映画『スタンド・バイ・ミー』には、ブタケツと呼ばれる太った少年が、パイ食い大会で町の人たちに復讐する場面があります。
大量にブルーベリーパイを食べて、勢いよく嘔吐しましたね。
最後は、町の人たちもお互いに吐き合うという大惨事に。
この記事では、
- ブタケツは、どうしてヒマシ油と生卵を飲んだの?
- 原作小説との違いは?
- どうやって吐くシーンを撮ったの?
について、解説します。
【スタンドバイミー】ブタケツはなぜヒマシ油と生卵を食べた?
映画『スタンド・バイ・ミー』には、パイ食い大会のシーンがあります。
ブタケツと呼ばれるデビー・ホーガン少年が、パイ食い大会に出場。
いつも自分をいじめる町の人たちに復讐するのが、目的でした。
かなり衝撃的なインパクトのある場面なので、『スタンド・バイ・ミー』というと、この場面を思い出す人も多そうです。
ブタケツはなぜヒマシ油を飲んだ?
ブタケツは、パイ食い大会に出る直前、会場の裏で
- ヒマシ油1本
- 生卵1個
を一気飲みします。
ブタケツは、なぜヒマシ油や生卵を飲んだのでしょうか?
日本では普段聞いたことのない人が多そうですが、ヒマシ油は、トウゴマから摂る縮物油です。
古代ギリシャ時代から、「万能薬」として知られていました。
基本的に「デトックス」「排出」の効能があり、飲む場合は「便秘薬」「下剤」として使われることが多いです。
また、食中毒などになったとき、胃腸の中の物を出す時に飲んだりするようです。
その他、イボやシミ取り、痛みの緩和、ヘアケアや美容液などコスメとしても使われています。
便秘薬として飲んだ場合、副作用として「嘔吐、腹痛、悪心、過敏症状」が出ることも。
ブタケツは大量にヒマシ油を飲んだので、副作用的に嘔吐したのですね。
確実に、思いっきり吐くために、ヒマシ油を飲んだのでしょう。
もし「下剤」として効いたら、みんながトイレに駆け込んで大騒動になったでしょうね。
どちらにしても大変ですが、「吐き合う」方が映画としては、視覚的にインパクトが残ると思います。
原作小説との違いは?生卵は飲んでない
スティーブン・キングの原作小説『スタンド・バイ・ミー』にも、ブタケツのパイ食い大会の場面があります。
映画よりも描写や説明が詳しく書かれています。
映画と違うのは、
- ブタケツは、生卵は飲んでない
- パイ食い大会の勝敗は、「引き分け」になった
というところ。
映画では、ブタケツはヒマシ油と生卵を飲んでましたね。
原作にない「生卵を飲む」という演出は、「気持ち悪さを印象づけるため」だったのではないかと思います。
油を1本飲むのを見ただけでも気持ち悪いですが、さらに生卵を飲んでるのを見ると、視覚的にインパクトがありますよね。
さらには「油と生卵」で、食べ合わせも悪そうです。
また、原作だと、ブタケツがパイ食い大会の勝敗を決めました。
町中の人が吐くのを、満足して眺めた後「この勝敗は引き分けとします」とマイクで宣言したのです。
パイ食い大会の優勝賞金は5ドルと、かなり安い金額でした。
しかし、町の人たちがお金を賭けることが公に認められていて、1000ドル(約10万円)がかかっていたのです。
全員嘔吐しましたし、ブタケツも勝ち負けには興味がなかったので、「引き分け」と言ったのでしょう。
ブタケツのゲロシーンはどうやって撮影した?
メイキング裏話によると、ロブ・ライナー監督には「こういうふうにしたい」という明確なビジョンがあったそうです。
- 町の人は、オレゴン州ブラウンズビル市のエキストラ
- パイ食い大会のパイは、地元のパン屋さんに作ってもらった
- 巨大なカッテージチーズとブルーベリーパイで、吐しゃ物を作った
- 吐しゃ物は、5ガロン(約19リットル)あった
- 男性が4~5人がかりでポンプを押して、吐しゃ物を真空ホースに充填した
小道具のゲロを作るのも、なかなか大仕事だったようです。
映画では、
- すごく勢いよく吐いてる
- 吐く人は、全員横向き
であることが分かります。
役者さんの体で見えないようにホースを隠し、口から吐いてるように見せたのですね。
ちゃんと本物のブルーベリーパイで吐しゃ物を作ってるので、現場はかなり甘い匂いがただよったのではないでしょうか。
なお、「町の人たち」はエキストラも多くいたそうですが、全員というわけではないようです。
なので、「ゲロを吐いた町の人」は役者さんなのかなと思いました。
役者でもない一般市民に、ゲロ吐く演技は難易度高そうですし。
でも、こんなすごいシーンのエキストラに出たら、一生の思い出になるでしょうね。
【スタンドバイミー】解説・考察記事一覧
【スタンドバイミー】ブタケツのパイ食い大会まとめ
映画『スタンド・バイ・ミー』には、「ブタケツがパイ食い大会で、町の人たちに復讐する」という場面が出てきます。
最後は、町中の人たちが嘔吐し合うというすごい話でしたね。
- ブタケツがヒマシ油を飲んだのは、確実に思いっきり吐くため
- ブタケツは、自分をいじめる町の人たちに復讐するために、パイ食い大会に出場した
- 原作小説では、生卵を飲んでいない
- 映画で生卵を飲んだのは、視覚的な気持ち悪さを演出するためと思われる
- 吐しゃ物は、本物のカッテージチーズとブルーベリーパイで作られた
- 吐くシーンはホースを使い、役者を横向きにして、口から吐いているように見せている