
『エヴァンゲリオン』には、NERV(ネルフ)の他にSEELE(ゼーレ)という組織が登場します。
新劇場版では、きちんとした説明がなくストーリーが進むので、どんな組織なのかよく分かりませんね。
この記事では、エヴァンゲリオンを初めて見る方向けに
- ゼーレの正体や目的とは何?
- ゼーレのモノリスとは何?
- ネルフとの関係は?
- 死海文書とは何?
について、分かりやすく解説します。
【エヴァンゲリオン】ゼーレの正体や目的とは?
新劇場版では、碇ゲンドウと冬月コウゾウが、会議室でモノリスとよく話をしています。
しかし劇中での説明がないので、ゼーレという組織が何なのか分かりにくいですよね。
「重要そうだけど、何となく悪そう」とか「何でゲンドウは、ネルフとゼーレの両方にいるの?」とか思うかもしれません。
ゼーレの正体とは?世界を牛耳る秘密結社
ゼーレについて、ざっくり解説します。
- 太古より世界を裏から操っている秘密結社
- 元は宗教団体
- エヴァの時代には、国連を隠れ蓑に活動
- 「裏死海文書」(または死海文書外伝)を元にした計画に沿って、活動している
- 巨額の富をもっている
- ゼーレとは、ドイツ語で「魂」の意味
- 意思決定会議のメンバーは12人(新劇場版では7人)
- TV版ではメンバーは人間の姿をしていた
- 新劇場版では、モノリスの姿をしている
ゼーレの目的は?人類の進化をリセットすること!
ゼーレは、人類の進化を間違いだったと考えています。
なぜなら、「ひとつの星に、ひとつの生命体」というのが宇宙のルールなのに、地球にはアダム系とリリス系の2つの生命体がいるからですね。
- リリスは、アダムより後に地球に来た
- ひとつの使徒には、ひとつの体と魂が普通
- しかしリリス系の第18使徒(人間)は、ひとつの使徒に、個体が数十億個もある
ことから、ゼーレは人類のことを「出来損ない」だと思っているのです。
そのため、人類の進化をリセットして、最初からきちんと進化をやり直したい、というのがゼーレの目的なのです。
人類を、「ひとつの魂、ひとつの体」にしたいんですね。
しかしこれはトップシークレットで、ゲンドウと冬月以外のネルフメンバーには知らされていません。
【エヴァンゲリオン】ゼーレとネルフとの関係は?
ゼーレは、ネルフの上位機関です。
ゼーレが計画し、ネルフが実行しています。
ゼーレのメンバーで構成する人類補完委員会も、ネルフも国連の直属機関です。
新劇場版では、碇ゲンドウと冬月コウゾウが、モノリスのいる部屋で会議をしている姿がよく出てきます。
二人の立場を確認すると、
- 碇ゲンドウは、ネルフの最高司令官
- 冬月コウゾウは、ネルフの副司令官
です。
ゲンドウと冬月は、ネルフの司令官の立場で、ゼーレの会議に出席しているんですね。
2004年まで、ゲンドウはゼーレに忠実でしたが、妻のユイの死後は「ユイに再会する」ことがゲンドウの大きな目的となります。
そのため、ゼーレの人類補完計画とは別に、ゲンドウも独自の人類補完計画を練っているのです。
ゼーレと碇ゲンドウの目的の違いや人類補完計画については、別の記事に詳しくまとめましたので、ご参照ください。
【エヴァンゲリオン】死海文書とは?
碇ゲンドウがよく「死海文書」という言葉を使います。
死海文書は実際に存在します。
1947年に死海北西で発見された、キリスト教に関する2000年前の古文書ですね。
しかし、エヴァンゲリオンの世界の死海文書とはもちろん別。
書いてある内容が違います。
エヴァンゲリオンでの死海文書とは、使徒に関する預言などが書かれた古文書のこと。
その中でも特に重要な内容だからと、ゼーレが秘匿している内容を、「裏死海文書」(新劇場版では「死海文書外伝」)と呼びます。
ゼーレは秘密を多く持った組織なので、「表向き」と「裏向き」をよく使い分けます。
死海文書も「表向き」と「裏向き」の2種類があるということですね。
「裏死海文書」の内容については、ゲンドウと冬月以外のネルフには知らされていないのです。
死海文書には何が書かれているのでしょう?
- 使徒の出現の預言
- サードインパクトの預言
- 生命の種やロンギヌスの槍の使い方や、運用時の計画書
ある日、ゼーレは死海文書を発掘します。
南極にアダムが眠っていたことで。「古文書の預言は本当」と確信されました。
もともとゼーレは宗教団体だったので、教義に立ち返って、裏死海文書のシナリオに沿って行動するようになったのです。
碇ゲンドウがよく「計画通りだ」と言いますが、それは裏死海文書のシナリオ通りに行動しているという意味なんですね。
【エヴァンゲリオン】ゼーレのモノリスとは何?
あのモノリスは何かというと、
ゼーレメンバーの頭脳をデータ化して、モノリスに移植している
んですね。
ゼーレのメンバーは12人いて、TV版などでは普通に人の姿をしていました。
新劇場版ではメンバーが7人になっています。
モノリスには番号がふられていますが、「01」番がゼーレ最高指導者のキール・ローレンツです。
人間だったゼーレメンバーが、モノリスになった理由について、庵野監督は次のように語っています。
「あれは人間のイメージから外れていったんです。(中略)どんどん抽象化してくるもう人の形じゃないなって気がしましたから。
意識的なものに行くっていうのは。」
引用:『庵野秀明スキゾ・エヴァンゲリオン』
声だけの方が、非人間的な無機質感や不気味さが演出できるメリットがあったようです。
ちなみに、モノリスの形状は、映画『2001年宇宙の旅』のモノリスをベースにしています。
【エヴァンゲリオン】解説・考察記事の一覧
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【序】
【破】
【Q】
【エヴァンゲリオン】ゼーレの正体や目的まとめ
『エヴァンゲリオン』は専門用語が多いので、初めて見る人には分かりにくいですよね。
この記事は、エヴァ初心者向けにゼーレの基礎知識をまとめました。
- ゼーレは、国連を隠れ蓑にして、世界を牛耳る秘密結社
- ゼーレは「裏死海文書」のシナリオに沿って行動する
- ゼーレは、人類の進化をリセットしてやり直すのが目的
- 人類を「ひとつの体、ひとつの魂」にしたい
- ゼーレが計画し、ネルフが実行する
- モノリスは、ゼーレメンバーの頭脳をデータ化して移植したもの