『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』は、ラストが怒涛の展開ですね。
カヲルの「まさか第1使徒の僕が13番目の使徒におとされるとは」の意味が分からず、「何言ってるの?カヲル君」とシンジ同様思った人も、多いのではないでしょうか。
この記事では、
- なぜカヲルが13使徒になった?
- 第11の使徒は、初号機か碇シンジ?
について、分かりやすくまとめています。
【エヴァQ】カヲルが13使徒に堕ちた理由はなぜ?
渚カヲルが第1使徒とは?
まず、渚カヲルが使徒だったことを知らない人もいると思うので、簡単に説明しますね。
渚カヲルは、アダムを復活させるという「アダム計画」で、人間の肉体にアダムの魂をいれた生物です。
旧劇版では、アダム系の最後になる第17使徒でした。
ちなみに、第18使徒は人類で、リリス系。
新劇場版は「旧劇場版のやり直しの物語」です。
それは「Q」の映画タイトル英語版の
YOU CAN (NOT) REDO.(redoはやり直しの意)
「シン・エヴァンゲリオン新劇場版:||」(:||は繰り返しの音楽記号)
からも分かります。
旧劇版で最後の使徒だったカヲルは、新劇場版では第1使徒になりました。
終わりが始まりになっている、ということがポイントです。
リリスとの契約は「使徒を10体せん滅する」こと
次に、ゼーレとリリスとの契約を確認しましょう。
これはゼーレの人類補完計画の一部です。
人類はリリスと「アダムとリリス以外の10体の使徒をせん滅する」という契約をしているのです。
「序」でゲンドウが、「いかなる手段を用いても、我々はあと8体の使徒を倒さねばならん」と言っていたことから分かります。
そのリリスとの契約を満了で、サードインパクトで人類をLCL化してひとつにまとめる計画だったんですね。
しかし、「破」で初号機が覚醒した時点で、10体せん滅していなかったのです。
それで「破」で加持リョウジが「数がそろわぬうちに、初号機をトリガーにするとは。碇司令、ゼーレが黙っちゃいませんよ」と言ったのです。
あせったゼーレは、カヲルにカシウスの槍でサードインパクトを止めさせたのでした。
人類補完計画は、ゼーレとゲンドウのとで2種類あるのです。
別の記事にくわしくまとめましたので、ご参照ください。
11番目の使徒は、碇シンジ?
次に、新劇場版で何体の使徒が倒されたか、確認してみましょう。
すると、カヲルが13番目におとされた理由が見えてきます。
まず、
- 第1の使徒=渚カヲル(アダムス)
- 第2の使徒=リリス
ですね。この2体はリリスの「せん滅対象」から外れます。
「序」でせん滅されたのは、3体です(第4、第5、第6の使徒)。
「破」でせん滅されたのは、5体です(第3、第7、第8、第9、第10)。
ここまでで8体ですね。
「Q」でせん滅されたのは、第12の使徒(6号機に潜んでた)と、第13の使徒(カヲル)です。
これで10体です。
ちなみに、第11の使徒がいないことに気づきませんか?
