『シン・エヴァンゲリオン新劇場版』には、新しいエヴァ用語がたくさん出てきました。
特に後半は、意味不明な用語が飛び交っており、よく分からなかった人も多いでしょう。
この記事では、
- マイナス宇宙とは?
- ゴルゴダオブジェクトとは?
- 量子テレポートとは?
について、分かりやすく解説します。
【シンエヴァ】マイナス宇宙とは?
『シン・エヴァンゲリオン新劇場版』のクライマックスに出てきた「マイナス宇宙」。
リアル世界には存在しない、SF世界の用語です。
「マイナス宇宙」はウルトラマンにも出てくる!
庵野監督が、ウルトラマン好きなのは有名ですね。
実は、ウルトラマンにも「マイナス宇宙」なるものが出てくるのです。
ウルトラマンのマイナス宇宙は、
- 地球などとは別次元に存在する
- 光速以下では進入できない
という、特別な場所です。
この設定が、「シンエヴァ」のベースになっていると思われます。
セリフから読み解く「マイナス宇宙」とは?
シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 本予告
— 第3新東京市 @NERV 2Ø21-3・8 (@i6KpsHCEUximAcG) December 25, 2020
第三新東京市!?
初号機 VS 13号機!?
ロンギヌスの槍&カシウスの槍!?
ネルフ→13号機?
ヴィレ→初号機?
このシーンは劇中に登場するのでしょうか? だとしたらかなり激アツですね#エヴァンゲリオン #evangelion #シン・エヴァンゲリオン劇場版I pic.twitter.com/9TrjrpH2VN
「シンエヴァ」のマイナス宇宙とはどんな場所なのか、劇中のセリフから読み解いてみましょう。
碇ゲンドウは、フォースインパクトを起こした後、第13号機でマイナス宇宙へ飛び去りました。
リツコは
「ガフの扉の向こうは、ヴンダーでも手出しできないマイナス宇宙」
と言って、追いかけられないことを悔しがりましたね。
ヴンダーは、高速以下のスピードしか出せないからでしょう。
また、ゲンドウはシンジに、
「マイナス宇宙を我々の感覚機能では認知できない。ゆえにLCLが知覚可能な仮想の世界を形成している」
と言いました。
ざっくり言えば、
人間の肉体の機能(五感)では認知できない、バーチャルな空間
ということです。
ゲンドウの第13号機とシンジの初号機は、マイナス宇宙で戦いましたね。
第3新東京市は、ウルトラマンの特撮のセットのようになっていました。
その他、
- 第壱中学校2年A組の教室
- ミサトのかつてのアパートの部屋
- 綾波レイが一人暮らししていた部屋
と、場面が次々展開していきました。
つまりは、これが「LCLが知覚可能な仮想の世界を形成している」という状態なのですね。
ゲンドウはシンプルに「お前の記憶の世界」と言っていました。
映画を観る側からすると「何でもあり」と思えるゆえんでしょう。
シンジが8号機から初号機に、ワープしたかのように見えたのも、マイナス宇宙だから起きたこと。
また、マリは「マイナス宇宙」のことを「裏宇宙」と呼んでいました。
この言葉も、「人間が認識できない、現実とは別次元の世界」という意味で使われていると思います。
また、碇ゲンドウがマイナス宇宙へ行けたのは、ネブカドネザルの鍵を使ったからです。
ネブカドネザルの鍵については、別の記事にまとめましたので、ご参照ください。
【シンエヴァ】ゴルゴダオブジェクトとは?
ゴルゴダオブジェクトというワードも、「シンエヴァ」で初めて出てきましたね。
「ゴルゴタ」は、新約聖書に登場する言葉です。
キリストが十字架にかけられたのが、エルサレムのゴルゴダの丘なのです。
つまりは聖地ですね。
ウルトラマンには「ゴルゴダ星」が登場
ウルトラマンの世界で、マイナス宇宙に存在するのが「ゴルゴダ星」。
ヤブールという星人が、ウルトラ4兄弟を磔にした惑星です。
「シンエヴァ」でも、ゴルゴダオブジェクトでエヴァンゲリオンイマジナリーが磔になっていました。
ウルトラマン好きの庵野監督は、ウルトラマンのオマージュとして、「ゴルゴダ」というワードを「シンエヴァ」でも使ったのでしょう。
画とセリフから読み解く「ゴルゴダオブジェクト」とは?
「シンエヴァ」の「ゴルゴダオブジェクト」がいかなるものか、劇中の画とセリフから読み解いてみましょう。
ちなみに、「ゴルゴダオブジェクト」を直訳すると、「ゴルゴダの物体」という意味ですね。
劇中の画から、
- 形状は十字型
- エヴァンゲリオンイマジナリーが磔になっていた
場所だと分かりました。
十字型なのは、神が磔にされている場所だからと言えそうです。
また、「Q」の冒頭で初号機が封印されていたのも、十字型でした。
「封印」という意味もありそうです。
次に、劇中のセリフからゴルゴタオブジェクトが、いかなるものか読み解いてみましょう。
ゲンドウは、
- アディショナルインパクトは、ゴルゴダオブジェクトでしか起こせない
- アダムスの6本の槍とともに、神の世界が残されている
- シンジの母(ユイ)もいる
- 全てが始まる約束の地
- 運命を変えることのできる唯一の場所
と言っていました。
要するに、「世界を書き換えられる唯一の場所」ということですね。
アディショナルインパクトについては、別の記事にまとめましたので、ご参照ください。
【シンエヴァ】量子テレポートとは?
「シンエヴァ」には、「量子テレポート」という言葉も出てきました。
これは科学においてリアルに使われている言葉です。
量子学の「超ひも論」では、11次元あることが分かっています。
わたしたちが生きているのは3次元の世界なので、SFの世界に思えますよね。
11次元とはどんな世界かというと、人間が五感で知覚できないミクロの世界なのです。
ミクロの世界では、テレポーテーションの実験が成功しています。
しかし「シンエヴァ」の量子テレポートは、あくまでもイメージ的なもの。
リアル科学の「量子テレポーテーション」とは異なります。
エヴァンゲリオンがワープするための技と言えるでしょう。
ウルトラマンをはじめ、SF世界でワープはつきもの。
エヴァンゲリオンも、宇宙でワープしても不思議ではないし、庵野監督もワープさせたかったのでしょう。
また、「マイナス宇宙」「ゴルゴダオブジェクト」などの用語と併せて使うことで、「人知を超えた未知の領域」という雰囲気を強調していると思います。
【エヴァンゲリオン】解説・考察記事の一覧
『エヴァンゲリオン』関連記事は、全部で35記事あります。
『エヴァンゲリオン』カテゴリーからも、記事一覧を確認できます。
【序】
【破】
【Q】
【シンエヴァ】マイナス宇宙やゴルゴダオブジェクトまとめ
『シン・エヴァンゲリオン新劇場版』で初めて使われた、「マイナス宇宙(裏宇宙)」、「ゴルゴダオブジェクト」「量子テレポート」という言葉。
正直意味不明で、よく分かりませんよね。
- 「マイナス宇宙」「ゴルゴダ」は、庵野監督の好きなウルトラマンのオマージュ
- マイナス宇宙は、人間の肉体的な五感では認識できない。LCLで知覚する仮想の世界
- マイナス宇宙では、記憶の世界として知覚される
- ゴルゴダオブジェクトは、世界を新しく書き換えられる唯一の場所
- 量子テレポートは、リアル科学で実験成功しているが、「シンエヴァ」ではワープするための技