ジブリ映画『ゲド戦記』のタイトル

ジブリ映画『ゲド戦記』では、劇中2回、テナーのセリフに「墓所」という言葉が登場します。

どうやら昔テナーは墓所にいたらしいことが分かりますが、映画の中では説明がありません。

この記事では、

  • テナーが昔いた墓所とはどんな場所?
  • なぜテナーは墓所にいたの?

について、解説します。

この記事は、原作小説『ゲド戦記』を参照しています。

【ゲド戦記】テナーはなぜ墓所にいた?どんな場所?

映画『ゲド戦記』ではセリフから、テナーがかつて墓所にいたことがほのめかされます。

テナーとハイタカが古い付き合いだと説明した時は、

「私を光の中に連れ出してくれた。たった一人で、アチュアンの墓所の中から」

と言っています。

クモの館では、

「こんなところにいると、墓所を思い出すわ」

とも語っています。

「だいぶ暗い場所みたい」ということは、何となく伝わってきますね。

しかし、それ以上の説明は映画の中ではありません。

くわしい内容は、原作に書かれています。

映画は、6冊あるル・グインの小説の3冊目『さいはての島へ』を原作のひとつとしています。

テナーがいた墓所については、2冊目の『こわれた腕環』に書かれているのです。

ゲドは若かりし頃、漂着した島で魔法使いエレス・アクベの腕環の半分を手に入れます。

もう半分を手に入れるために、太古の力が祀られている聖地アチュアンへやって来ます。

アチュアンの神殿である墓所に、大巫女として仕えていたのが、テルーだったのです。

「アレハ」という名前の大巫女が、墓所で太古の力である「名もなきもの」を守るのが習わしでした。

「アレハ」とは「食らわれしもの」という意味。

アレハは永遠に、繰り返しアレハに生まれ変わるとされていたのです。

このあたりは、チベット仏教のダライ・ラマみたいな感じですね。

「アレハの印がある」として、テルーは幼い頃に本人の意思とは関係なく、墓所に連れてこられます。

そしてテルーという名前を奪われ、大巫女の教育を受けて成長していきます。

墓所は、灯りをともしてはいけない、闇の世界でした。

ある日、腕環を探しに来たゲドが墓所に侵入し、道に迷って灯りをともしたのです。

テル―は、ゲドを墓所に封じ込めて殺そうとします。

しかしゲドに興味をひかれたテルーは、言葉を交わすようになります。

ゲドから外の世界の話を聞いたテルーは、心揺さぶられ、ゲドを殺すか生かすか葛藤します。

そんな時、ゲドが大巫女に「テルー」と本来の名前で呼びかけたのです。

名前を呼ばれて、自分がテナーだったことを思い出し、墓所に留まるか、ゲドと外の自由な世界へ行くか迷います。

ゲドは、殺さず食事を与え続けてくれたお礼に、自分の真の名をテルーに教えました。

テル―は、自分がまったく知らない外の世界へ行くことに、強い不安を感じ恐れます。

しかし勇気を出して、ゲドとともに墓所を抜け出し、光のある自由な世界で生きていくのです。

そのため映画でテルーが「私を光の中へ連れ出してくれた」と言ったのですね。

「名前を呼ばれて思い出す」というあたりは、『千と千尋の神隠し』にもありました。

映画『ゲド戦記』では、ハイタカがテルーの家を訪ねて行った時、テルーが戸を開けて「ゲド」と言います。

テル―が、ハイタカの真の名前「ゲド」を知っていたのは、墓所で教えてもらったからだったのです。

テル―が墓所にいたのは10代の頃なので、ゲドとはたしかに「古いつきあい」と言えるでしょう。

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    【ゲド戦記】テナーのいた墓所まとめ

    ジブリ映画『ゲド戦記』で、テナーが昔は墓所にいて、ハイタカに助けられたことがほのめかされます。

    • テナーは若い頃、聖地アチュアンの墓所の大巫女「アレハ」だった
    • 墓所は、灯りをともしてはいけない、ほとんど闇の場所だった
    • 魔法使いの腕環を探しに、墓所に侵入したハイタカ(ゲド)と出会う
    • ハイタカに導かれて、テナーは墓所を出て、自由となった

    というのが、この記事のまとめです。

    『ゲド戦記』には、『風の谷のナウシカ』と似た場面やキャラクターが多く登場しますね。

    テナーの過去も『千と千尋の神隠し』と共通点がありました。

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