実は、劇中で「第11の使徒」と呼ばれている使徒がいないのです。
しかし、マリは第12の使徒を「最後の使徒」と呼んでいました。
ということは、第12の使徒が出てくるまでに、第11の使徒は登場していたはずなのです。
私見では、碇シンジが第11の使徒と識別されたのではないかと思います。
というのも、零号機を捕食した第10の使徒から、綾波レイを助けようとして、碇シンジは第10の使徒のコアに接触していますよね。
「使徒と浸食」の可能性は高いですし、そもそもエヴァがサードインパクトを起こしたという時点で、人類からすればかなりの脅威です。
そのため「使徒」に認定されたのではないでしょうか。
「Q」の冒頭では、救出された碇シンジの足の裏に「BM-03 S.IKARI??」と書いてありました。
また、BSSチョーカーに使徒封印用呪詛文様が、びっしり書き込まれていました。
DSSチョーカーよく見たら使徒封印用呪詛文様でガッチガチに固められてるやん
— 夕凪@IGNITION/KGI🔫 (@yu_fu_na_gi) April 28, 2020
て事はシンジ君は初号機の覚醒を以って第11の使徒と識別されたかそれに準ずるモノとなったと考えられてたって事? pic.twitter.com/rybyGbXOe7
はじめは初号機が第11の使徒とされたのかと思いました。
しかしヴィレがヴンダーの主機にしたことから、碇シンジが第11の使徒にされているのだと思います。
「Q」の冒頭の戦闘シーンでも、突如12秒間覚醒状態でしたしね。
シンジはゲンドウの人類補完計画には必要な「駒」ですので、せん滅するわけにはいきません。
そこで「凍結」して、せん滅対象から外したのでしょう。
カヲルを13使徒にしたのはゲンドウの策略
さて、「Q」で第12の使徒が出てきた時点で、「これを倒せば9体目」という状態ですね。
リリスの契約を満了するためには、第12の使徒と、もう1体(第13の使徒)を倒せばいいわけです。
そこで、第12の使徒に浸食された13号機のパイロット・渚カヲルを、「第13の使徒」にしたわけですね。
もちろんこれはゲンドウの計画です。
第1の使徒=渚カヲル=アダムスなので、契約対象外です。
しかし、「第12の使徒に浸食されたから、渚カヲル(アダムス)ではなくなった」という状態にすれば、せん滅対象になるわけです。
だからカヲルは「まさか第1使徒の僕が13番目の使徒におとされるとは」と言ったんですね。
カヲルが自爆したので、10体せん滅完了。
ゼーレのモノリスたちは「良い。これで全て良い」と満足し、電源を切られてましたね。
第1使徒の渚カヲルが、最後の第13の使徒となったわけですから、カヲルは
「はじまりと終わりが同じというわけだ。さすがリリンの王、シンジ君の父親だ」
と言い、マリは
「これがゲンドウ君の狙いか」
と言ったのですね。
ゲンドウにとって、渚カヲルは邪魔な存在でした。
- せっかく初号機でサードインパクト起こしたのに、カヲルが阻止した
- カヲルはシンジを幸せにすることを生きる目的としてるので、いつ横槍を入れられるか油断ならない
と思っていたわけです。
しかしゼーレの少年なので、あからさまに排除するわけにもいきません。
そこで、ゼーレに「カヲルを13番目の使徒にすれば、リリスとの契約を満了できる」ともちかけたのでしょう。
第12の使徒に浸食させることで、
- 渚カヲルを第13の使徒にして、せん滅
- 13号機を覚醒
ことができたわけです。
ダブルプレーで試合終了という感じですね。
13号機がダブルエントリーになっているのも、カヲルを陥れつつ13号機を覚醒させるためだったのです。
13号機の覚醒により、フォースインパクトが起ります。
しかしカヲルが「ガフの扉は僕が閉じる」と言って、13号機に槍を刺し、自爆して、フォースインパクトを阻止しました。
その様子を見てゲンドウは「ゼーレの少年を排除し、13号機の覚醒へと導いた」と満足気でしたね。
個人的には、6号機が自律型に改造されたり、ドグマで槍で刺されて凍結されているのも、ゲンドウが仕組んだからだと思います。
とにかく、「Q」は「序」「破」に輪をかけて分かりにくいですよね。
「意味わからん」と思った方は、別の記事をご参照ください。
【エヴァンゲリオン】解説・考察記事の一覧
『エヴァンゲリオン』関連記事は、全部で35記事あります。
『エヴァンゲリオン』カテゴリーからも、記事一覧を確認できます。
【序】
【破】
【Q】
【エヴァQ】カヲルが13使徒におちた理由まとめ
『エヴァンゲリオン新劇場版:Q』のカヲルの「まさか第1使徒の僕が13番目の使徒におとされるとは」というセリフは難解ですね。
シンジと同様に、「意味が分からない」と思った人は多いでしょう。
カヲルが13番目の使徒になったのは
- 碇ゲンドウの計画だった
- リリスとの契約を満了できるから
- 同時に13号機を覚醒させる計画にもカヲルを利用できるから