
不朽の名作アニメ『風の谷のナウシカ』は、全7巻の原作漫画でいうと、2巻の途中までの内容です。
映画は、ほんのさわりの部分なのですね。
「その後」の話が、とんでもなく深く長く、面白いのです。
この記事では、『ナウシカ』の
- 登場人物(映画版)の経歴
- 登場人物別の「その後」と最後はどうなる?
について、相関図をまじえながら解説します。
原作のネタバレを含みますのでご注意ください。
【内容】★王蟲の鳴き声は、布袋寅泰のギター★王蟲の知られざる生態とは?
【内容】★「あの人が生きてるの?」のあの人は、王蟲の子でアスベルではない★同じ場面の映画と原作漫画の違いは?
【ナウシカ】「その後」の相関図
映画『風の谷のナウシカ』は、全7巻の原作漫画の2巻の途中までの内容です。
原作漫画の方が、登場人物も多く、物語が複雑です。
映画は、子どもにも分かりやすくするために、一部内容が変更されています。
映画の登場人物がその後どうなったか、原作を踏まえて、相関図を作ってみました。
ネタバレを含みますので、ご注意ください。
特筆すべき点としては
- ナウシカとクシャナが戦友になる
- ナウシカが巨神兵の母親になる
- ユパはクシャナをかばって、戦死する
- カイもナウシカを守り抜いて、戦死する
- テトは、巨神兵の体が発する毒で弱って死ぬ
- ナウシカとアスベルが結ばれたかは、描かれていない
というところでしょうか。
ナウシカが巨神兵の母親になるとか、奇想天外ですよね。
次章では、その後のストーリー展開や、登場人物別に経歴や最期どうなったかを解説します。
【ナウシカ】その後どうなった?
映画の『ナウシカ』の後、物語や登場人物はどうなったのか、解説します。
映画の登場人物に関する部分のみの紹介です。
(原作にしか出てこない登場人物は、省略します)
原作のネタバレですので、ご注意ください。
全体のストーリーの流れ(ネタバレ)
映画では、王蟲は怒りが収まって腐海へ帰り、トルメキア軍も風の谷から撤退します。
一件落着、大団円で終わりますね。
しかし原作では、王蟲は怒りが静まっても、腐海へ帰りませんでした。
そのまま南進し、土鬼(ドルク)という大国へ向かいます。
ナウシカは、王蟲がなぜ南進するのか調べるために、クシャナと共に王蟲を追います。
クシャナは、兄たちに奪われた自分の部下の兵士たちを取り戻すために、土鬼へ向かうのです。
王蟲たちが南進したのは、土鬼が腐海の瘴気を化学兵器として用いていたからでした。
ナウシカは、土鬼が腐海の瘴気をばらまくのをやめさせようと、獅子奮迅の働きをします。
土鬼はトルメキアと、戦争まっただ中。
ナウシカは捕虜救出のために、クシャナと共に戦います。
クシャナは土鬼の皇兄に捕らえられ、政略結婚することに。
また、トルメキアを憎む土鬼の民に、クシャナが殺されそうになるんですね。
クシャナをかばって、ユパは亡くなります。
土鬼が瘴気を兵器として使えるのは、首都シュワにある「墓所」と呼ばれる場所に、失われた旧文明の技術が伝わっていたからでした。
ナウシカは「墓所」を閉じるために、首都へ向かいます。
その途中、ナウシカは腐海のさらなる秘密を知ることに。
また、なりゆきからナウシカと巨神兵は、親子関係になってしまうんですね。
最後は、巨神兵とナウシカたちは「墓所」を破壊します。
気になる詳細は、登場人物別にご覧下さい。
ナウシカのその後
年齢:16歳
出身地:風の谷
言語:エフタル語
族長ジルの一人娘
兄姉が10人いたが、育ったのはナウシカのみ
赤いピアスはタリア川の石で、母の形見
母から愛されずに育った
メーヴェに乗用
王蟲の子どもを助けて、王蟲の襲撃をおさめたナウシカ。
その後、どうなったのでしょう?
