『エヴァンゲリオン』の最大の謎である「人類補完計画」。
ものすごく複雑な上に、劇中でまとまった説明がないため、非常に分かりにくいですよね。
この記事は、エヴァンゲリオンを初めて見る人向けに、
人類補完計画とは?
ゼーレと碇ゲンドウは、目的が違う
人類補完計画は、『風の谷のナウシカ』がベース
について、分かりやすくまとめました。
ネタバレですので、ご注意ください。
【エヴァ解説】人類補完計画とは?ゼーレとゲンドウは目的が違う
人類補完計画は、新劇場版の「Q」までは、旧劇場版とほぼ同じと考えられます。
「シン」で、旧劇場版の人類補完計画と大きく変わる可能性があるのです。
旧劇と新劇でラストが同じだと、新しくした意味がないですからね。
この記事では、「Q」までの人類補完計画について、エヴァ初心者にも分かりやすく、ざっくりと要点を解説します。
人類補完計画とは?
新劇場版の「序」で、「人類補完計画」は第27次までいってましたね。
人類補完計画について、ざっくり解説します。
- 人類の進化を変更する計画
- リリスとの契約
- ゼーレが計画し、NERVが実行する
- NERVの三大計画の中で、最も重要
- ゼーレと碇ゲンドウで目的が違う
- 人類補充計画の実行方法は、(サード)インパクト
- 人類補完計画は、ミサトの父・葛城博士が提唱した
人類補完計画は、人類の進化に関する計画ですが、リリスとの契約でもあります。
人類がリリスと結んでいる契約内容は、
アダムとリリス以外の使徒を10体せん滅すること
です。
また、人類補完計画で重要なことは、
「人類の進化に関する計画を、サードインパクトで実行しようとしているが、ゼーレと碇ゲンドウの目的が違う」
ということ。
エヴァンゲリオンの世界において、「地球上の生物はどのように誕生したか」という進化の根源には、使徒が関わっています。こちらの記事をご参照ください。
ゼーレの目的は「始原回帰」
エヴァンゲリオンの世界観では、「ひとつの星に、ひとつの生命体」というのがルール。
しかし、地球はアダム系とリリス系の2つの生命体がいるんですね。
アダム系の方が先に地球に来ていましたし、ゼーレはリリス系である人類を「出来損ない」と考えたのです。
アダム系使徒は一個体でひとりの使徒なのに、人間(第18使徒)は何億と個体がありますからね。
- 人類の進化をリセットして、生まれ直す
- 神に認められる強力な一つの個体に、生まれ直す
というのが、ゼーレの目的です。
ひとことで言えば、「始原回帰」ですね。
実行方法としては、以下を考えていました。
- サードインパクトで人類を死滅させる
- すべての生命体はLCL化して、魂は生まれた場所へ還る
- 強力な個体に宿るひとつの魂に生まれ直す
お菓子作りに例えると、
何十億とある「ひとくちチョコレート」を、ぜーんぶ溶かして「ひとつ」に固め治そう!
という感じでしょうか。
碇ゲンドウの目的は「進化」と「ユイに会うこと」
人類補完計画において、碇ゲンドウはゼーレと違う目的を持っていました。
エヴァ初号機に人類の魂を合わせて、強力な使徒に進化させる
(人類を、人工的に初号機の一個体にまとめる)エヴァ初号機を選んで、ユイに再会する
ゲンドウの目的は、「進化とユイとの再会」なのです。
ゼーレの「始原回帰」とは、方向性が真逆ですね。
裏死海文書には破局が予定されていましたが、ユイの願いは「人類が生き続けること」でした。
ゲンドウは、ユイの意思を引き継いだのです。
エヴァ初号機のコアには、ユイが入っています。
ユイの入ったエヴァ初号機を、地球で唯一の生命体に進化させるというのが、ゲンドウの目的なのです。
2004年までは、ゲンドウはゼーレに忠実でした。
しかしユイを失ってからは、再会することが大きな目的となります。
「欠けた心の補完。不要な身体を捨て、全ての魂を今一つに。そして、ユイの元へ行こう」
というゲンドウのセリフに、集約されていますね。
方法としては
- 碇ゲンドウ自身が神となって、インパクトを起こす
- LCL化した人類をエヴァ初号機に合わせて、「ひとつの体・ひとつの魂」になる
ということ。
リリスと融合した使徒は、神になります。
また、覚醒したエヴァンゲリオンは、神に近い存在となります。
碇ゲンドウは、エヴァ初号機を神にしようとしていることになるんですね。
古い神は滅び、新しい神が誕生します。
だから劇中で、ゲンドウがよく「神殺し」と言っていますね。
これに対し、ゼーレはあくまでも「神の子」として生まれ直したいのです。
「サードインパクトって、何?」
「でもミサトたちは、サードインパクトを必死に止めようとしてるよね?」
「サードがあるってことは、セカンドがある?」
と疑問に思う方は、こちらの別記事をご参照ください。
【エヴァ解説】人類補完計画は『風の谷のナウシカ』がベース
私見ですが、エヴァンゲリオンの人類補完計画の「バラバラの個体である人類を、ひとつの個体・ひとつの魂に」という発想は、『風の谷のナウシカ』をベースにしていると思います。
映画版ナウシカには出てこないのですが、原作漫画版ナウシカには、「ワンネス」の哲学・思想に貫かれているんですね。
「ワンネス」の思想だけでなく、エヴァのいたるところにナウシカの影があります。
エヴァの庵野監督が、映画版ナウシカの巨神兵を描いたことは、広く知られています。
宮崎駿さんから強い影響を受け、リスペクトしているのでしょうね。
(ちなみに、この記事では碇ゲンドウの「神殺し」について触れましたが、「もののけ姫」も神殺しですね。)
ナウシカは映画版も名作ですが、原作漫画はさらに斜め上をいく圧倒的な面白さがあります。
興味のある方は、ぜひ原作も読んでみてくださいね!
「ナウシカのどこにワンネスが出てくるの?ネタバレでいいから、そこだけ知りたい」という方は、
こちらの記事の「王蟲の生態」のところをご参照ください。
【エヴァンゲリオン】解説・考察記事の一覧
『エヴァンゲリオン』関連記事は、全部で35記事あります。
『エヴァンゲリオン』カテゴリーからも、記事一覧を確認できます。
【序】
【破】
【Q】
【エヴァ解説】人類補完計画と目的まとめ
『エヴァンゲリオン』の最大の謎にして、複雑で分かりにくい人類補完計画。
この記事は、エヴァンゲリオンを初めて見る方向けに、基礎知識を簡単にまとめました。
- 人類の進化を変更する計画
- ゼーレと碇ゲンドウで目的や方法が違う
- ゼーレの目的は「始原回帰」
- 碇ゲンドウの目的は「進化」「ユイと再会」
- 実行方法は、サードインパクト