映画『シン・ウルトラマン』では、プランクブレーンという聞き慣れないワードが出てきます。
庵野秀明さんが脚本を書いてるので、いろいろと難しくて分かりにくいですよね。
「プランクブレーンとは何?意味不明すぎる…」と思った人も多いでしょう。
また、ウルトラマンやエヴァンゲリオンのファンには、「マイナス宇宙と同じ?」と思った人もいそうです。
この記事では、
- プランクブレーンとは何?
- 映画のどの場面でプランクブレーンが出てきた?
- マイナス宇宙との違いは?
について、図解しながら分かりやすく解説と考察をまとめました。
『シン・ウルトラマン』のプランクブレーンとは?
プランクブレーンとは?
プランクブレーンと聞いた時、はじめは英語で「plank brane(板状の膜)」ということかな?と思いました。
『シン・ウルトラマン』独特の用語かと思ったんですが、れっきとした物理学用語だそうです。
親切な読者の方が「Planck brane」とご指摘の連絡をくださいました。
プランクブレーンは、ドイツの物理学者・マックス・プランクの名前にちなんでいるようです。
1918年にノーベル物理学賞を受賞し、「量子論の父」と呼ばれている人です。
Planck braneだと直訳すれば「プランク膜」という感じですかね。
【図解】ブレーン宇宙理論を分かりやすく解説!
さて、読者の方から教えていただいた「プランクブレーン」の論文を読んでいるところですが、とにかく専門用語が多すぎて難解です。
「ブレーン」という言葉からして、物理学のブレーンワールド(膜宇宙)、ブレーン宇宙論に関連していると考えられます。
プランクブレーンの関連書籍を読んで、記事を修正しようと思います。
それまでは、リサ・ランドールの理論をもとにまとめたブログ主の個人的な考察を提示しておきます。
映画では、平行宇宙や別次元がどうのこうのと言ってましたよね。
まず、次元について簡単におさらいです。
点は、一次元。
点と点を結んだ線は、二次元。
縦、横、高さがある立体は、三次元。
三次元に時間を加えた次元が、四次元ですね。
私たちが生きているリアル世界は、三次元です。
しかし「超ひも理論」によると、宇宙には11次元あると言われています。
想像もつかないですよね。
10年くらい前に見たNHKの番組が分かりやすかったのですが、高次元はミクロの世界にあると説明されていました。
今からご紹介するのは、リサ・ランドールというハーバード大学の物理学教授の仮説です。
リサ・ランドールは、「無くなるはずのない素粒子が、たまに無くなるのはなぜ?」という疑問から5次元世界の仮説を考え出しました。
「素粒子は、3次元から5次元に飛び出してる。だから姿を消すことがある」という仮説を立てたんですね。
リサは、3次元の外側に5次元があると考えたのです。
(スマホは指で広げると、図が拡大します)
上の図だと、黄色い部分が5次元です。
そして、わたしたちが生きている3次元は、5次元にうかぶ膜(ブレーン)だと考えたんですね。
図では分かりやすく3次元であると表現するために、青い立方体にしています。
リサの仮説では、3次元は膜という設定なので、5次元に薄い布みたいなのが浮いてると想像してみてください。
さらには、3次元はいくつも並行して存在しているというのです。
わたしたち人間などは、3次元の膜に張り付いている存在なので、5次元や別の3次元世界に行くことは出来ません。
しかし、重力エネルギーは別次元を行き来することができるのです。
アインシュタインの理論でも、重力は次元に関係なく存在できるとされています。
また、リサの仮説だと、「なぜ、重力はこんなに小さいのか?」という謎も解明できるのです。
小学1年生の理科の実験で、磁石でクリップなどを持ち上げたりしましたよね?
クリップが浮き上がって磁石にくっつくということは、地球の重力は、磁石の力より弱いわけです。
その弱さたるや、電磁気力にくらべて43桁も弱いわけです。
この重力の弱さは、長年物理学の謎とされてきました。
けれど、「重力エネルギーが、5次元に漏れ出している」と考えると説明がつくわけですね。
ここでのポイントは、
3次元は、5次元に浮いている膜である
3次元は、いくつも並行して存在する
私たち人間などは、3次元の膜に張り付いてるため、別次元へ移動できない
重力エネルギーや素粒子は、5次元に移動できる
人間や物は素粒子の集合体なので無理ですが、素粒子単体だと別次元に移動することもある、というのがリサの仮説なんですね。
そのため、2つの粒子を勢いよくぶつけると、砕け散った素粒子が5次元に移動するのではないか?という実験もされています。
「じゃあ、映画のプランクブレーンは具体的にどういうこと?」と思いますよね。
次章で、解説します。
なお、リサ・ランドールの5次元理論は『ワープする宇宙 5次元時空の謎を解く』で詳しく解説されています。
\3次元は膜だって/
『シン・ウルトラマン』のプランクブレーンの場面を解説
\怪獣コンピューターチェック/
— 円谷プロダクション (@tsuburayaprod) November 2, 2019
名前:ゼットン
種別:宇宙恐竜
身長:60メートル
重さ:3万トン
能力:口から火の玉を発射
『 ウルトラ怪獣大百科 』 第059話(配信#044)「ゼットン」-公式配信-
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#かいじゅうのすみか pic.twitter.com/3QUoKTvLqu
