アニメ映画『時をかける少女』では、千昭が真琴に「俺と付き合えば?」と告白するシーンがあります。
千昭は、いずれ未来に帰らなくてはならないと分かっていたはず。
なぜ、真琴に告白したのでしょう?
考察してみて「千昭の心情的な理由」と「ストーリー構成上の理由」の2つあると思いました。
また、恋バナに関しては
「なぜ友梨と付き合うことにしたの?」
「最後に、なぜ千昭は真琴とキスしなかった?」
というのも気になりますよね。
この記事では、
- 千昭が、真琴に告白した2つの理由
- 真琴が好きなのに、なぜ友梨と付き合うのか?
- 千昭が、ラストでは告白しなかった理由は?
- 千昭は、なぜキスを避けた?
について、考察をまとめました。
\原作は魔女おばさんが主人公/
【時をかける少女】千昭が告白した理由は?
千昭の心情的な理由は?
いずれ未来に帰らなくてはならない千昭は、なぜ真琴に告白したのでしょう?
千昭の心情的な理由としては、「男女交際を体験してみたかったから」ではないでしょうか。
元々、千昭が真琴の時代にタイムリープしたのは、「白梅ニ椿菊図」という絵を観るためでした。
しかし、千昭は次のように語っています。
帰らなきゃいけないのに、いつの間にか夏になった。
お前らといるのがあんまり楽しくてさ。
タイムリミットを過ぎても、真琴と功介といるのが楽しくて帰れずにいたんですね。
また、千昭のセリフから、千昭がやって来た未来は、荒廃した世界のようです。
- 川が流れていない(環境破壊?)
- 広い空を見たことがない(地下生活?)
- 人口が少ない
「白梅ニ椿菊図」が描かれた時代のように、「大戦争と飢饉の時代」から来たと考えられます。
生きるのに精いっぱいで、青春を謳歌するという状況ではなかったのでしょう。
それに引き換え、真琴の時代は平和で自然も豊かです。
生命の危機にさらされることもなく、平穏無事に高校生活を楽しみ、真琴に恋をします。
恋をしたら「もっと一緒にいたい。お付き合いしたい」と思うのは、自然な感情ですよね。
友情だけでなく、もっと踏み込んで恋愛してみたかったのではないでしょうか。
自転車で二人乗りというシチュエーションで、「未来に帰らなきゃいけないけど、真琴と付き合いたい」という気持ちが、ぽろっと出てしまったのかもしれません。
千昭がいつの時代から来たのかは、別の記事をご参照ください。
ストーリー構成上の理由は?
映画を見ていると、「千昭が真琴に告白する」というシーンは、絶対的に必要だったことが分かります。
なぜなら、「真琴が、人の気持ちをしっかり受け止められるようになる」というのは、
ストーリー上、とても大切な肝の部分だからです。
最低だよ私。
人が大事なこと話してるのに、それを無かったことにして。
どうしてちゃんと聞いてあげなかったのかな?
一度死んだ功介と果穂を救った後、千昭は消息不明になってしまいます。
その時、真琴は千昭の気持ちをきちんと受け止めなかったことを、後悔します。
屋上で号泣していましたね。
『時をかける少女』は、ボーイ・ミーツ・ガールの青春映画です。
そして、青春映画ならば、主人公は必ず何かしらの成長を遂げなければなりません。
真琴の成長のために、千昭が告白するシーンは必要不可欠だったのです。
【時をかける少女】千昭の告白の2つの謎
千昭は、真琴が好きでした。
となると、2つの疑問が出てきます。
「なぜ、友梨と付き合うことにした?」
「なぜ、最後に真琴に告白しなかった?」
ひとつずつ見ていきましょう。
なぜ友梨と付き合おうとした?
夏のスーパーアニメ祭り
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) July 17, 2018
第1弾が今週からスタートですぅ
『未来のミライ』公開記念 2週連続細田守監督SP
今週の第1夜は『時をかける少女』名作揃いの細田作品の中でもファンの間で「時かけが一番好き‼️」という声も根強い感動作 #時かけ #細田守 #卒業スタンリー #金ロー pic.twitter.com/YvnXXtaAz0
千昭は真琴が好きなのに、なぜ友梨と付き合うことにしたのでしょう?
