2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第16話は、上総広常が殺され、義時に嫡男が生まれるところで終わりました。
この記事では、『鎌倉殿の13人』の
- 第16回のネタバレあらすじ
- 見どころや「どこまで史実?」解説
- ドラマの感想
を、源平マニアのブログ主がまとめました。
ドラマを予習したい方、他の人の感想を知りたい方はぜひご覧ください
1話~最終話まで、以下のリンクで全放送回のネタバレあらすじを読めます。
【鎌倉殿の13人】来週のネタバレあらすじを最終回まで!考察や解説まとめも!
この記事は、主に公式ガイドブックを資料にまとめました。
\裏話が満載/
【鎌倉殿の13人】前回の振り返り・今回の要点
前回のプチ振り返り
前回の内容を簡単に振り返ってみましょう
三浦勢の謀反が失敗に終わる
頼朝と大江広元が、上総広常を陥れる
上総広常が、殺される
第16話の要点
今回の要点をまとめました。
- 隠居した北条時政が、政治に復帰
- 木曽義仲が討たれる
- 一ノ谷の合戦が始まる
くわしいあらすじは、次章をご覧ください。
【鎌倉殿の13人】第16回ネタバレあらすじ(4/24)
北条時政が政治に復帰
源頼朝は、北条義時の嫡男に「金剛」と名付けます。
「金剛とは仏法の守り神。源氏を支えるべく生まれた者にふさわしい名じゃ」
というのが理由でした。
そして、頼朝から気持ちが離れた御家人たちを結束させるため、北条時政を呼び戻します。
頼朝は「この先御家人たちを束ねられるのは、舅殿しかおらんのだ」と時政を説得。
時政は頼朝の頼みを引き受けます。
そして義時にだけこっそりと、いつ誰が敵になるか分からないと釘を刺します。
「北条が生き抜いていく手はただ一つ。源氏に取り入り、これまで以上に付き従う」と改めて思うのでした。
頼朝追討の院宣
1183年12月、後白河法皇が頼朝追討の院宣を出します。
頼朝は、後白河法皇の後ろに木曽義仲がいると考え、義仲を討つことにします。
翌年の1184年、源範頼を総大将とした本軍が、義経の軍と合流。
義経が、北条義時や梶原景時に戦略をひろうします。
そこへ武蔵坊弁慶が、「ともに平家を討とう」という義仲の文を届けに来ます。
義経は、義仲の使者を斬って宣戦布告。
さらに、義経の軍勢は少ないという噂を流して、義仲を油断させる作戦に出たのでした。
義仲は義経の策略にはまり、宇治川に進軍して義経軍の多さに驚きます。
そして「いったん北陸へ戻り、再起する」と京を出る決意をします。
義仲は、後白河法皇の御所に赴きますが、目通りは叶いませんでした。
「法皇様のご悲願成就、平家が滅び、三種の神器が無事戻られること、心よりお祈り奉る次第」
と大声で述べ、義仲は京を去ったのでした。
義仲、討たれる
義仲が去るとすぐ、義経軍は京に入り、戦乱で荒れた町に心を痛めるのでした。
義経は、土肥実平とともに後白河法皇に拝謁。
「九郎義経、これより義仲の首を落とし、その足で西へ向かって、平家を滅ぼしまする」
と法皇に誓うと、後白河法皇は上機嫌に。
義仲は近江に向かいますが、範頼の軍勢が待ち構えていました。
義仲は、愛妾・巴に長男の義高への文を託し、落ち延びさせます。
その後、義仲は額を射抜かれて絶命したのでした。
一ノ谷の合戦
前年7月に京を追われた平家は、福原に軍勢を集めて布陣していました。
四方を山と海に囲まれた攻めにくい地形を、義経は北の三草山から攻めいる戦略をたてます。
敵の軍勢を分散させ、裏をかいて予想外の場所から攻め込もうというのです。
しかし、どこから攻め入るかは「そのとき、その場でこの目で見て決める」と義経は言います。
また、敵に暇を与えないために、普通なら二日かかる行程を、一日で移動すると言うのです。
御家人たちがざわめき、北条義時が軍奉行の梶原景時に、どう思うか尋ねます。
景時は「時を急ぐのも、攻め込む場所はそのときに決めるのも、すべて理にかなっております」と答えるのでした。
義時と義経は、二人になるとさらに別の作戦を練ります。
「源氏との戦を避けるように、法皇様からお指図いただこう」と、偽りの和議を結ぼうと考えたのです。
和議の話で気が緩んだ平家に、そしらぬ顔で攻め入ろうというのが義経の策略でした。
後白河法皇は、面白がって義経の話を受けます。
義経軍は、福原へと進み、断崖絶壁の鵯越(ひよどりごえ)に出ます。
義経はさらに険しい鉢伏山の崖から、一ノ谷まで駆け降りるという戦略を打ち出します。
義経が少ない手勢をつれて鉢伏山へと向かうと、畠山重忠も勇気をふりしぼってついて行くのでした。
一方、平家では平宗盛が一ノ谷に本陣を敷き、安徳天皇を守っていました。
すると突然、雄たけびや馬蹄が響き渡り、背後から義経らが現れたのでした。
こうして、1184年2月7日、一ノ谷の合戦のひぶたが切って落とされました。