メフィラス星人がベーターボックスを隠した
『シン・ウルトラマン』で、最初に「プランクブレーン」というワードが出たのは、メフィラス星人の場面です。
メフィラス星人が、「ベーターボックスを供与する代わりに、人類の上位存在として認めてほしい」と言って、日本政府と密約を結びました。
メフィラス星人は、浅見弘子を巨大化させて、ベーターボックスのすごさを人類に見せつけます。
神永新二や禍特対は、人類がベーターボックスを手に入れると、ろくなことにならないと考えて、阻止しようとしましたね。
神永新二は「ベーターボックスは、別次元のプランクブレーンに隠蔽されてるはず」と言ってました。
前掲の図で考えると、メフィラス星人は、別次元の「膜」にベーターボックスを隠しているということですね。
リサの仮説だと「でも、素粒子か重力しか移動できないんでしょ?」と思いますよね。
そこはエンターテインメント映画なので、大目にみましょう。
要は、メフィラス星人は「地球のある3次元世界とは、違う次元世界にベーターボックスを隠した」ということですね。
リサの仮説の図でも見たように、並行世界はたくさんあります。
なので、ベーターボックスの場所を特定するために、ウルトラマンは浅見弘子の匂いを嗅いでいました。
ウルトラマンが警察犬みたいに匂いをたどって、どのプランクブレーンにあるか探したんですね。
ゼットンを移動させて地球を守った
映画のラストで、ゾーフィが地球を滅ぼすために、天体制圧用最終兵器ゼットンを起動しました。
滝は、「平行宇宙の移動原理を利用すれば、ゼットンの放射する熱エネルギーをプランクブレーンに移動できるかもしれない」と言っていました。
これは、リサ・ランドールのブレーン宇宙論で理解できますよね。
ベーターカプセルを2度点火すると、6次元を通じてプランクブレーンとつながると言ってました。
ここで6次元と言ったのは、「5次元」にすると「理屈的におかしい」と言われるのを避けたからかな?と思いました。
最終的に、ウルトラマンは5段階の工程でゼットンを別の次元世界にすっ飛ばしました。
禍特対がゼットンを倒した方法は、別の記事に詳しくまとめていますので、ご参照ください
【シン・ウルトラマン】プランクブレーンとはマイナス宇宙のこと?
さて、「ウルトラマン」シリーズや「エヴァンゲリオン」ファンだと、「プランクブレーンって、つまりマイナス宇宙のこと?」と思いますよね。
「ウルトラマン」や「シン・エヴァンゲリオン」には、マイナス宇宙という概念があります。
ウルトラマンが大好きな庵野秀明さんが、『シン・エヴァンゲリオン』でも使ったんですよね。
プランクブレーンとマイナス宇宙には、共通点もあれば違いもあります。
まず、「ウルトラマン」のマイナス宇宙は、
地球とは別次元に存在する
高速以下では進入できない
という特徴がありました。
『シン・エヴァンゲリオン』では、上記に加えて
- 人間の感覚機能では認知できない世界
- 仮想の世界(バーチャル空間)
という設定になっていました。
『シン・ウルトラマン』では、滝が「認知できない世界」と言ってました。
なので、『エヴァ』のマイナス宇宙っぽいですよね。
ただ、『シン・ウルトラマン』では、バーチャル世界ではなく、実存する別次元として描かれていました。
また、マイナス宇宙は、「膜(ブレーン)」というとらえ方をしていません。
さらに、プランクブレーンは複数あるところも、マイナス宇宙とは違うところですね。
マイナス宇宙については、別の記事にまとめていますので、ご参照ください。
【シンエヴァ】マイナス宇宙やゴルゴダオブジェクトとは?元ネタはウルトラマン!
【シン・ウルトラマン】解説・考察記事の一覧
シンウルトラマンを10倍楽しく見る方法は?
『シンウルトラマン』を10倍深く楽しむためには、
TVシリーズの『ウルトラマン』18話、33話、39話
を、映画の事前もしくは事後に視聴するのがオススメです!
できれは、事前視聴すると効果大です。
- 18話「宇宙から来た遊星」ザラブ星人が登場
33話「禁じられた言葉」メフィラス星人が登場
39話「さらばウルトラマン」ゾフィーとゼットンが登場
とくに39話は必見と言いたいくらい重要です。
『シンウルトラマン』のラストの元ネタとなっているんですね。
知っておくと『シンウルトラマン』を深く楽しめます!
2022年5月23日現在、動画配信しているのは、プライムビデオだけで、1話ずつの有料課金でないと視聴できません。
「ウルトラQをみたい」という怪獣ファンも多いでしょう。
しかし、プライムビデオでは『ウルトラQ』を配信していません。
U-NEXTやHuluでも配信していません。
『ウルトラマン』のシリーズを観るなら、TSUTAYA DISUCASが一番オススメです!
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※無料お試し期間終了後、通常料金(無料お試し終了後の料金)で自動更新となります。
※本ページの情報は2022年5月19日時点の情報となります。
最新の情報は TSUTAYA DISCAS/TSUTAYA TV 本体サイトにてご確認下さい。
【シン・ウルトラマン】プランクブレーンまとめ
プランクブレーン(planck brane)とは、物理学者マックス・プランクの名前にちなんだ物理学用語
リサ・ランドールの5次元の仮説を元に考えると、理解しやすいかも
映画のプランクブレーンは、メフィラス星人がデーターボックスを隠したり、ウルトラマンがゼットンを移動させた場所