細田守監督の映画『竜とそばかすの姫』で、すずの母親は、知らない子供を助けようとして亡くなってしまいます。
すずが、泣いて「行かないで」と頼むのを振り切って、助けに行きました。
「なぜ、危ないと分かってるのに、知らない子供を助けに行ったの?」
と思った人も多いのではないでしょうか。
母親の心情的な理由と、映画制作上の理由と、理由は2つあると思います。
この記事では、
すずの母親が、川で子供を助けに行った2つの理由
について、考察をまとめています。
【竜とそばかすの姫】なぜ母親は川で助けに行った?
【理由1】放っておけなかったから
まず、すずの母親が、危険を顧みずに増水した川に飛び込んだ理由は、
放っておけば死ぬと分かっている子供を、見捨てられなかったから
だと思います。
場面を振り返ってみましょう。
- 河原に大勢の人がいた
- 増水した川の中州に、女の子が一人取り残されていた
- 女の子は「助けて!」と泣き叫んでいた
- 大人たちは、みんな見てたが何もしない
- すずの母親が、ライフジャケットを着て助けに行こうとした
- すずは「行かないで」と泣いて止めた
- 母親は「行かないと、あの子が死んじゃう」と言って川に入った
- ライフジャケットを着た女の子は助かったが、母親は流された
自分も危険なのは、分かっていたでしょう。
だからといって、放っておくこともできない。
そういう性分の人だったのだと思います。
ただ正直、見ていて
「なぜ、レスキュー隊を呼ばなかったの?」
「あの女の子の親は、なぜいないの?」
と不思議でした。
あれだけ大人がいたのに、みんな見てるだけでポケーっとしてました。
普通、もっとザワザワするはず。
ちょっと不自然でしたよね。
あれだけ人がいれば、クーラーボックスとか、釣り糸とか、ロープとかあったはず。
キャンプのテントもいくつかありましたから、救助に使える道具は結構あったと思うのです。
救命胴衣だって、他に持っていた人もいそうでしたし。
実際に溺れた生徒と助けに行った先生が、釣り糸と釣り竿を使って助かったケースがあります。
【理由2】映画のテーマの題材のため
もう一つの理由は、「制作上の都合」です。
母親が、中洲に取り残された子供を助けに行った理由は、
映画のテーマ「誹謗中傷」の題材とするため
というのが、大きかったろうと思います。
あえて、誹謗中傷されるような死に方をさせてるのです。
実際、映画では自分を犠牲にした母親に対して、辛らつな言葉が並びました。
「雨で増水した川に飛び込むなんて、自殺行為だわ」
「泳ぎに自信があったらしいが、プールとは違うんだよ」
「他人の子どもを助けて死ぬなんて、自分の子どもに無責任だ」
「事故があると、川遊びが辛気臭くなって迷惑だな」
「人助けなんて、善人ぶるからこうなるんだ」
母親の死に方は不自然でしたが、誹謗中傷の内容はリアリティがありますよね。
「すずの母親が死んだ後に、誹謗中傷されるとしたら、どんな死に方だろう?」
と逆算して、ストーリーを作ったのではないかと思います。
個人的に、細田守監督の映画は、「制作上の都合で、こういう展開にした」というケースが多いなあと思っています。
例えば、
などです。
【竜とそばかすの姫】解説・考察記事の一覧
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※当記事の情報は、2022年7月1日現在です。
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【竜とそばかすの姫】母親が川で子供を助けた理由まとめ
・他人の子供でも、死ぬのをただ見ていられたなかったから
・映画のテーマに沿って、「母親が誹謗中傷される死に方」にしたから
(制作上の都合)