映画『エヴァンゲリオン序破Q』のタイトル

『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』は、前2作よりもさらに難解なため「意味わからん!」と思った人も多いでしょう。

この記事では「Q」の意味不明ポイントである

  • アスカの左目はなぜ眼帯してるの?
  • インフィニティとは何?
  • なぜ同じ槍が2本だった?
  • リリスの首がないのはなぜ?

など、7つの場面について、分かりやすく解説します。

Q」を最後まで見ていない方は、ネタバレですのでご注意ください。

「空白の14年間」については、映画が1本できそうなくらい長いスート―リーですので、別の記事にまとめています。

【エヴァQ意味不明1】冒頭シーンはヴィレとネルフの戦闘

『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』は、宇宙空間での戦闘シーンから始まります。

いつも通り、使徒と戦っているのかというと違うのです。

あれは、ヴィレがネルフのエヴァと戦ってるんですね。

戦闘しているのは、ヴィレの「弐号機」と「8号機」、ネルフのMark.04です。

使徒ではありません

サードインパクトの後、ゼーレとネルフは、レイとシンジを取り込んだまま初号機を凍結し、衛星軌道に封印していました。

だから宇宙で戦ってたんですね。

ヴィレの目的は、初号機の回収

ヴィレは、ネルフからヴンダーを奪ったのですが、メインエンジン(主機)がありません。

ヴンダーとMark.09はワンセットなのですが、ヴンダーしか奪えなかったのです。

そのため、主機にすべく初号機を回収しようと、宇宙空間でネルフのエヴァンゲリオンと戦っていたのです。

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【エヴァQ意味不明2】アスカはなぜ眼帯してる?使徒封じ!

「破」の参号機の起動実験中に使徒に浸食されたアスカ

精神汚染の可能性があるとして、隔離処置がとられていました。

空白の14年間で回復したようですが、左目の眼帯は使徒封じになっているのです。

下のイラストの方が、使徒封印用呪詛文様が分かりやすいです。

また、裏コード「ザ・ビースト」で戦って眼が輝く時に、右と左で色が違いますよね。

そして使徒の印である「十字」が現れます。

Q」のラストで、「これじゃあL結界密度が強すぎて助けに来れないわ。リリンが近付けるところまで移動するわよ」とアスカが言いました。

リリンが近付けない強い結界にいられるということは、アスカが使徒であることを、ほのめかしています。

また、カヲルもそうですが、アスカもわざわざ「リリン(人間)」という言葉を使っていることから、自身は人間ではないことを示していると言えるでしょう。

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【エヴァQ意味不明3】インフィニティとは何?

シンジとカヲルが、13号機に乗ってドグマへ降りていく時、途中から壁が赤いまだら模様に変わります。

カヲルは「すべてインフィニティのなりそこないさ」と言います。

インフィニティとは何かというと、人工的に進化した人間のことです。

サードインパクトが起る
⇒人間がLCL化する
⇒ガフの扉から、人間の魂が集まる

⇒人類が進化する

となるのですが、途中で止まってしまったので、「なりそこない」で終わったわけです。

インフィニティの姿は、エヴァンゲリオンのような形をしており、人間がエヴァンゲリオンのような生物に進化しかけたことが分かります。

また、インフィニティの多くには、首がありません

ドグマの底には、頭蓋骨が山のように転がっていましたが、あれらはインフィニティの頭なのでしょう。

またこれは、リリスの首がないことと関係していると思われます。

リリスの首については、次章でとりあげます。

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【エヴァQ意味不明4】なぜリリスの首がないの?

