mamerui/status/1293194020055728134

目撃したのは複数の捜査員でした。

年齢は35歳~45歳くらい、身長175センチ、釣り目という特徴がありました。

キツネ目の男の人相はのちに似顔絵で公開され、時効までに全国から9千件以上の情報が寄せられましたが、結局捕まっていません。

キツネ目の男は、どこで目撃されたのでしょうか。

目撃場所1:京都行の電車の中

1984628日、丸大食品に指定場所に来るよう電話がかかってきます。

丸大食品の社員になりすました捜査員は、金の入ったボストンバックを持って、指示された場所に向かいます。

その途中、高槻駅から京都駅まで電車に乗ったのですが、そこにキツネ目の男がいたのです。

捜査員は、犯人の「後ろから二両目の○印のところに座れ」という指示を無視し、先頭車両に乗りました。

犯人が探しに来るだろうと思ったんですね。

現れたのはキツネ目の男。

腕時計をつけ替えたり、ポケットの千円札を入れ替えるなど、不審な動きをしていました。

捜査員が電車を降りてトイレに行く時も、乗り換える時も、キツネ目の男は捜査員を尾行。

キツネ目の男は京都駅で降りて、人ごみにまぎれて消えたそうです。

目撃場所2:名神高速道路

19841114日、ハウス食品の部長宅に女の子の声で、電話がかかってきます。

映画では、生島望が指示書を音読していた部分ですね。

キツネ目の男は、

  • 京都南インターチェンジ

  • 大津サービスエリア

で、複数の捜査員に3回目撃されています。

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【罪の声・実話】警察が犯人・キツネ目の男を捕まえなかった理由はなぜ?

https://twitter.com/shige_skywalker/status/1148587207436820481

前の章で説明したように、キツネ目の男は何度も目撃されています。

しかも複数の捜査員が目撃しているにも関わらず、捕まるどころか、職務質問さえされなかったのです。

いったいどうしてでしょうか?

ひと言で言うと、「犯人を一網打尽にすることにこだわった」からです。

犯人は複数名いることは、分かっていました。

別に一人でも逮捕できれば、そこから事件は解決できそうですよね。

どうして「一網打尽」にこだわったのでしょう?

寝屋川アベック事件の後、事件の主導権を警視庁が握ったことが大きな要因です。

寝屋川アベック事件とは?

198462日、江崎グリコは犯人の指示通りに、3億円つんだ車を、指定のレストランに起きました。

車の後部トランクには、捜査員が潜んでいました

捜査員がスイッチを押すと、車のエンジンが止まるよう、特別な加工をした車を用意したんですね。

同じころ、指定のレストランの近くで、アベックの車が犯人たちに襲撃されます。

犯人はアベックを脅迫して、犯人の代わりに金をつんだ車を運転させたのです。

予想しないことがいろいろ起きてしまい、結局犯人を取り逃がしています。

  • 捜査員の無線が故障して、エンジンをストップさせるタイミングを間違った

  • 犯人に警察無線を傍受されないよう、無線連絡を禁じた

無線を使えない張り込みの捜査員たちが、大声で情報交換

⇒住人が不審に思い通報

⇒事情をしらないパトカーが駆けつける

⇒犯人が気づいて逃亡

となったのです。

主導権が、大阪府警から警視庁がに変更

policecar

寝屋川アベック襲撃事件の後、グリコ森永事件は、警視庁広域重要指定事件に指定されました。

事件が大阪府だけでなく、兵庫県にまたがって起きてしまったからですね。

ひとつの都道府県の中で治まらない事件は、東京の警視庁が指揮をとるのです。

ちょっと不思議ですよね。

警視庁の基本方針は、「一網打尽」でした。

そのため、府警や県警の捜査員が勝手なことをしないよう、疑わしい人物への職務質問や尾行を禁止していたのです。

電車や高速道路でキツネ目の男を目撃した捜査員たちは、みな「職務質問していいか」と何度も捜査本部へ確認しています。

しかし許可は出ず。結局何もしないままで終わっています。

キツネ目の男に職務質問をして、身元の確認や任意同行ができていたら、事件の展開はまったく違うものになっていたかもしれませんね。

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【罪の声】解説・考察記事一覧

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【罪の声・実話】警察が犯人・キツネ目の男を捕まえなかった理由のまとめ

何度も目撃されていながら、捕まるどころか職務質問さえされなかったキツネ目の男。

なぜかと言うと、

  • 寝屋川アベック事件の後、大阪府警ではなく警視庁が主導権を握ったから

  • 警視庁は「一網打尽」を基本方針とし、職務質問や尾行をさせなかったから

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