- 南進する王蟲の群れを追いかける
- 捕虜を救出するために、クシャナの戦友となって、土鬼(ドルク)と戦う
- 腐海のさらなる秘密を知る
- 巨神兵と親子関係になる
- 土鬼(ドルク)の首都シュワにある「墓所」を破壊
ナウシカが巨神兵と親子関係になるとは、度肝を抜かれる展開ですよね。
もちろん、ナウシカが巨神兵を産んだわけではありません。
原作では秘石という、巨神兵の成長スイッチのようなものが出てきます。
(映画には、秘石はでてきません)
ラステルが持っていたのを、死ぬ間際にナウシカに託したんですね。
ナウシカはアスベルに返すのですが、原作後半で再びナウシカに渡します。
すると秘石が光りだし、巨神兵のいる方向を指し示したんですね。
(ここら辺は、ラピュタのような展開です)
ナウシカが巨神兵を倒そうとしたとき、秘石を見た巨神兵は、ナウシカを「ママ」と呼んだのです。
秘石をもつ者が、巨神兵を操れるという仕組みになってたんですね。
巨神兵は、ナウシカの言うことだけを聞く「子ども」として、行動するようになります。
ナウシカは、巨神兵にオーマ(「無垢」の意味)という名前をつけます。
ナウシカとオーマは、ともに土鬼の「墓所」を破壊します。
ちなみに、トルメキア王もシュワに来ていたのですが、ナウシカは王に非常に気に入られます。
気に入ったぞ お前は破壊と慈悲と混沌だ
ハハハ もっと前に会いたかったぞ!!
引用:『風の谷のナウシカ』(第7巻)
と言わしめたくらいです。
ナウシカって、誰にでも好かれるんですね。
原作漫画の最後は次のように、締めくくられています。
ナウシカは土鬼の地にとどまり、土鬼の人たち共に生きた。
彼女はチチクの成人後、はじめて風の谷へ帰ったとある年代記は記している。
またある伝承は、彼女がやがて森の人のもとへ去ったとも伝えている。
引用:『風の谷のナウシカ』(第7巻)
チチクというのは、原作漫画に登場する子ども。
チチクはナウシカが大好きな、テレパシーを使える超常能力をもっています。
森の人とは、腐海に住む民のリーダー的存在。
ナウシカは、森の人・セレムから腐海の秘密を教わります。
【内容】★ナウシカの服の色が変わるのはなぜ?★どのタイミングで服の色が変わる?★王蟲の血の驚くべき効果とは?
アスベルのその後
- 年齢:16歳
- 工房都市ペジテ市の長の息子
- 妹ラステルとは双子
- 工房育ちでメカに詳しい
- 飛行船の操縦も得意
ペジテ市は、旧文明の遺跡を500年発掘し続ける、工房都市です。
地下には坑道が張り巡らされており、迷い込むと抜け出ることができません。
巨神兵はペジテ市で掘り出されましたが、奪おうとしたトルメキアに襲撃され壊滅状態に。
つまり、アスベルには戻る場所がないということなのですが、その後どうなったのでしょう?
- アスベルはナウシカと共に行動
- マニ族という土鬼(ドルク)の民族に、二人とも捕まる
- アスベルはナウシカを助け、自分はそのままマニ族の船に残留
- 残ったのは、風の谷を乗っ取ろうとするマニ族を説得するため
原作漫画には
まっててくれ 僕の愛する風使い
引用:『風の谷のナウシカ』
というアスベルのセリフがあります。
アスベルは、完全にナウシカに恋してるんですね。
マニ族を説得したアスベルは、最後に首都シュワでナウシカと合流し、ともに「墓所」を破壊するという活躍を見せます。
その後、アスベルがナウシカと結ばれたかどうか、原作には説明がありませんでした。
アスベルは帰る国がないので、おそらくナウシカと土鬼にとどまったと思われます。
ちなみに、アスベルの人物像は、『ラピュタ』のパズーや『もののけ姫』のアシタカに、受け継がれています。
【内容】★ラステルの死因は?★ナウシカはなぜ服を閉じたの?★同じ場面の映画と原作漫画の違いは?
クシャナのその後
- 年齢;25歳
- トルメキア帝国の第4皇女
- トルメキア全軍で兵から人気No1の指揮官
- 剣と戦略の達人
- 賢く兵から人気があるため、父や兄から恐れられている
映画では、クシャナはプライドが高く、冷徹な女性として描かれています。
原作では、ナウシカと並んで人気のある登場人物です。
原作では、ナウシカは
クシャナは深く傷ついた鳥だ
本当は 心の広い大きな翼をもつ優しい鳥だ
引用:『風の谷のナウシカ』(第7巻)
と評しています。
クシャナは先王の娘であるため、次に王になったヴ王や兄から命を狙われます。
母親は身代わりとなって毒を飲み、気が狂ってしまったんですね。
原作のクシャナの生きる目的は、「父王と兄たちを亡き者にして、王権を奪取する」こと。
クシャナはその後、どうなったのでしょう?