獅子奮迅の戦いをする義経を見て、梶原景時は「八幡大菩薩の化身じゃ」とつぶやくのでした。
【鎌倉殿の13人】第16話の見どころ解説
第16話のみどころ
- 源義経の軍神ぶり
- 後白河法皇の調子の良さ
ではないでしょうか。
義経の天才的な戦いっぷりが、今回の大きな見どころでしょう。
ブログ主は、中学生からの義経ファンなので、一ノ谷から壇ノ浦までの物語が一番楽しみ。
やっぱり鵯越(ひよどりごえ)の逆さ落としは、ドラマチックな必見シーンですよね。
鵯越は「馬も人も通わない」といわれた崖です。
しかし鹿はたまに通るという話を聞いて、義経が「鹿が通るんだから、馬も通れる」と言って強行突破。
義経は奇策とも言える、誰にも発想できない戦略をよく立てます。
石橋山の戦いで、軍略は家臣に任せきりで「えー、二十五里も歩くの?」とぼやいていた頼朝との差は歴然です。
ドラマなので、ことさら格差をつける演出がされていると思います。
平家追討後は、義経が法皇の謀略にはまったこともあり、義経と頼朝は仲が悪くなっていきます。
しかし、「源氏の棟梁」で武士でもある頼朝は、天才武将の義経を妬む気持ちがあっただろうなあとも思うのです。
弟でやはり源氏の嫡男である義経が、棟梁の頼朝より目立つのは、おもしろくなかったでしょう。
また、頼朝がらみで登場することの多い後白河法皇は、だいぶ機嫌が良くなります。
西田敏行さん演じる法皇の上機嫌ぶりも、視聴者の笑いを誘いそうですね!
どこまでが史実?
第16回で気になったのは、「義経が、後白河法皇に和議の話を頼んだ」というところです。
九条兼実の日記『玉葉(ぎょくよう)』によると、確かに後白河法皇が
- 平家討伐を望んでいた
- 平家に和議の使者を送ろうとしていた
という記述があるようなのです。
和議について平家は法皇に手紙を出して宗盛は、
「戦いの前日に停戦を命じる手紙が届き、それを信じていたら源氏方に急に襲われてしまいました、これは一体どうしたことでしょうか?」と法皇を非難しています。
引用:歴史博物館ネットミュージアム ひょうご歴史ステーション
https://www.hyogo-c.ed.jp/~rekihaku-bo/historystation/rekihaku-meet/seminar/etoki/truth.html
平家方からしたら、確かに「何で?」と聞いて文句を言いたいですよね。
後白河法皇が平家に和議を持ちかけたのは、史実です。
ただ、ドラマでは「義経が法皇に頼んだ」ということになっています。
以前から述べていますが、三谷幸喜さんの脚本では、源義経はかなりダークに描かれています。
おそらく「義経は、ヒーロー化されすぎ。もっと人間臭いところがあったはず」という考えが、三谷幸喜さんにあるのではないでしょうか。
そのため、史実を脚色した形でドラマ化されているのだと思いました。
義経ファンとしては、『鎌倉殿の13人』で初めて義経を知る人が、「義経って卑怯な奴」と思ったら嫌だなあという気持ちです。
鵯越の逆落としをしたのは多田行綱?(4/27追記)
4/27のNHK『歴史探訪』で、「鵯越の逆落としをしたのは多田行綱」という説を放送していました。
源範頼と義経で一ノ谷の平家を挟み込み、平家の退路を塞いだところに、
多田行綱(ゆきつな)が鵯越の逆落としで平家を蹴散らした、という説ですね。
多田行綱は、摂津の多田源氏の嫡流です。
源行綱とも呼びます。
後白河法皇の北面武士でした。
最初は木曽義仲と呼応する形で挙兵したのですが、義仲と後白河法皇の仲が悪くなると、法皇側についています。
『玉葉』には、行綱が一ノ谷の戦いで活躍したことが記されています。
しかし、『吾妻鏡』には行綱の活躍について書かれていません。
頼朝が後に行綱を追放し、所領を取り上げているので、『吾妻鏡』の記録にも残さなかったようです。
どうも、一ノ谷の戦いの前に摂津国惣追捕使に任命されているので、
「勝手に任官した」と頼朝が起こったのではないでしょうか。
『鎌倉殿の13人』で、多田行綱が登場したかどうか、確認しようと思ったのですが、録画を消してしまったんですよね。
けれど、大河ドラマの鵯越の場面では、義経と義時、梶原景時、畠山重忠の会話が中心だったと記憶します。
多田行綱のキャストなども調べても見つからないので、ドラマには登場していなかったのではないでしょうか。
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【鎌倉殿の13人】16話ネタバレあらすじと感想まとめ
- 隠居した北条時政が、政治に復帰
- 木曽義仲が討たれる
- 一ノ谷の合戦で、義経が軍神ぶりを発揮
- 義経の天才ぶりと、後白河法皇の上機嫌ぶりが見どころ
- 後白河法皇が平家に和議を持ちかけたのは史実だが、ドラマでは義経の発案であると演出されている