映画『罪の声』のタイトル

『罪の声』は、昭和の「グリコ森永事件」の実話を元に創作されています。

映画では、生島望と生島総一郎の人生が大きく変わってしまいましたが、実際に事件に声を使われた子供たちはどうなのでしょうか。

この記事では

  • 犯行に実際に使われた本物の音声
  • グリコ森永事件の子供の声は特定されていた

についてまとめています。

【本物の音声】グリコ森永事件で使われた子供の声とは?

『罪の声』は、1984年から1985年にかけて起こった「グリコ森永事件」をモチーフにした小説・映画です。

作品のなかでは「ギン萬事件」と呼ばれています。

主人公の曽根俊也は、自分が6歳の時の声を録音したテープを発見します。

そして自分の声が、ギン萬事件の犯行に使われたことに気づくんですね。

映画の冒頭から、ぐいぐい物語に引き込まれていく、スピード感のある展開です。

実際に起きた昭和の「グリコ森永事件」でも、子供の声が犯行に使われています

下のYouTubeで聞くことができます。

警察が情報提供を求めて、公開したんですね。

まず最初に、女の子の声が入っています。

映画では、生島望が声を録音したパートですね。

「名神高速道路を85キロで吹田サービスエリアへ走れ。

京阪レストランの左側のたばこの自動販売機の上に手紙がある。

手紙のとおりにしろ」

犯人からの電話を取った担当者が、録音だと気づかず話しかける様子が生々しいですね。

次に、男の子の声が流れます。

映画だと、生島総一郎が録音したパートですね。

「レストランから1号線を南へ1500mいったところにある、

守口市市民会館の前の京阪本通2丁目の

陸橋の階段の下の空き缶の中」

映画の中では8歳の男の子とされていましたが、たどたどしいです。

最後に、市民からの情報提供を呼び掛けるアナウンスで終わっています。

星野源さん演じる曽根俊也のパートは、ありませんでいた。

3人目の子供の録音パートの文言は、下記です。

「京都へ向かって1号線を2キロ、バス停・城南宮のベンチの腰掛の裏」

令和になった今では、当時の3人の子供たちも40代以上になっており声も変わっているでしょう。

どういう事情で声を犯行に使われたのか不明ですが、女の子は当時10代だったようなので、記憶も残っているはず。

誰にも相談したり打ち明けたりできないでしょうから、思い出したくない過去になっているかもしれません。

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「グリコ森永事件」の子供の声は誰か、特定されていた!

映画『罪の声』では、曽根俊也が6歳の時に自分の声が「ギン萬事件」に使われたと気づきます。

そして、事件の真相を追いかけ、同じく声を犯行に使われた生島聡一郎と出会います。

生島聡一郎と望の姉弟の父親が、犯人グループのメンバーだったため、家族の人生は大きく狂ってしまいました。

リアルな「グリコ森永事件」はどうだったかと言うと、子供の声は実は特定されていたようです。

音響研究所所長の鈴木松美氏さんは、フジテレビの依頼を受けて声紋分析などをした方です。

分析した3人の子供の声は、

  1. 中学2~3年生くらいの少女の声(グリコ監査役宅への電話)
  2. 小学5~6年生くらいの男児らしき声(森永の関西本部への電話)
  3. 男児らしき声(ハウス食品への電話)
でした。
 
「男児らしき」というのは、声変わりしていない子供の声だと、女の子の可能性も捨てきれなかったようです。
 
バックノイズや訛りや声の質から
  • 六畳くらいのアパートやマンションの1階か2階で採録されている
  • 少女と森永へかかってきた男児は、姉と弟の可能性が高い
  • 森永とハウス食品の男の子は別人

ということが判明(参考文献:松木松美『音の犯罪捜査官―声紋鑑定の事件簿』)

この「姉弟」の可能性ありというところから、『罪の声』の生島望と聡一郎の姉弟が創作されたのではないかと推測します。

実際の子供の声のテープを公開したところ、週刊誌に「電話の少女を知っている」という情報提供があったそうです。

鈴木松美さんは、週刊誌の記者と、声の主を調査するために、京都へ向かいます。

そして、塾のアンケートを装って声を採取したところ、

  • 犯行に使われた少女の声と酷似
  • バックノイズ(公園のような場所での子供たちの歓声、道路の側溝の音など)も酷似
していたそうです。

にもかかわらず、京都の少女は本格的な捜査対象にはならなかったようです。

さらに母親は後に結婚した男に刺殺されてしまったとの話があり、少女もどうなったかわからない

引用元:https://bunshun.jp/articles/-/41067?page=3

また、鈴木松美さんは、フジテレビの「おはよう!ナイスデイ」という朝の情報番組で、犯人グループに次の3点を質問しています。

  • 子供を脅迫につかった理由
  • 子供の年齢
  • 犯人グループとのつながり

質問に対し、1985年1月16日の挑戦状で、犯人はこう回答しました。

森永の こどもの 声は 小がく2年の 男の子と 女の子や
丸大の子どもは 小学1年や 男の子やで
わしらの ナカマの かぞくと ちゃう
かぞく つこたら ばれるの きまっとるや ないか

引用元『音の犯罪捜査官』鈴木松美

警察が公開していたのは、グリコ、森永、ハウス食品の脅迫に使われた子供の声だったので、犯人の回答と一致していません
 
犯人が身内の子供を、犯行につかったかどうか不明ですが、「家族だとバレる」というのは説得力があるように思います。

実際の事件の子供たちがその後どうなったか分かりませんが、中学生だった女の子は記憶もしっかりと残っているでしょうし、現在どうしているか気になりますよね。

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【罪の声】解説・考察記事一覧

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【本物の音声】グリコ森永事件の子供の声のまとめ

『罪の声』は「グリコ森永事件」という実話がベースになっています。

小説や映画では、3人の子供のうち生島家の二人の人生が、大きく変わってしまう様子が描かれています。

この記事のまとめは

  • 実際の「グリコ森永事件」で声を使われた子供は特定されていた(その後の捜査なし)

  • 実際に犯行に使われた音声は、情報提供を求めて公開された

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