「序」では、リリスはロンギヌスの槍を胸に打ち込まれて、磔にされていました。

それが「Q」では、

  • 四つん這い
  • 2本の槍(どちらもロンギヌスの槍)を背中に刺されていた
  • 首が切り落とされていた

となっていました。

この辺は「空白の14年間」に起きており、公式の説明がないので推測するしかありません。

個人的には、槍が2本打ち込まれ、首を切り落とされたのは、人類のインフィニティ化を止めるためだったのではないかと思います。

「破」のラストにサードインパクトが起きる
⇒人類がLCL化される
⇒ガフの扉から、人類の魂が回収され、進化が始まる(インフィニティ化)

しかし、ゼーレは「ひとつの体、ひとつの魂」にしたかったのです。

インフィニティ化を防ぐために、リリスに槍が打ち込まれ、首が落とされたのではないかと思います。

ドグマの壁のインフィニティは、

  • エヴァンゲリオンのような形(人類が進化したから)
  • 多くが首がない

状態でした。

そして、ドグマの底には頭蓋骨が山のようにありましたね。

あれは、インフィニティのなりそこないの頭蓋骨と考えられます。

また、切り落とされたリリスの首は、碇ユイのようになっていましたね。

あれは、「破」で初号機でサードインパクトが起こり、ガフの扉が開いたからではないかと思います。

もともと初号機は、

  • リリスを素体にしている
  • 初号機には、ユイが肉体ごと取り込まれている
  • 初号機が覚醒して神に近い存在になり、サードインパクトを起こした

ため、リリスの首がユイのようになったと考えられます。

人類補完計画については、別の記事にくわしくまとめましたので、ご参照ください。

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【エヴァQ意味不明5】なぜ同じ槍が2本だった?

シンジとカヲルがドグマに降りて行ったのは、リリスに刺さっている「ロンギヌスの槍」と「カシウスの槍」の2本の槍を持ち帰るためでした。

対の槍があると

  • フォースインパクトを起こせなくなる
  • 世界を修復できる

と言って、カヲルはシンジを説得します。

しかし、実際には「対の槍」ではなく、「同じ槍が2本」でした。

カヲルが「そういうことか、リリン」と言ったことなどから、ゲンドウの策略であることが分かります。

Q」の物語の流れからして、「同じ槍が2本」あったのは、

シンジを使って13号機を覚醒させるため

です。そこで、

「リリスに刺さってる対の槍を獲ってきてほしい」とカヲルをだます

⇒シンジは「フォースインパクトを止められるし、世界を修復できる」からと、13号機に乗ることを了承

という流れに持って行ったわけです。

13号機をダブルエントリーにしたのも、

  • 第12の使徒に浸食させて、カヲルを第13の使徒にする
  • カヲルをせん滅すれば、リリスとの契約が満了する
  • シンジに13号機を覚醒させる

という一石二鳥を得られるからですね。

策略は首尾よく完了し、ゲンドウは「ゼーレの少年を排除し、13号機を覚醒へ導いた」と満足気でした。

カヲルが13番目の使徒におとされたことについては、別の記事にくわしくまとめましたので、ご参照ください。

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【エヴァQ意味不明6】カヲルのセリフ「始まりと終わりが同じ」の意味は?

カヲルは、ネルフの「アダム計画」で創造された、第一使徒アダムの魂を人間の体にいれた生き物。

旧劇版では第17使徒で、アダム系では最後の使徒です。

そして新劇場版では、第一の使徒

まずここで、最後と始まりが同じになっていますね。

そして、人類補完契約の中で、ゼーレはリリスと「アダムとリリス以外に、10体の使徒をせん滅する」という契約を結んでいます。

渚カヲルは第12の使徒に浸食されたため、「第13の使徒」とされ、せん滅(厳密には自爆)。

13の使徒は、ちょうどリリスとの契約にあたる10体目だったので、カヲルを倒すことで、リリスとの契約が満了したのです。

13の使徒(カヲル)が最後の使徒となったので、「始まりと終わりが同じ」になったのですね。

Q」の英語タイトルは

YOU CAN(NOT)REDO.(redoはやり直しの意味)で、

『シン・エヴァンゲリオン新劇場版:||』の「:||」は音楽のリピート記号です。

新劇場版は、「旧劇場版のやり直しの物語」なので、「始まりと終わりが同じ」となっているのです。

カヲルはシンジに「また会えるよ」と言いました。

おそらく「シン・エヴァ」でも登場すると思われます。

リリスとの契約や、カヲルの転生については、別の記事にくわしくまとめましたので、ご参照ください。

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【エヴァQ意味不明7】ゼーレのモノリスの電源が切られたのはなぜ?