まず、場面を振り返ってみます。
クラスメイトの高瀬が消火器を投げ、真琴がよけて友梨に当たった後、千昭は友梨と付き合い始めます。
キャッチボールしながら功介が「付き合うの?」と訊くと、千昭は「当然じゃん」と即答。
満面の笑みで、すっごく嬉しそうでしたよね。
真琴が「マジで?」と驚くと、千昭は「ダメ?」と返します。
「オレの趣味を理解してんだよ、友梨ちゃんは」と言ってました。
功介は、「真琴にふられたから、早川さんにしたんじゃないの?」と分析します。
千昭が、浮気症のようにされていて、ちょっとかわいそうでした。
性格からすると、千昭の真琴に対する思いは、そんなに軽くなかったはず。
千昭が、友梨と付き合ったのは、率直に言って制作上の都合だと思います。
なぜなら、千昭が友梨と付き合うことで、真琴の心が大きく揺らぎ、自分の本当の気持ちに気付いていくからです。
ターニングポイント的に、千昭と友梨が付き合うという展開が差し込まれたのだと思います。
千昭が帰り際に告白しなかった理由は?
映画のラストで、千昭が未来に帰る直前、真琴とふたりで川の土手にいるシーンがあります。
真琴は、千昭から告白されることを期待してましたね。
千昭が「帰らなきゃいけなかったのに、いつの間にか夏になった」と言うと、真琴は「そんな言い方してなかった」とすねます。
千昭が、「俺、何て言ったんだよ?教えろよ」と言っても、真琴は言いませんでした。
いよいよお別れという時、千昭が「実は言おうと思ってたことがあるんだけどさ」と切り出します。
告白する?と思ったら「飛び出して、怪我とかすんなよ」というセリフでした。
真琴は、「早く行って!」と怒ってましたね。
千昭は、真琴が好きでした。
想いを伝える最後のチャンスだったのに、なぜ告白しなかったのでしょう?
理由は、真琴を困らせたくなかったからではないでしょうか。
未来に帰れば、もう会えない可能性が高そうです。
そんな状態で告白しても、真琴は困るだろうという思いやりだったのでは。
お互い、切なくなるだけだと思ったからではないでしょうか。
ラストで、千昭が「未来で待ってる」と言った意味や、絵を観ずに帰った理由については、別の記事をご参照ください。
【時をかける少女】千昭はなぜ真琴にキスしなかった?
映画の最後で、千昭は未来に帰ります。
真琴が振り返ったら、千昭は姿を消していました。
真琴が号泣していたら、千昭が戻って来て背後から手を伸ばしました。
そして、真琴を抱き寄せて、耳元で「未来で待ってる」とささやきます。
キスシーン?と期待しましたが、あえてキスを避けたように見えましたよね。
なぜ、千昭は真琴にキスしなかったのでしょう?
理由は2つあると思いました。
千昭の心情としては、真琴が混乱したり困ったりしないように、やはり思いやったからだと思います。
キス逃げみたいにしたくなかったのではないでしょうか。
「なんだアレ?」と思われたくないですよね。
また、制作上の意図としては、「観る人を、キュンと切なくしたかったから」ではないでしょうか。
キスするラストなら、フツーの終わり方ですよね。
でも、「キスしたかったろうに、しなかった」というラストは、
「もう会えないだろう」という予感も相まって、切ない余韻がずっと残りそうです。
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※当記事の情報は、2022年7月1日現在です。
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【時をかける少女】千昭が告白した理由とキスを避けた理由まとめ
- 千昭が告白したのは、平和で楽しい過去の時代で、もっと恋をしたかったからと考えられる
- ストーリー構成上も、真琴の成長を描くために、千昭の告白は必要だった
- 千昭が、ラストで真琴にキスしなかったのは、混乱させないよう思いやったから
- キスしない結末の方が、切ない余韻が残るという制作上の意図もあったと思われる