- クシャナもナウシカと南進する
- 兄に奪われた自分の部下たちを、取り返すため
- ナウシカを戦友として、共に戦う
- 土鬼(ドルク)の皇兄に捕らえられ、政略結婚する
- 隙を見て土鬼の皇兄を倒す
ナウシカとは、土鬼の首都シュワで合流します。
シュワには、父であるトルメキア王も来ていたのですが、「墓所」が破壊されるときに父王は死んでしまいます。
死ぬ直前に、王は「好きになれない女だったが、そなたに王位を譲る」と、クシャナを正統後継者にしたのでした。
漫画の最後は、次のように締めくくられています。
帰還したクシャナは、やがてトルメキアの中興の祖として称えられるにいたるが、生涯代王にとどまり決して王位につかなかった。
以来、トルメキアは王を持たぬ国になったという…。
引用:『風の谷のナウシカ』(第7巻)
クシャナは、歴史に残る名君となったようです。
ちなみに、クシャナの人物像は、『もののけ姫』のエボシ御前に受け継がれています。
【内容】★クシャナの左手が義手の理由は?★「さらにおぞましき体」とは?★原作との違いは?
クロトワのその後
- 27歳
- 平民出のトルメキア軍参謀
- 16歳から船乗りのため、飛行船の操縦はかなりの腕前
平民出身でたたき上げのクロトワは、非常に優秀な参謀です。
原作では、トルメキア王から「クシャナを殺す」「クシャナから秘石を奪う」という目的で、クシャナの船に送り込まれます。
- クシャナに目的を見破られる
- その後、クシャナの忠実な部下となる
- 瀕死の重傷を負うが、生き抜く
偉ぶったところがなく、気が利いて、人間臭い人柄のためか、誰とでもうまくやっていけるのが強み。
『ナウシカ』のシリアスな物語に、ユーモアとコメディ感を持たせる、重要なムードメーカーでもあります。
ジル(原作との違い)
- 年齢:50歳
- 風の谷の族長
- ナウシカの父
- かつては素晴らしい風の使い手だった
- 腐海の毒により、石化の病を患っている
ナウシカの父・ジルは、映画では風の谷に侵攻したクシャナの部下に殺されます。
原作では、寿命を全うします。
タイミングとしては、王蟲の風の谷襲撃を防いだ後ですね。
しかし、ナウシカは王蟲を追って南へ向かったため、父の死に立ち会えませんでした。
ジルは亡くなる直前、城おじのミトにユパを探して、ナウシカを助けてもらうよう遺言します。
ユパ・ミラルダのその後
- 年齢:45歳
- 剣の達人で異名は「腐海一の剣士」
- 風の谷の族長・ジルの親友
- ナウシカの師
- 腐海の謎を解くために、諸国を放浪している
冷静沈着で、見識が高く、学者のように広い知識をもつ剣士です。
誰もが一目置く人物。
- 腐海の謎を追って、マニ族の船に乗り込み、アスベルと出会う
- 土鬼(ドルク)へ向かう途中で、ミトたち城おじと合流
- 戦争後の世界には、クシャナがどうしても必要と考える
- 何度もクシャナを助ける
- クシャナの盾となって、壮絶な最期を迎える
城おじ(ミトたち)のその後
風の谷で、城に仕える男性老人を「城おじ」と呼びます。
登場するのは、5人です。
- リーダー格の「ミト」40歳
- トルメキアの戦車を奪った「ニガ」
- 腰痛もちの「ギックリ」
- 風見番の「ゴル」
- 気難しい「ムズ」
- 腐海の毒で手などが石化する病のため、農作業ができず、城に仕えている
とくにミトは、登場する場面が多いです。
ナウシカの片腕として一緒にガンシップに乗り込んだりしてますね。
- ミトとニガはジルの命を受けて、ユパを探す旅に出る
- ユパやアスベルと合流した後は、土鬼(ドルク)の首都シュワへ向かう
- ミトは、シュワの「墓所」をアスベルと破壊する爆薬を仕掛ける
最後にミトは救出されたものの、瀕死の状態まで石化の病が悪化していたため、その後長く生きられなかったのではないかと思われます。
巨神兵(オーマ)のその後
- 旧文明の人工生物
