映画『シンウルトラマン』では、ラストでゾーフィという名前のウルトラマンが登場します。
TVのウルトラマンシリーズを知っている人だと「ゾーフィって、ゾフィーとは違うの?」と思いますよね。
はい、ゾフィーとゾーフィは別人です。
この記事では、
- ゾフィーとゾーフィの違いは?(一覧あり)
- ゾーフィの正体は何者?
- なぜゾフィーではなくゾーフィが登場する?
- ゾーフィのモデルは、巨神兵
について、分かりやすく解説と考察をまとめています。
【シンウルトラマン】ゾフィーとゾーフィの違いは?正体は何者?
ゾフィーとゾーフィの違い一覧
TVのウルトラマンに登場するゾフィーと、映画『シンウルトラマン』のゾーフィの違いは何でしょうか?
まず、ざっくりと一覧でまとめてみました。
項目 | ゾフィー | ゾーフィ |
体 | シルバーに赤のライン | ゴールドに黒のライン |
カラータイマー | 有 | 無 |
外見 | 胸にスターマークの突起 肩にウルトラブレスターの突起 | 突起は無い |
職業 | 宇宙警備隊 | 地球の人類の 監視者・裁定者 |
母星 | M78星雲(光の国) | 光の星 |
ウルトラマン との関係 | 兄 | 後任者 |
ゼットン との関係 | 人間がゼットンを倒すのを見守った | 人類を粛清するために ゼットンを最終兵器として使用 |
人類との関係 | 見守り手を出さない(39話) | 滅ぼそうと試みる |
ゾフィーとゾーフィの違いは色々ありますが、
簡単に言えば
- ゾフィーはウルトラマンの兄で、ゾーフィはウルトラマンの後任者
- ゾフィーは地球を見守ったが、ゾーフィは滅ぼそうとした
というのが、重要な違いです。
ちなみに、ゾフィーとウルトラマンの兄弟関係は、義兄弟という設定です。
いわゆる「ウルトラ兄弟」は8人兄弟なのですが、ゾフィーが長兄で、ウルトラマンが次男という位置づけです。
『シンウルトラマン』のゾーフィは、ウルトラマンとは初対面で、兄弟ではありません。
見た目が違うのは、ゾフィーの初代バージョンをアレンジしてるからですね。
名前は似てますが、キャラ設定も全然違うので、見た目を変えた方が分かりやすいというのもあると思います。
一覧だけでは分かりくいところもありますので、ゾフィーとゾーフィについて、それぞれ詳しく解説します。
ゾフィーはウルトラマンの兄
TVシリーズのウルトラマンでは、ゾフィーはウルトラマンの兄です。
ゾフィーが長兄で、ウルトラマンが次男なんですね。
ウルトラマンはゼットンに負けるのですが、人間が自分たちの兵器でゼットンを倒したのです。
ゾフィーは「地球の平和は人間の手でつかむことに価値がある」と言って、弟のウルトラマンに母星に帰るよう言います。
しかしウルトラマンはハヤタ隊員と融合しているため、M78星雲に帰るとハヤタが死ぬと言って断ったのです。
みかねたゾフィーは「命を2つ持ってきた」と言って、ひとつハヤタに与えます。
そして、ウルトラマンとハヤタを分離。
ハヤタは人間として地球に残り、ウルトラマンは光の国へ帰ったのでした。
TVシリーズのゾフィーは、ウルトラマンを母星に連れ戻しに来る役目だったんですね。
ゾーフィの正体はウルトラマンの後任で裁定者
一方、『シンウルトラマン』のゾーフィは、ウルトラマンの兄ではありません。
劇中で、お互いに自己紹介しあっているところからして、初対面同士だったことが分かります。
神永新二は「君が新たな光の星の使者か?」と言っていました。
ゾーフィは
「光の星の掟を破った君に代わり、この星の人類と呼ばれる原住生物の監視者となった。同時に私は裁定者でもある」
と言っていましたね。
ウルトラマンの代わりなので、後任者ということですね。
「監視者のリピアが、掟破って人間と融合しちゃったから、ゾーフィが行ってきて」
ということです。
また、ゾーフィは
「この星の人類は、我らと同じ進化にいたる可能性が高い。故に現時点で廃棄処分と決定した」
とも言っていました。
光の星が、人類を滅ぼすことを決めたわけです。
「リピアのせいで、全宇宙に人類は兵器になると知れ渡ったから、先手を打って地球は滅ぼした方がいい」と裁定を下したんですね。
で、最終兵器ゼットンを起動して、地球を爆破させ、人類をせん滅しようとしたのでした。
ゾフィーは、「もう地球は人類だけでやっていけるから、帰ろう」と弟ウルトラマンを迎えに来ました。
しかし、ゾーフィは「もう地球は滅ぼした方が、宇宙の平和のためだ」と地球ごと爆破しようとしたんですね。
また、ウルトラマンを逮捕連行して、罪を償わせるために、地球にやって来たのでした。
