ジブリ映画『崖の上のポニョ』では、ラストにひまわりの家の老人たちが、海の底で走り回るシーンがあります。
リサとグランマンマーレが話し込んでいる様子を見て、おばあさんが「リサさんも辛いでしょうね」と言いました。
「リサが辛いって、どういうこと?」と不思議に思った人もいるのではないでしょうか。
この記事では
- おばあさんは何故「リサさん辛いでしょうね」と言ったのか?
- 宮崎駿監督は、『人魚姫』に納得いかずハッピーエンドにした
について、考察と解説をまとめています。
【崖の上のポニョ】「リサさん辛いでしょうね」のセリフの意味は?
ポニョ「お目めから水でてる」
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) August 23, 2019
父・ #耕一 からもらったこの帽子からは、大人の男の“誇り”がイメージできますが、#ポニョ の魔法が解けた時にポンポン船と一緒に小さくなってしまい、#宗介 は動揺してしまいます。宗介が子どもに戻ってしまっていることを象徴しているようですね。#金ロー pic.twitter.com/9n5Q30mSj3
『崖の上のポニョ』では、最後に海の底でおばあちゃんたちが、走り回っていました。
グランマンマーレとリサが話し込んでいるのを見て、ひとりのおばあちゃんが「リサさん辛いでしょうね」と言います。
「辛いって、どういうこと?」と不思議ですよね。
なぜ、おばあちゃんは「リサさん辛いでしょうね」と言ったのでしょうか?
順を追って説明します。
宗介を追って人間界にやってきたポニョは、何度も魔法を使います。
フジモトが井戸に貯めていた生命の水をあふれさせて、海も魔法に満ちてしまいます。
フジモトは「世界に大穴を開けてしまった」と言っていました。
そこでグランマンマーレは、古い魔法でポニョを人間にすることを思いつきます。
ポニョが人間になるには、「ポニョの正体を知っても宗介の心が揺らがない」という条件がありました。
もし宗介が怖がったり、嫌がったりすると、ポニョは泡になってしまいます。
宗介が、ありのままのポニョを受け入れてキスすると、ポニョは人間になれるのです。
アンデルセンの「人魚姫」みたいですね。
映画ではフジモトが、海の底でおばあちゃんたちに
「みなさんお静かに。いよいよ運命の時は近づきました」
「お静かに。みなさんはこの神聖な試練の立会人です」
と言っています。
また、おばあちゃんたちも
「愛の試練よ」
「胸がドキドキしてきたわ」
と言っているので、フジモトはおばあちゃんたちに、ポニョを魔法で人間にする話をしたようです。
まだ5歳の宗介に、ポニョの命と未来がかかっているわけですね。
宗介が、ポニョの正体を知っても気持ちが変わらなければ、すべてうまくいきます。
しかし、怖がったり拒否したりすると、宗介の目の前でポニョは泡になってしまうのです。
大きなトラウマになりそうですね。
まさしく「神聖な試練」なわけです。
宗介の母親の立場で考えると「そんなこと息子にさせたくない」と思うのが自然です。
けれどポニョが人間にならなければ、世界に空いた大穴はますます広がり、どうなるか分かりません。
すでに人工衛星が次々と堕ち始めるという事態になってるのです。
グランマンマーレは、リサに事情を話し、説得していたのだと思います。
おばあちゃんは、リサの気持ちを思いやって「辛いでしょうね」と言ったのでしょう。
【崖の上のポニョ】「人魚姫」に納得できなかった宮崎駿監督
ラストシーン🎞で悩んでいた #宮崎監督に #鈴木敏夫 プロデューサーが「普通、海からやってきたら海へ帰るんじゃないですか」と言ったところ監督は「いや、帰らせない」と言いこのエンディングになったそうです。→続く#金ロー#崖の上のポニョ#ポニョ#宗介 #リサ#宮崎駿#大橋のぞみ pic.twitter.com/WJpYAxIBi6
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) August 23, 2019
『崖の上のポニョ』では、ラストにポニョが人間になって、宗介が身元引受人になります。
一応、万事まるく収まったハッピーエンドと言えそうです。
鈴木Pは、「普通、海からやってきたら、海へ帰るんじゃないですか」と聞いたそう。
すると宮崎駿監督は「いや、帰らせない」とキッパリ。
そして「ポニョが人間になって、陸にあがる」という結末になったそうなのです。
なぜ、ポニョは泡にもならず、海にも帰らないという結末になったのでしょう?
宮崎監督は、9歳の時にアンデルセンの『人魚姫』を読んで、納得がいかなかったそうなのです。
『人魚姫』の結末にある、キリスト教的な考え方が「いまだに許せない気がしている」といっています。
キリスト教徒は、基本的に異教徒や宗派の違うクリスチャンとは結婚しない、というのが『人魚姫』の時代の一般的な考え方だったのでしょう。
まして、人魚とは結婚しないというのが、ベースにあったのだと思います。
しかし、日本は「鶴の恩返し」など、人間と動物が夫婦になる異種婚礼譚が、多くあります。
日本人には、「魚と人間が結ばれる」という話も受け入れられると、宮崎駿監督は考えたようです。
それで、ポニョが人間になり、宗介と暮らすというハッピーエンドになったのですね。
宮崎アニメは、どの作品も必ず希望のあるハッピーエンドで終わります。
『崖の上のポニョ』も、とても宮崎アニメらしい結末でしたね。
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【崖の上のポニョ】リサさん辛いの意味まとめ
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