- 調停と裁定の神として創造された
- 口から火を吐くため、兵器として使われる
- かつて世界を7日間で焼き払った
- 火や水で巨神兵を倒すことはできない
映画では、兵器として登場する巨神兵。
ペジテ市の地下で千年以上眠っていた巨神兵が、掘り起こされます。
映画では、王蟲が風の谷を襲おうとした時に、巨神兵が使われますね。
しかし、すぐに死んでしまいます。
原作で巨神兵が登場するのは、かなり後の方です。
原作では、
ペジテ⇒トルメキア⇒土鬼(ドルク)
と、巨神兵の所有者が変わります。
原作には、巨神兵を成長させたり、あやつるための秘石という物が出てきます。
アスベルは、ナウシカにこの秘石を託します。
ナウシカが巨神兵と会ったとき、秘石を見た巨神兵はナウシカを「ママ」と呼びます。
すごい展開ですよね。
巨神兵は、秘石をもつ者の言うことを聞くように作られていたようです。
こうして、巨神兵はナウシカと「親子」になったのです。
ナウシカから「無垢」という意味の「オーマ」という名前を授けられます。
オーマは涙ぐましいほど、ナウシカを守ろうと懸命に頑張るんですよね。
映画版の巨神兵からは、ちょっと想像つかない展開です。
巨神兵は、知能が高く、人間の言葉も話すことができるんですね。
原作では、体から放射能と思われる毒を、常に放出しています。
口から吐く火が、壊滅的な力を持っているはずですね。
そのため、ナウシカは途中でだいぶ体調を崩してしまいました。
ラスト、ナウシカの頼みを聞き入れて、土鬼の「墓所」を破壊したオーマは、力尽きて死にます。
テトのその後
臆病で人になつかないキツネリスのテトは、ナウシカにだけはなついています。
原作でも、蟲にさらわれようとするテトを、ユパが腐海で助けています。
テトも、ナウシカにとても忠実。
巨神兵が体から出す毒(おそらく放射能)で弱ってしまい、首都シュワへ向かう途中で死んでしまいます。
カイ・クイのその後
ユパが、乗物として飼育しているトリウマ。
旧文明で、鳥と馬を遺伝子操作してつくった人工生です。
見た目はダチョウのようですね。空は飛べません。
- ユパがカイをナウシカに譲る
- カイは戦場でナウシカを守り抜いた後、力尽きて死ぬ
- 遠く離れたところにいたクイは、カイが死んだタイミングで卵を産む
ナウシカはカイに乗って、クシャナと共に戦場で戦います。
カイは、トルメキアの将校たちも、うらやむぐらいの素晴らしいトリウマとして描かれています。
クイが産んだ卵はちゃんとかえって、かわいらしい子どものトリウマが誕生しました。
【内容】★「あの人が生きてるの?」のあの人は、王蟲の子でアスベルではない★同じ場面の映画と原作漫画の違いは?
【内容】★クシャナの左手が義手の理由は?★「さらにおぞましき体」とは?★原作との違いは?
【内容】★ナウシカの服の色が変わるのはなぜ?★どのタイミングで服の色が変わる?★王蟲の血の驚くべき効果とは?
【内容】★ラステルの死因は?★ナウシカはなぜ服を閉じたの?★同じ場面の映画と原作漫画の違いは?
【内容】★王蟲の鳴き声は、布袋寅泰のギター★王蟲の知られざる生態とは?
ナウシカの相関図とその後のまとめ
映画『風の谷のナウシカ』も面白いですが、原作漫画はさらに深い哲学に支えられており、圧倒的な面白さです。
『ナウシカ』はその後どうなったか、ポイントは以下です。
- 原作では、王蟲は腐海に帰らず南進し続けた
- ナウシカとクシャナが戦友になった
- ナウシカが巨神兵の母親になった
- ユパはクシャナをかばって、戦死した
- カイもナウシカを守り抜いて、戦死
- テトは、巨神兵の体が発する毒で弱って死んだ
- ナウシカは、トルメキア王に非常に気に入られる
- ナウシカとアスベルが結ばれたかは、描かれていない
- クシャナはトルメキアの名君となった
というのが、この記事のまとめです。
原作は、映画よりさらに面白いので、是非読んでみてくださいね!