この点が、ゾーフィとゾーフィの大きな違いですね。
ゾフィーとゾーフィの違い・共通点は39話でよく分かる
\怪獣コンピューターチェック
— 円谷プロダクション (@tsuburayaprod) November 2, 2019
名前:ゼットン
種別:宇宙恐竜
身長:60メートル
重さ:3万トン
能力:口から火の玉を発射
『 ウルトラ怪獣大百科 』 第059話(配信#044)「ゼットン」-公式配信-
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#かいじゅうのすみか pic.twitter.com/3QUoKTvLqu
『シンウルトラマン』のラストは、初代の『ウルトラマン』シリーズの39話「さらばウルトラマン」を元ネタにしています。
なので、39話を観るとゾフィーとゾーフィの違いや共通点がよく分かります。
違いは前述したので、共通点について解説しますね。
39話では、ゼットンが地球にやって来て、ウルトラマンが戦いますが、負けてしまいます。
科学特捜隊は、自分たちで開発した兵器をゼットンに打ち込んで、勝つのです。
『シンウルトラマン』でも、ウルトラマンはゼットンに勝てませんでした。
浅見弘子が「ゼットンに勝てないと、最初から分かってたんでしょ」と言っていましたね。
ウルトラマンが「最初から勝てない」と分かっていたのは、39話がベースにあるからです。
また、映画でもウルトラマンは、融合した神永の命を助けようとします。
ゾーフィは、母星に帰って罪を償うよう説得しますが、リピアは受け入れません。
「自分は死んでもいいから」と神永を助けようとします。
この自己犠牲の態度も、TVシリーズと同じです。
そこでゾーフィは「そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン」と言うのです。
このセリフは映画のキャッチコピーになってます。
それくらい映画では重要なセリフなんですね。
TVシリーズでも、やはりゾフィーが「そんなに地球人が好きになったのか」とほぼ同じセリフを言っているのです。
TVシリーズだと、ゾフィーは「命を2つ持ってきた」と言ってハヤタ隊員に与えて分離しました。
そのため、ウルトラマンもハヤタ隊員も助かっています。
しかし、映画ではゾーフィは命を2つ持ってきていませんでした。
なので、分離された神永が人間として生き残り、ウルトラマンは死んでしまいます。
TVシリーズと映画『シンウルトラマン』では、共通点と違いが混在しているんですね。
元ネタを知ってると、庵野秀明さんの意図などが理解できて、映画のラストを深く味わえます。
【シンウルトラマン考察】なぜゾフィーではなくゾーフィが登場する?
『シンウルトラマン』では、なぜゾフィーではなくゾーフィが登場するのでしょうか?
別人という設定なのに、名前が似てて紛らわしいですよね。
理由を3つ考察しました。
【理由1】マニアックな夢を実現したかったから?
なぜ、わざわざ「ゾーフィ」という名前にしたのでしょう?
実は、「ゾーフィ」には元ネタがあったのです。
ゾフィーは、60年代はほとんど登場しなかったため、認知度が低かったんですよね。
そのため、ゼットン星人と混同されて、児童雑誌に「謎の宇宙人ゾーフィ」と紹介されたりしたのです。
ウルトラマン好きの庵野秀明さんは、「謎の宇宙人ゾーフィ」というワードを知っていたはず。
映画で使ってみたくなったのではないでしょうか。
コアなファンしか知らない裏話を、映画で公式キャラクターにしたんですね。
【理由2】新しさ・面白さを追求したから?
庵野秀明さんは、『シンウルトラマン』では、総監修、脚本、企画、編集、コンセプトデザインなど一人十役をこなしています。
映画の隅々まで、庵野さんの知識とウルトラマン愛が行き渡ってるんですね。
庵野さんは、常に作品に新しさと面白さを追求する人です。
『シン・エヴァンゲリオン』でもそうでしたが、『シンウルトラマン』でも、斬新な画の構図がたくさん使われています。
「ゾーフィ」も、かなり斬新なキャラクターです。
何せ、リピアと同じ「光の星」から来たウルトラマンなのに、地球を滅ぼそうとするのです。
「ゾーフィもウルトラマンなんだから、正義の味方じゃないの?」と思いますよね。
ある意味、『ウルトラマン』の概念をひっくり返しているのです。
新しさや面白さを出すために、庵野監督はゾーフィというユニークなキャラクターを生み出したのだと思いました。
【理由3】ゾフィーだとブーイングになりそうだから?
