『エヴァンゲリオン新劇場版』では、「ネブカドネザルの鍵」が登場します。
TV版、旧劇版には出てこない新劇場版のアイテムですね。
この記事では
- ネブカドネザルの鍵とは何か
- ネブカドネザルの鍵は何の予備だった?
- ロストナンバーの意味は?
について、解説します。
「破」と「シン」のネタバレを含みますので、ご注意ください
【エヴァ解説】ネブカドネザルの鍵とは?
新劇場版では「破」で、登場するネブカドネザルの鍵。
べタニアベースから戻った加持リョウジが、碇ゲンドウに渡しました。
ネブカドネザルの鍵
— た〜か46@結婚させられ、禁煙してます (@taka_4c8) March 14, 2021
なかなか人を超えた存在だけど、姿はヒトだからね… pic.twitter.com/5bwOeYZ4e0
スーツケースの中から、黄色いケースに入った不思議な形状の物を出しましたね。
ヒト型の絵のようなものと、注入器のような感じでした。
その時の会話を振り返ってみましょう。
加持「これがお約束の代物です。予備として保管されていたロストナンバー。神と魂を紡ぐ道標ですね」
ゲンドウ「ああ、人類補完の扉を開くネブカドネザルの鍵だ」
どうやら、ゼーレが管理していた物のようです。
人類補完の扉を開くとは?
「鍵」というからには、何かを開け閉めするのでしょうが、ゲンドウは「人類補完の扉」と答えています。
加持も「神と魂を紡ぐ道標」と言いました。
このことから、具体的には
- 神になる
- ガフの扉を開く(インパクトを起こせる)
- マイナス宇宙に行く
などができるようになります。
「シン」でミサトは、ゲンドウに「人を棄てたか」と言っていました。
ゲンドウはネブカドネザルの鍵によって、人ではなく神になったのです。
そして古い神を殺す「神殺し」をしようとしたのですね。
この「神殺し」というのは、宮崎駿監督の『もののけ姫』の影響が伺えるように思います。
『もののけ姫』では、エボシ御前がシシガミの首を取り、神殺しを行いました。
エヴァンゲリオンには、随所に『ナウシカ』の影響が観られますよね。
『ナウシカ』の巨神兵を描いたのは、若い頃の庵野監督でした。
『風立ちぬ』では、庵野監督は主人公である堀越二郎の声優も務めています。
庵野監督と宮崎駿監督は、古い付き合いであり、いろいろなところで影響を受けているのでしょう。
人類補完計画については、別の記事に詳しくまとめましたのでご参照ください。
ネブカドネザルの鍵は、TV版の「アダムの胎児」と同じ役割
TV版では、加持がゲンドウに渡したのは、「アダムの胎児」でした。
ゲンドウは、TV版では右手に移植し、漫画版では食べましたね。
結果、ゲンドウはアダムと融合しました。
自ら神となってサードインパクトを起こし、ユイに会おうとします。
なので、新劇の「ネブカドネザルの鍵」は、TV版や漫画の「アダムの胎児」と同じ役割をするアイテムと言えるでしょう。
ネブカドネザルの鍵は何の予備だった?
加持は、ゲンドウに渡した「ネブカドネザルの鍵」を「予備として保管されていたロストナンバー」と言いました。
どういう意味なのでしょうか?
「ネブカドネザルの鍵」が複数あることが伺えますよね。
加持とゲンドウは、ネブカドネザルの鍵の会話の前に、Mark.06について話しています。
ちょうど、ゼーレがMark.06を建造している頃だったんですね。
Mark.06は、人類補完計画のための特別なエヴァンゲリオン。
ゲンドウと冬月は、「真のエヴァンゲリオン」「偽りの神ではなく本物の神」と呼びました。
そして「初号機の覚醒を急がねば」と警戒してましたね。
以上のことから、ゼーレが保管していた別のネブカドネザルの鍵は、Mark.06に使われたと推測できます。
アダムの胎児を使うことでMark.06は「本物の神」となり、他のエヴァンゲリオンとは違ったんですね。
加持がゲンドウに渡した「ネブカドネザルの鍵」は、Mark.06に使った鍵の予備だったのでしょう。
ネブカドネザルの鍵のロストナンバーの意味は?
「ロストナンバー」という言葉の意味も考えてみましょう。
要するに「欠番」という意味ですよね。
普段わたしたちが「欠番」とするのは、「この番号は使わない」とする時です。
例えば、殿堂入りした野球選手の背番号は「永久欠番」になったりします。
永遠に使わない背番号ということですね。
ということは、「予備として保管されていた欠番」というのは、「使わないことになってる予備」と言えそうです。
鍵を余分にとっておいたと思われます。
だから加持も持ち出せたのでしょう。
新劇のゼーレのモノリスの番号との関連も考えましたが、やはり違うと思います。
ゼーレのメンバーが、ネブカドネザルの鍵を自身に使うことはないはずです。
なぜなら、ゼーレの人類補完計画にまったく反することだからです。
ゲンドウ以外にそんな人がいると、物語が完全に破綻してしまいます。
ゼーレの補完計画については、別の記事にまとめましたので、ご参照ください。
ネブカドネザルの鍵の名前の由来は?
「ネブカドネザルの鍵」の名前は、何に由来しているのでしょうか?
「ネブカドネザル」は、中東にあった古代バビロニアの王の名前です。
ネブカドネザル1世は、マルドゥク神を奪還しました。
使徒を分解して管理するマルドゥック計画を遂行していたゼーレと、関わりを感じるワードです。
また、聖書でバビロニアと言えば、バベルの塔の伝説が有名。
人類は全ては同じ言語を話していたものの、傲慢になって天に届く塔を造ろうとしました。
神は怒って、人間同士が互いに理解できないように、言葉を乱したのです。
人類補完計画は、人類をひとつにまとめあげるものですから、リンクしているように思えますね。
ちなみに「バベル」とは、「神の門」という意味。
「シン」には、「地獄の門」というワードが登場しましたから、やはり関連が感じられます。
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【序】
【破】
【Q】
【エヴァ解説】ネブカドネザルの鍵まとめ
『エヴァンゲリオン新劇場版』に登場した、ネブカドネザルの鍵。
「破」で加持リョウジが碇ゲンドウに渡したアイテムですね。
- ネブカドネザルの鍵は、ゼーレが管理していた
- ネブカドネザルの鍵を使うと神になり、インパクトを起こしたり、マイナス宇宙に行けるようになる
- Mark.06にもネブカドネザルの鍵が使われ、「真のエヴァンゲリオン」「本物の神」となった
- ゲンドウが受け取ったネブカドネザルの鍵は、Mark.06建造のための鍵の予備だった