大河ドラマ『鎌倉殿の13人』のタイトル画像

2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、菅田将暉さんが源義経を演じています。

ドラマには、静御前正室の郷が登場します。

「義経には、妻が何人いたの?」

と史実が気になりますね。

この記事では、

  • 源義経の妻は何人で誰?
  • 大河ドラマでのキャストは誰?

等について、解説をまとめています。

【解説】源義経の妻は3人!

https://twitter.com/nhk_kamakura13/status/1471330496936353799

源義経には、妻が3人いたと伝えられています。

正室1人と妾2人ですね。

一番有名なのは、愛妾の静御前ではないでしょうか。

一人ずつ解説します。

【正室】郷御前(河越重頼の娘)

源義経の正室は、郷御前(さとごぜん)です。

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では「里」という表記になっています。

郷御前の父親は、武蔵国で最も力をもっていた豪族・河越重頼です。

郷御前の母親は比企尼の次女で、頼朝の嫡男・頼家の乳母です。

比企尼は、源頼朝の乳母でしたね。

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、草笛光子さんが比企尼を演じています。

https://twitter.com/nhk_kamakura13/status/1470247110691983364
  • 武蔵国の最大有力者の娘
  • 頼朝と関係の深い比企の親戚

と義経が結婚したのは、兄の頼朝の計らいでした。

まだ、頼朝と義経の関係が悪くなかった時に、頼朝が弟を重んじて有力者と結婚させたのです。

結婚した時に義経は京にいたので、郷御前は「京姫」も呼ばれていました。

『吾妻鏡』では元暦元(1184)年9月14日に、義経の結婚の記録が残っています。

屋島の戦いの半年前ですから、平家追討の少し前に結婚したですね。

その後、義経と頼朝の断りなく検非違使に任官され、兄弟仲が悪くなると、状況が一転します。

  • 頼朝が、弟・義経を討伐する
  • 義経の舅である河越重頼は、領地を没収された
  • 舅の河越重頼と義兄の河越重房は、罪人として死罪になった

という悲劇の結末となります。

河越重頼と重房は、義経と郷御前の結婚が決まったときから、ずっと義経と行動を共にしていました。

義経は、頼朝に謀反を企てたということで、河越父子も罪人とされたのです。

巻き添えになったような形で、気の毒としか言いようがありません。

義経は、郷御前と子供と共に、奥州・平泉へ落ち延びます。

数年は平泉で暮らしていましたが、庇護者の藤原秀衡が亡くなると、状況が暗転。

頼朝が何度も督促をしたため、藤原泰衡が義経を襲撃します。

最終的に、義経は郷御前と娘を殺害した後、自害したのでした。

結婚が決まったときは、「頼朝の覚えも良くめでたい」と一族で喜んだでしょう。

しかし1年もしないうちに、河越一族は「頼朝の敵」という立場になってしまったのです。

気の毒ですね。

郷御前は、1168年生まれで1189年に亡くなりました。

享年21歳ですから、とても若くして亡くなったのですね。

【妾】静御前

義経の妻として最もよく知られているのは、白拍子の静御前でしょう。

白拍子とは、今様や朗詠を歌いながら舞う人を言います。

義経と静御前が、いつどこで出会ったのか、なれそめははっきりと分かっていません

しかし、都落ちする途中で義経と別れた静御前は、吉野山でつかまり、北条義時に引き渡されます

静御前は、母親の磯禅師とともに、そのまま鎌倉へ送られたのでした。

そのため、北条家の正史書『吾妻鏡』には、鎌倉での静御前の記録が細かく残っているのです。

静御前は、義経の居場所を知っていると疑われ、何度も取り調べを受けています。

そして静御前が妊娠していることが発覚したため、出産するまでは鎌倉に留め置かれました。

何と言っても義経の子ですから、男児だった場合には頼朝を脅かす存在となりかねません。

果たして生まれたのは、男の子でした。

静御前は、生まれたばかりの赤ん坊を抱きしめて、何時間も号泣したそうです。

しかし、赤ん坊を殺すよう命じられた安達清常が、由比ガ浜で殺害しています。

北条政子が頼朝に、赤ん坊の助命歎願していましたが、叶いませんでした。

政子と大姫は静御前を憐れんで、京に戻る時には多くの贈り物をしたそうです。

【妾】蕨姫(平時忠の娘)

源義経の3人目の妻は、蕨姫です。

蕨姫は、平家一門である平時忠の娘で、本名は分かっていません。

源氏である義経が、敵であるはずの平家の娘を妻としたのは、ちょっと不思議ですよね。

「平家物語」によると、「機密文書を取り返すため、平時忠が娘を義経に差し出した」というのがなれそめです。

平時忠には2人娘がいました。

  • 18歳の娘(現在の妻との子)
  • 23歳の娘(先妻との子)

