『シン・エヴァンゲリオン劇場版』では、加持リョウジがサードインパクトを止めて死んだことが明らかになります。
旧劇とはだいぶ異なる展開ですね。
この記事では、
- 「Q」から分かるサードインパクトの止め方は?
- 加持リョウジは、どうやってサードインパクトを止めた?
- カヲルが加持に、サードインパクトを止めるよう頼んだ?
について、考察をまとめています。
サードインパクトは、難解です。
ニアサードからサードインパクトへの流れは、『空白の14年間』の記事の「ドグマへ投下されるエヴァ6号機」の章を、ご参照ください。
【シンエヴァ】「Q」から分かるサードインパクトの止め方とは?
まず、「Q」の予告と本編から
- どうやってサードインパクトが起ったか
- 「Q」ではどういう状態でサードインパクトが止まってたか
を確認しましょう。
これにより、「サードインパクトの止め方」が分かります。
自律型のMark.06がドグマへ投下
⇒Mark.06がリリスのロンギヌスの槍を抜く
⇒Mark.06がリリスの首を斬る(人類のインフィニティ化阻止)
⇒Mark.06がリリスと自らを共に、ロンギヌスの槍で貫く
⇒サードインパクト発生
⇒初号機を刺したカシウスの槍で、リリスを刺してサードを強制停止
という流れだったと思われます。
こんな感じで、槍が2本刺さってましたね。
「シン」のミサトのサードインパクトの回想シーンの画から、
- Mark.06とリリスがドグマにいた
- リリスは立っており、首がなかった
- ロンギヌスの槍は刺さっていなかった
ことが分かります。
また、管理人は映画では気づかなかったのですが、ネットでは「Mark.06がリリスの首を持っていた」等のコメントがありました。
リリスの首を斬ったのは、おそらく人類のインフィニティ化を阻止するためですね。
ゲンドウは、初号機に人類をすべて回収したいので、個別にインフィニティ化されると困るからです。
以上のことから、
Mark.06はリリスの首を斬ってから、自らとリリスをロンギヌスの槍で刺した
ことが分かります。
となると、サードインパクトを止めるための直接的な方法は、
リリスに槍を1本刺す
ことと言えそうです。
ちなみに、初号機を刺したカシウスの槍を回収して使ったと思います。
- 「Q」の冒頭で、宇宙空間から初号機を回収した時、カシウスの槍はすでになかった
- 「Q」でカヲルが「ロンギヌスとカシウスの槍が刺さってる」と思っていたことと、辻褄があう
からです。
次章では、このような状況で、加持リョウジがどのようにしてサードインパクトを止めたのか、考察します。
【シンエヴァ】加持リョウジはサードインパクトをどうやって止めた?
辛い事を知っている人間の方がそれだけ人に優しくできる。それは弱さとは違うからな。
— ぼのぼのDMF (@DMF_BonoBono) March 16, 2021
加持リョウジ #エヴァンゲリオン pic.twitter.com/1xh8rTZlH6
この章では、劇中のセリフや画から考察した、「加持がサードインパクトを止めた方法」をいくつか紹介します。
【考察1】加持リョウジが、カシウスの槍をリリスに打ち込んだ?
サードインパクトを直接的に止める方法は、カシウスの槍をリリスに刺すことだと前述しました。
リリスはエヴァンゲリオンより、さらに巨大です。
ミサトに別れを告げた時、加持リョウジの後ろにネルフの一人乗り用の小型飛行機がありました。
加持リョウジがこの大技をやってのけたとすると、
- 発射台を飛行機に接続して、槍をリリスに打ち込んだ
- 飛行機に槍をくくりつけて、リリスに突っ込んだ
などの方法が考えられます。
気になるのは、加持の飛行機が小さかったこと。
あの小さな機体でカシウスの槍を運び、さらにリリスにガッチリ打ち込めるのかという疑問が残ります。
また、槍はリリスにほぼ垂直に刺さってるので、飛行機を使って槍を打ち込むのは、かなり難しそうです。
ちなみに、この飛行機の残骸は、もしかして加持が乗ってた飛行機かも?と思いました。
「シン」では、カヲルと加持は、上司と部下だったことが分かります。
加持が乗った飛行機は、ネルフのマークがついていたので、ヴィレの結成前だったようです。
- 旧劇版で、加持はゼーレのスパイだった
- カヲルは「ゼーレの少年」
であることから、二人はヴィレではなくゼーレの司令・副指令だと思われます。
ヴィレの司令であれば、ミサトたちともやりとりするシーンがあったはずです。
リリスとの契約を完了していないゼーレは、あの形でのサードインパクトを止めたかったでしょう。
なので、ゼーレが加持に別の戦闘機などを提供したかもしれませんね。
【考察2】加持リョウジは、サードインパクトを止める贄になった?