『シンウルトラマン』では、ウルトラマンが人間と融合したために、「人類は兵器になりえる」と全宇宙に知られてしまいます。
そのため、先手をうって地球を滅ぼそうという話になりました。
もしウルトラマンの兄のゾフィーが、地球を滅ぼそうとすると、ゾフィーファンからブーイングになりそう。
また60年代からずっと積み上げてきたゾフィーのイメージが、壊れてしまいます。
けれど、別人「ゾーフィ」なら問題にはなりませんよね。
そういう配慮もあったのかなと思いました。
ゾーフィのモデルは『ナウシカ』の巨神兵
ゾーフィのモデルは巨神兵
『シンウルトラマン』のラストで、ゾーフィが登場する場面を見て、
「庵野さんは、『ナウシカ』の巨神兵をゾーフィのモデルにしたんだな」
と思いました。
庵野さんが、学生時代に『風の谷のナウシカ』の巨神兵の絵を担当したのは有名な話ですよね。
『ナウシカ』の原作漫画では、終盤で巨神兵オーマが登場します。
巨神兵のセリフに「ぼくはオーマ。調停者にして戦士、そして裁定者」という言葉があるのです。
原作漫画の巨神兵は、人間を裁く役割を持ってるんですよね。
私は『ナウシカ』が大好きなのですが、『シンウルトラマン』で「裁定者」という言葉が出てきたので、ちょっと嬉しかったです。
『ナウシカ』は映画よりも、原作漫画の方がはるかに面白いです。
原作漫画は7巻あるのですが、映画は2巻の途中までのストーリーなのです。
そこから先がすごーーく面白いので、映画のナウシカが好きな方は、ぜひ原作漫画も読んでみてくださいね!
\映画より面白い/
ゾーフィと『エヴァ』の人類補完計画を比較
ちなみに、ラストのゾーフィのシーンでは、『エヴァンゲリオン』の人類補完計画を連想しました。
『エヴァンゲリオン』では、人類の魂をエヴァンゲリオン初号機に集めて、一個体にしようとします。
そのために、インパクトを起こして人類を死滅させようとするのです。
ちなみに、エヴァの人類補完計画も原作漫画『ナウシカ』の哲学がベースになっています。
ゾーフィは「面倒が起こる前に、人類を滅ぼそう」としますよね。
「庵野さんは、何かと人類を滅ぼそうとするんだなあ」と思いました。
確かにドラマティックではあるのですが。
庵野さんの作品は、『ナウシカ』と『エヴァ』と『ウルトラマン』が相互に影響しているのも、おもしろさの一つだと思います。
エヴァの人類補完計画や、どこを『ナウシカ』ベースにしてるのかは、別の記事にまとめているので、ご参照ください。
【エヴァ解説】人類補完計画とは?ゼーレとゲンドウや目的が違う!
【シン・ウルトラマン】解説・考察記事の一覧
シンウルトラマンを10倍楽しく見る方法は?
『シンウルトラマン』を10倍深く楽しむためには、
TVシリーズの『ウルトラマン』18話、33話、39話
を、映画の事前もしくは事後に視聴するのがオススメです!
できれは、事前視聴すると効果大です。
- 18話「宇宙から来た遊星」ザラブ星人が登場
33話「禁じられた言葉」メフィラス星人が登場
39話「さらばウルトラマン」ゾフィーとゼットンが登場
とくに39話は必見と言いたいくらい重要です。
『シンウルトラマン』のラストの元ネタとなっているんですね。
知っておくと『シンウルトラマン』を深く楽しめます!
2022年5月23日現在、動画配信しているのは、プライムビデオだけで、1話ずつの有料課金でないと視聴できません。
「ウルトラQをみたい」という怪獣ファンも多いでしょう。
しかし、プライムビデオでは『ウルトラQ』を配信していません。
U-NEXTやHuluでも配信していません。
『ウルトラマン』のシリーズを観るなら、TSUTAYA DISUCASが一番オススメです!
TSUTAYA DISCASの「定額8プラン」だと、初回30日間無料期間があります!
- TSUTAYA DISCAS(DVDレンタル・無料期間あり)
『ウルトラマン』の作品群がDVDレンタルで観られます。
ウルトラマンをまとめて観るなら、TSUTAYA DISCASがオススメです。
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※本ページの情報は2022年5月19日時点の情報となります。
最新の情報は TSUTAYA DISCAS/TSUTAYA TV 本体サイトにてご確認下さい。
【シンウルトラマン】ゾフィーとゾーフィの違い・共通点まとめ
ゾフィーとゾーフィの大きな違いは、
「ゾフィーはウルトラマンの兄で、ゾーフィは後任者」
「ゾフィーは地球を見守るが、ゾーフィは滅亡させようとする」ゾーフィの正体は、人類の監視者・裁定者
- ゾフィーとゾーフィの違いは、『ウルトラマン』の39話「さらばウルトラマン」を見ると、よく分かる
- ゾフィーとゾーフィの共通点は、ウルトラマンと同族であること、ウルトラマンを助けるところ