平時忠は、若い方の娘をやるのは惜しいとして、婚期を逃した23歳の蕨姫を義経に差し出したと言われています。

蕨姫は、「文書を返してください」と義経に懇願し、取り戻しています。

時忠は、文書をすぐに燃やして証拠隠滅したそうです。

親の政治的な問題のために、蕨姫は義経と結婚することになったわけですね。

時期的には、1185年の春頃のようです。

平時忠は、平家滅亡後は義経に捕らえられて、京にいったん戻っています。

1185520日には配流が決定しましたが、「義経の舅だから」という理由で、ずっと京に留まります。

そのため頼朝の怒りを買うという記録が、『吾妻鏡』に残っているのです。

義経が平泉へ落ち延びた後の蕨姫がどうなったか、定かではありません。

しかし、平時忠や妻が京にいたという記録があるため、おそらく蕨姫も京で暮らしただろうと言われています。

義経の妻は他にもいた?

義経の妻として名前が分かっている女性は、前述の3人です。

しかし、義経の子供から考えると、他にも妻がいた可能性があります。

  • 源有綱の妻が、義経と血のつながった子供だったら?
  • 中村朝定が、義経の嫡男だったら?

と考えると、さらにあと2人いるかもしれまません。

「源有綱の妻は、佐藤兄弟の姉妹と、義経の子どもでは?」という説があるのです。

佐藤継信・忠信兄弟は、義経の忠臣として知られています。

兄の継信は、屋島の戦いの時に、義経の矢面になって戦死します。

弟の忠信は、壇ノ浦でも義経と共に戦いました。

頼朝が義経を殺そうと刺客を送った時も、義経を守って戦っています。

佐藤兄弟が非常に義経に忠実で、義経もまた兄弟を重んじていたことから、

「佐藤家の娘と結婚していたからではないか?」という説があるのです。

また、中村朝定が義経の息子だとすると、妻が誰かは不明です。

義経は、平泉に長くいましたし、藤原秀衡から大切に庇護されていました。

なので、平泉時代に妻がいたのかもしれませんね。

義経の子供や子孫については、別の記事にまとめましたので、ご参照ください。

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大河ドラマ『鎌倉殿の13人』には里と静御前が登場!

2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、菅田将暉さんが義経を演じています。

ドラマには、正室の郷御前と静御前が登場しますね。

ちなみに、ドラマでは「里」という表記になっています。

義経の妻の登場回
  • 17話(5/1放送)で静御前が登場
  • 19(5/15放送)で、里御前と静御前が登場

もしかすると、20話にも登場するかもしれません。

20話は、義経が平泉で死ぬ回です。

大河ドラマの里と静御前は仲が悪い?

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の19話では、御前が嫉妬して、静御前と義経を男たちに襲わせるシーンがあります。

北条政子が、頼朝の愛妾・亀の家を襲わせたエピソードと重なりますね。

一方、歌舞伎の『義経千本桜』では、義経が里や家人たちと、静御前の舞を楽しむ場面があります。

当時は、武将が複数の妻をもつことは一般的なことでした。

特に京では、当たり前の習わしだったので、とくに静御前は気にしなかったのではないかと思います。

里と静御前のキャストは誰?

さて、『鎌倉殿の13人』で、郷御前と静御前を演じるのは、誰なのでしょうか?

2022年3月1日に発表されました!

里を演じるのは、三浦透子さん!

https://twitter.com/nhk_kamakura13/status/1498541802265141249

国内外で賞を獲った映画『ドライブ・マイ・カー』で、ドライバーの渡利みさきを、

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』では、ヒロインの親友役・野田一子を演じています。

今、とても勢いのある女優さんですね!

注目の静御前は、石橋静河さんが演じます!

https://twitter.com/nhk_kamakura13/status/1498526702288441344

漢字は少し違いますが、静御前と同じ名前ですね!

石橋静河さんは、父親が石橋凌さん、母親が原田美枝子さんという俳優一家。

4歳からクラッシックバレエを習い、15歳でバレエで海外留学しています。

現在は女優だけでなくコンテンポラリーダンサーとしても活躍。

静御前が白拍子ということで、ダンスができる石橋さんが選ばれたようです。

やはり姿勢や体幹などの見た目が美しそうですよね。


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源義経の妻まとめ

まとめ
  • 源義経の妻は、少なくとも3人いた(郷御前、静御前、蕨姫)
  • 義経は、平泉で郷御前と娘を殺し、自身も自害した
  • 静御前は、義経の息子を産んだが、すぐ殺された
  • 機密文書を取り返すため、平時忠が娘を義経に差し出した
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