ゼーレの電源が切られたのは、人類補完契約が関係しています。

Q」では、ゲンドウが「死海文書契約改定の時がきました」と言い、ゼーレのメンバーであるモノリスの電源が切られます。

「われらの願いはすでに叶った。良い、すべてこれで良い」とゼーレも同意の上でしたね。

ゼーレは人類を「できそこない(の使徒)」と思っていました。

人間は、リリスが産んだ第18使徒なのですが、「ひとつの肉体に、ひとつの魂」という姿になっていないからです。

何十億人といますよね。

そのため、サードインパクトで人類をすべてLCL化させ、「ひとつの体に、ひとつの魂」に作り直したかったのです。

そしてそれは「アダムとリリス以外の10体の使徒をせん滅する」というリリスとの契約を守った上でのことでした。

それがゼーレの人類補完計画でした。

一方、ゲンドウはゼーレに従うふりをしながら、自身の人類補完計画を進めていました。

ゲンドウは、「ユイと再会する」というのが、究極の目的。

つまり、人類の魂をすべて初号機に集めて進化させたい。

インフィニティのなりそこないみたいに、バラバラではなくです。

そのため、初号機でインパクトを起こしたいんですね。

「破」のラストで初号機が覚醒し、サードインパクトを起こしたのは、ゼーレを出し抜いた形になっているのです。

「破」と「Q」の間のいわゆる「空白の14年間」では、ゼーレとゲンドウが折り合って人類補完計画を軌道修正したものと思われます。

ゼーレとしては、

  • リリスとの契約を守る
  • 人類を「ひとつの体、ひとつの魂」にするのなら、細かいことは言わない

というところで折り合ったのでしょう。

ゼーレは「神の子」として生まれ変わりたかったので、「神殺し」はやりたくなかった。

その「神殺し」をゲンドウが引き受けるという約束をしたのです。

おそらく、ゼーレは「神殺し」などという恐ろしいことには関わりたくなかったので、リリスとの契約が満了した時点で電源を切ったと思われます。

Q」の最初の方でも、冬月が

「ゼーレはまだ沈黙を守ったままか?」と言い、ゲンドウが

「人類補完計画は、死海文書通りに遂行される。もはや我々と語る必要はない」と答えています。

このままモノリスの電源が入っていても、ゼーレの目的が完了したので、話すこともなく、存在する意味がないと本人たちも思ったのでしょう。

ファイナルインパクトの時に、ゼーレメンバーの魂もガフの扉から回収されて、初号機に集められることになったのです。

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【エヴァQ】意味不明な場面の考察まとめ

もともと難解なエヴァンゲリオンですが、『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』はさらに難しい話になっていますね。

「意味わからん!」と思った人も多いでしょう。

この記事では7の意味不明な場面の考察をまとめました。

  • 冒頭の戦闘シーンは、ヴィレが初号機を回収するために、ネルフのエヴァと戦っている
  • アスカの左目の眼帯は、使徒封じ
  • 「インフィニティのなりそこない」とは、サードインパクトによる人工進化が途中で止まってしまった人類の姿
  • リリスの体に同じ槍が2本刺さっていたのは、シンジを使って13号機を覚醒させるため
  • カヲルのセリフの「始まりと終わりが同じ」の意味は、カヲルが第1使徒から第13の使徒になることで、「やり直しの物語」が成立するから
  • ゼーレのモノリスの電源が切られたのは、リリスとの契約が満了し、人類補完計画が完了する目途がついたため
  • リリスの首がなかったのは、人類のインフィニティ化を止めるために切られた

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