個人的には、マリの2号機が
- 初号機からカシウスの槍を回収
- リリスにカシウスの槍を打ち込んだ
のではないかと思っています。
あの時点で唯一稼働できる状態だった2号機が、槍を打ち込んだと考える方が自然です。
リリスの大きさからして、加持ひとりでサードを止めるのは厳しかったでしょう。
マリは加持と親しかったですし、ゲンドウなどの動きにも詳しかったことから、ゼーレと個人的なつながりがあったと思われます。
加持とカヲルは、ゼーレの司令・副指令。
なので、3人が中心となってサードインパクトを止めようとした可能性が考えられますよね。
ミサトが「あの時、本当はわたしも加持と残りたかった」と言ってるので、
- ミサトたちは、サードインパクトの現場にいた
- 加持だけ残って、他のクルーは避難した
ことが分かります。
また、ケンスケが「サードインパクトを止めるのに、誰かが犠牲になるしかなかった」と言っています。
このことから、加持リョウジはサードインパクトを止めるための贄(にえ)になったのではないかと思いました。
新劇場版では、やたらと「贄」が出てきます。
- 「アダムスの器」用のアドバンスド・綾波シリーズ
- フォースインパクトの使徒アスカ
- アディショナルインパクトの槍
など、贄にされてますね。
- サードインパクトを止めるため
- 人類とリリスとの契約が終了してないのに、インパクトを起こしたことへの贖罪
のために、リリスの子ども(第18使徒)である人間の贄が必要だったかも?と思いました。
【考察3】加持リョウジは、アンチLシステムでサードインパクトを止めた?
ヴィレの高雄コウジのセリフによると、加持リョウジは
L結界のデータを計測し、アンチLシステムを開発した
ことが分かります。
アンチLシステムで、大地のコア化を食い止めたり、L結界にも侵入したりできるわけですね。
そのことを、「サードインパクトを止めた」という言い方をしているのかなと思いました。
「Q」や「シン」で分かるように、L結界密度が強すぎるエリアには、人はいられません。
「シン」の冒頭では、リツコやマヤたちは、エヴァパイロットのようなプラグスーツを着ていました。
しかし、「シン」の加持がミサトに別れを告げる場面では、プラグスーツではありませんでしたね。
L結界濃度の高いところに長くいると、「シン」の冬月コウゾウのようにLCL化してしまうようです。
加持の場合、
- 緊急時だったので、プラグスーツが間に合わなかった
- プラグスーツはあったが、長時間L結界にいたので絶命した
という状態だったのかもしれません。
世界のコア化をいくばくなりとも止めて、人が住めるエリアを確保しなければなりません。
L結界の中でデータを取るのは、誰かがやらなければならない、命がけの仕事だったのかもと思いました。
【考察4】カヲルが加持にサードインパクト阻止を頼んだ?
「シン」では、ラストで渚カヲルが「ありがとう、リョウちゃんにも救われたよ」と感謝していました。
これは、加持がサードインパクトを止めてくれたことに、お礼を言ったのではないでしょうか。
サードが止まらなければ、「Q」でカヲルはシンジに会えなかったからです。
カヲルは、覚醒した初号機をカシウスの槍で刺し、ニアサードインパクトを止めました。
なので、本来ならサードインパクトも止めたかったはず。
しかし、Mark.06をゲンドウに自律型に改造されて、サードインパクトを起こされてしまいました。
Mark.06はゼーレ所属で、人類補完計画用の特別なエヴァでしたね。
自律型に改造されゲンドウに利用されたので、カヲルには搭乗するエヴァがありません。
忸怩たる思いがあったろうと思います。
カヲルと加持は上司と部下でした。
なので、サードインパクトを止めるというのは、
- カヲルが加持に頼んだ
- あるいは、加持がカヲルの苦悩をくみ取って、犠牲なることを自分で選んだ
という形だったのかもしれません。
ゲンドウにネブカドネザルの鍵を渡したのは、加持でした。
その責任を感じていたのかもしれませんね。
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【序】
【破】
【Q】
【シンエヴァ】加持リョウジのサードインパクトの止め方まとめ
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』では、加持リョウジがサードインパクトを止めたことが明らかになりました。
劇中では、くわしい説明がなかったので「加持リョウジは、一体どうやってサードインパクトを止めたの?」と思いますよね。
サードインパクトの止め方の可能性として、
- 加持リョウジが、飛行機などでカシウスの槍をリリスに打ち込んだ
- 2号機がリリスに槍を打ち込み、加持が贄になった
- 加持がL結界のデータを計測し、アンチLシステムを開発したことで、コア化を食い止めたことを「サードを止めた」と言っている
- 加持がサードインパクトを止めたのは、上司のカヲルの頼みだったか、カヲルの苦悩を加持がくみ取ったから